占有権の意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/29 10:24 UTC 版)
占有を法律上正当づける権利たる所有権、地上権、質権等の権利を本権というのに対し、占有権は物に対する事実上の支配という状態そのものに法的保護を与える権利である。占有権の意義は、近代社会においては自力救済が原則として禁止されるのに対応し、まず事実上の支配状態(占有)に法的保護を与えることで社会秩序を維持するとともに取引の安全を図ること、また、権利の外観を保護することで真の権利者について本権存在の証明の負担から解放する点にある。ある物が窃取あるいは詐取された場合、窃取・詐取した者は本権がないが占有権を有し、窃取・詐取された者は本権を有するにもかかわらず占有権がない状態に置かれることになる。
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