古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/21 14:56 UTC 版)
古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群(こちちぶわんたいせきそうおよびかいせいほにゅうるいかせきぐん)は、埼玉県秩父地方にある古秩父湾時代の地層及び同所における多様な生物群を象徴する海棲哺乳類の複数の化石[1]。日本国内初の複合天然記念物である[1](2016年3月指定)。
概要
秩父地方の地下には約1,700万年前に誕生して約1,500万年前に消滅した古秩父湾の地層が堆積しており、地質学の観察場所として知られていた。2016年3月1日付けで、秩父地方に存在するこの年代の地層を観察できる露頭6か所と海棲哺乳類の化石9点とが「古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群」の名称で国の天然記念物に指定された[2]。複数の露頭と化石群がセットで天然記念物に指定されたのは日本で初めてである[3]。また、埼玉県における国の天然記念物指定は、1968年(昭和43年)の「平林寺境内林」(新座市)以来、48年ぶりであった。化石の一部は埼玉県立自然の博物館で展示されている。
指定物件

- 取方の大露頭(国・秩父市・個人所有) - 秩父市下吉田
- ようばけ(個人所有) - 秩父郡小鹿野町長留、日本の地質百選
- 大野原パレオパラドキシア化石産地(国所有) - 秩父市大野原
- 新田橋の礫岩露頭(横瀬町所有) - 秩父郡横瀬町横瀬
- 海棲哺乳類化石群9件(埼玉県所有) - 秩父郡長瀞町長瀞(埼玉県立自然の博物館保管)
脚注
- ^ a b “秩父市文化財保存活用地域計画 第7章 文化財の一体的・総合的な保存と活用”. 秩父市. 2025年2月21日閲覧。
- ^ 2015年(平成27年)11月20日開催の文化審議会文化財分科会の議決を経て文部科学省に指定が答申され、平成26年3月1日文部科学省告示第29号をもって指定された。
- ^ 全国初の複合指定 古秩父湾の盛衰を物語る地層と化石群、国天然記念物指定へ - 埼玉県、2015年11月20日、2015年11月29日閲覧。
関連項目
- 不整合 (地質学)
- パレオパラドキシア
- チチブクジラ(上記の「海棲哺乳類化石」に含まれる)
- 埼玉県立自然の博物館
- 地質・鉱物天然記念物一覧
- ジオパーク秩父
- おがの化石館
- 埼玉県の観光地
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