制限的vs.非制限的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/03/04 15:17 UTC 版)
同格は「制限的」、あるいは2番目の要素は挿入句的に1番目の要素を修飾する「非制限的」のどちらでもありえる。 非制限的な同格語(句)では、2番目の要素がその範囲を変えることなく1番目の要素を挿入句的に装飾する。非制限的な同格語(句)は文意にとって重大なものではない。 一方、制限的な同格語(句)では、2番目の要素はいくらか決定的な方法で1番目の要素を制限するか、あるいは理解しやすくする。たとえば「私の友人アリス」という句の「アリス」は、話し手が言及している友人を指定し、それゆえに制限的である。一方で、前述した「私の妻、教育を受けた看護婦」という句は、挿入句的な「教育を受けた看護婦」は対象となる人物を限定せず、むしろ1番目の要素、つまり「私の妻」についての補足情報を提供する。 (英語では)「非制限的な同格語(句)」がコンマによって前置きされるか区分されていなければならないのに対して、「制限的な同格語(句)」はコンマによって区分されない。 すべての制限的な節が同格語(句)であるわけというわけではない。たとえば、「ビルの友人、アリス、…(Bill's friend, Alice,…)」の「アリス」は同格の名詞句である。しかし、「ビルの友人、その名はアリス、…(Bill's friend, whose name is Alice,…)」の「アリス」は同格ではなくむしろ制限節(関係詞節)である。この2つの大きな違いは、後者は同格が省略することをはっきりと、問題となっている友人がアリスである、と述べていることである。 同じ語が、話し手または文脈によって、制限的なものから非制限的なものに(あるいはその逆に)変化することもありうる。「私の兄弟ネイサン(my brother Nathan)」という句でいえば、もし話し手の兄弟が1人だけでないとしたら、「ネイサン」という名前は兄弟の誰かを明らかにするもので制限的である。しかし、話し手に兄弟が1人しかいないのであれば、「ネイサン」という名前は挿入句的で、(英語での)正しい書き方は「私の兄弟、ネイサン、…(my brother, Nathan,...)」になる。
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