加耒徹
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加耒 徹(かく とおる、1984年5月1日 - )は、日本のバリトン歌手。株式会社ジャパン・アーツ所属。
東京藝術大学大学院修士課程を首席で修了。修了時に大学院アカンサス賞受賞、武藤舞奨学金を受ける。二期会オペラ研修所マスタークラスを総代で修了。最優秀賞および川崎靜子賞受賞。
第20回友愛ドイツリートコンクール第2位。14年シャネル・ピグマリオン・デイズアーティスト。
バロックから現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、バッハ・コレギウム・ジャパンでは「マタイ受難曲」のCDに参加する他、2021年1月の『エリアス』ではタイトルロールを務め絶賛された。2026年3月から4月にかけて開かれるオランダバッハ協会の『マタイ受難曲』公演のソリストに抜擢され、オランダ各地での13公演の出演が予定されている。
東京オペラシティ財団主催リサイタルシリーズ《B→C》では東京、福岡両公演満席の中、10ヶ国語による歌曲プログラムを熱演した。
オペラでは日生劇場『ドン・ジョヴァンニ』タイトルロール、『コジ・ファン・トゥッテ』グリエルモ、『ランメルモールのルチア』エンリーコ、二期会『ナクソス島のアリアドネ』ハルレキン、『ジューリオ・チェーザレ』アキッラ、黛敏郎作曲『金閣寺』鶴川、J.シュトラウスⅡ世『こうもり』ファルケなどに出演。
二期会オペラ『ルル』では急遽代役として難役シェーン博士を演じ、表現豊かな演唱で観客を魅了した。2023年11月には東京二期会オペラ公演『午後の曳航』にて1号役を演じその歌唱力と演技力にて好評を博した。オペラだけでなく舞台・ミュージカル作品での演奏も好評で、日生劇場主催『アラジンと魔法のヴァイオリン』『アラジンと魔法の音楽会』ではアラジン王子役として全国でツアーを行なう。
2018-19日本フィル&サントリーホール《とっておきアフタヌーン》ではナビゲーターとして出演。
メディアでもテレビ朝日『題名のない音楽会』をはじめ、NHK-Eテレ『すくすく子育て』NHK-FM『リサイタル・ノヴァ』などに出演し活動の場を広げている。
フィガロ技研(アルコール検知器)のCM出演中。
2023年7月には4thアルバム【A Time for Us】をリリース。
その他3枚のソロアルバムをリリースの他、MSJ『フィガロの結婚』CDフィガロ役などでも出演。2024年4月にはプロムジカ使節団のCD【イタリアンソングwith加耒徹】ではイタリア初期バロックのプログラムを演奏している。
Jリーグ「アビスパ福岡」の熱狂的サポーターとしても知られ、2021&2022明治安田生命Jリーグ開幕戦では国歌独唱も行う。
女声合唱団「サーナ・テクセレ」音楽監督、混声合唱団「コール・グラウベン福岡」音楽監督。
洗足学園音楽大学非常勤講師。
声楽を福嶋敬晃、勝部太に師事。
成績・賞歴
- 2009年 第20回 友愛ドイツ歌曲コンクール 第2位 併せて日本歌曲賞、日本Rシュトラウス協会賞を受賞。
- 2011年 東京藝術大学大学院アカンサス賞受賞。
- 2012年 二期会オペラ研修所最優秀賞および川崎靜子賞受賞。
- 2013年 第15回世界オペラ歌唱コンクール NEUE STIMMEN 2013 セミファイナル進出:日本人男性歌手では初のセミファイナル進出。
主なオペラ出演歴
- 《ドン・ジョヴァンニ》ドン・ジョヴァンニ
- 《コシ・ファン・トゥッテ》グリエルモ
- 《フィガロの結婚》アルマヴィーヴァ伯爵
- 《魔笛》弁者
- 《ジューリオ・チェーザレ》アキッラ
- 《ナクソス島のアリアドネ》ハルレキン
- 《こうもり》アイゼンシュタイン
- 《愛の妙薬》ベルコーレ
- 《ランメルモールのルチア》エンリーコ
- 《ドン・パスクアーレ》マラテスタ
- 《蝶々夫人》シャープレス
- 《ラ・ボエーム》ショナール
- 《道化師》シルヴィオ
- 《ホフマン物語》コペリウス・ミラクル博士・ダペルトゥット
- 《天国と地獄》ジュピター
- 《友人フリッツ》ダヴィッド
- 《椿姫》ジェルモン、ドゥフォール男爵
- 《アリオダンテ》オドアルド
- 《ラクメ》フレデリック
- 《ボッカチオ》ボッカチオ、本屋・隊長・使者
- 《カルメン》モラレス
- 《ムツェンスク郡のマクベス夫人》水車屋の番人・屋敷番・使用人
- 《セヴィリアの理髪師》隊長
- ミュージカル《転校生》水神
外部リンク
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