噴泥とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 噴泥の意味・解説 

噴泥

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/21 02:17 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

噴泥(ふんでい)とは、鉄道において、線路構造の老朽化または異状を示す現象のひとつ。線路上に泥が噴き出たように見えるためこの名がある。

鉄道線路に発生した噴泥。

通常、鉄道の「線路」と呼ばれているものは、鉄道工学上は「軌道」という[1]。一般的な軌道構造は、天然の地表(路床という)を切り取り、または土を盛って路盤を形成し、その上に砕石(バラスト)を敷いて道床とし、枕木及びレールを敷く「バラスト軌道」と言われるものである。噴泥は、このバラスト軌道の場合に発生し、コンクリートへの直結軌道には見られないが、不陸[2]のある路床に直接コンクリート路盤を設置すると稀に発生する場合がある。

噴泥発生のメカニズムは、以下の2通りに分類される。

  1. 路盤噴泥・・・地下水上昇や長期の浸水等でやわらかくなったり、あるいは長年列車振動などで荒らされた路盤表面の土が泥となり、列車荷重など圧力がかかった際にバラストの隙間を上昇し、道床表面に噴出する。
  2. 道床噴泥・・・長年の列車振動により粉砕されたバラスト粒や、バラスト敷設時に混入した土、または外部から持ち込まれた塵芥等が、泥となってバラストの隙間を塞ぎ、固結する。

噴泥が発生すると、レールと枕木をやわらかく支えているバラスト道床の弾性力が失われ、軌道変状(陥没、張り出し等)の危険性が大きくなる。よって、噴泥が発生した場合は以下により補修しなければならない。

  • 道床交換・・・噴泥発生範囲のバラストを全部取り替える。
  • 道床ふるい分け・・・噴泥発生範囲のバラストをふるいにかけ、一定以上の粒径のバラストだけ戻す。足りない分は新しいバラストを補充する。

また、噴泥を発生させないようにするには、路盤表面に適切な排水勾配を設けて水はけをよくしたり、路盤表面をアスファルトで舗装する強化路盤とする方法がある。

脚注

  1. ^ 軌道法大正10年4月14日法律第76号)上の軌道とは別。
  2. ^ ふろく。平ではなく凹凸があること。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「噴泥」の関連用語

噴泥のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



噴泥のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの噴泥 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS