労働費指向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 14:53 UTC 版)
ヴェーバーは分析の第2段階として、地域による労働費の多寡を検討した。これは、安価な労働力の存在により工業立地が修正されるためである。ここで労働係数を考慮している。人件費を P E {\displaystyle PE} 、立地重量を W l {\displaystyle {W_{l}}} とすると、労働係数 L C {\displaystyle LC} は以下の式で計算できる。 L C = P E W l = P E W m + W p W p = P E M I + 1 {\displaystyle {LC}={\frac {PE}{W_{l}}}={\frac {PE}{\frac {W_{m}+W_{p}}{W_{p}}}}={\frac {PE}{MI+1}}} ここで、労働係数が大きくなるほど、工場を遠隔地に移転しても輸送費増大の幅が小さくなるため、安価な労働力を求めて工場が郊外・海外への移転が進行する。ただし、工場の移転が行われるのは、輸送費の増大分と労働費の節減分が一致する臨界等費用線の内側に限られる。なお、この考え方は、近年問題化している工場の海外移転や産業の空洞化の考察において重要な概念となっている。
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