債券先物取引とは? わかりやすく解説

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さいけん‐さきものとりひき【債券先物取引】

読み方:さいけんさきものとりひき

債券対象とした先物取引日本では東京証券取引所において昭和60年1985)から長期国債標準物について開始


国債先物取引

(債券先物取引 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 04:02 UTC 版)

国債先物取引(こくさいさきものとりひき、: treasury futures, government bond futures)は、償還期限が1年超の中期以上の国債先物取引金融先物取引の一種である。債券先物取引(bond futures)の一種であるが、債券のうち国債しか上場していない。米国では金利先物取引の一種に分類しているが、日本では金利先物取引と言った場合は短期金利先物取引を指すことが多く、言葉の定義の問題は金利先物取引を参照。

本項では以下の2種類をまとめて扱う。

国債先物(treasury futures)
仮想的な国債標準物を設け、価格を指標として、国債標準物に対して先物取引を行う。
国債利回り先物(treasury yield futures)
国債の利回りを指標とした先物取引。

国債の価格は常時変動しているが、金融機関が国から現物国債を買い(仕入れ)、顧客に売るまでの間、価格変動で損が発生すると困るので、国から現物国債を買うと同時に、国債先物で売りポジションを立てて、顧客に現物国債を売ると同時に先物ポジションを閉じることで、仕入れから売りまでの間の価格変動の損得を避けるという使い方ができる。

取引のルールは取引所が決めているが、日本国債大阪取引所[1]米国債シカゴ商品取引所[2][3][4]は、ほぼ同じルールとなっているのでこれらに基づいて本項は記載する。国債標準物という仕組みが複雑になっているので、先により簡単である株価指数先物取引を学んでから国債先物取引を学んだ方が分かりやすい。日本取引所グループが出している『国債先物入門』がわかりやすく解説している[1]

国債先物

取引最終日が限月として設けられていて、取引最終日後の清算日に清算を行うという仕組みは他の先物取引と同じである。日本国債、米国債、共に3・6・9・12月が限月である。株価指数先物取引と同じく、多くの参加者は最終取引日までポジションを保持せずに、次の限月にロールオーバーするのは同じである。カレンダースプレッド取引によりロールオーバーすることが可能である。出来高は期近の先物に集中する。証拠金取引なのでレバレッジをかけられることや、売りポジションから始められることなども他の先物取引と同じである。

コンバージョン・ファクター

国債先物取引の固有の仕組みとして、現物国債そのものを取引対象とするのではなく、複数の種類の現物国債を受渡適格銘柄としてグループにまとめ、それに対して、仮想的な国債標準物を設定し、国債標準物に対して先物価格がつくという設計になっている。そして、清算する際は、多くは現物渡しとなっていて、下記の方式で受け渡す。

  • 売りポジション側 - 売り側が受渡適格銘柄の中から、自由に買い側に渡す現物国債を選択できる。
  • 買いポジション側 - 受渡適格銘柄の現物国債に対して、取引所は1つ1つコンバージョン・ファクターを設定していて、先物価格×コンバージョン・ファクターの金額を売り側に支払う。

普通の商売は買う側が商品を選ぶが、売り側が受け渡す銘柄を選択するというのが特殊な仕組みとなっている。コンバージョン・ファクター(換算係数、CF)は仮想的な国債標準物を現物国債の価格に直すための係数である。

コンバージョン・ファクター = 受渡適格銘柄の現在価値 ÷ 標準物の現在価値

現在価値は割引キャッシュ・フロー法にて計算できる。現物日本国債、現物米国債、共に年2回クーポン(利子)が支払われるため、国債標準物の利回りが6%で、国債の額面が100円や$100の場合、コンバージョン・ファクターは以下の式となる[1]。コンバージョン・ファクターの計算結果は取引所が公開している。

Category:金融派生商品


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