交響曲第5番 (ドヴォルザーク)とは? わかりやすく解説

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交響曲第5番 (ドヴォルザーク)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/06 00:04 UTC 版)

音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
Antonín Dvořák:Symfonie č.5 - ハイコ・マティアス・フェルスター(Heiko Mathias Förster)指揮プラハ放送交響楽団(Symfonického orchestru Českého rozhlasu)による演奏。チェコ放送(Český rozhlas)公式YouTube。
ドヴォルザーク交響曲5番 Dvorak Symphony 5 - 槙本啓志指揮府中シティオーケストラによる演奏。府中シティオーケストラ公式YouTube。
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音楽・音声外部リンク
第4楽章を試聴する
A. Dvorak:Symphony No.5 F Major Op.76:Finale - カスパル・ツェーンダー(Kaspar Zehnder)指揮バーゼル交響楽団による演奏。指揮者自身の公式YouTube。
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交響曲第5番 ヘ長調 作品76, B. 54 は、アントニン・ドヴォルザーク1875年に作曲した交響曲。かつては出版順により『交響曲第3番』と呼ばれていた。

概要

本作は1875年6月15日オーケストレーションに着手し、同年7月23日に完成した。前作『第4番 ニ短調』(作品13, B. 41)まではリヒャルト・ワーグナーの影響が見られたが、一転してスラヴ風の牧歌的な作風となっており、また終楽章にはヨハネス・ブラームスの作品とワーグナーの楽劇『ワルキューレ』からの和音進行の影響が見られるようになる。本作のこの2つの特徴は、次作『第6番 ニ長調』(作品60, B. 112)など後の作品に引き継がれていくこととなる。

初演は1879年3月25日プラハにて、アドルフ・チェフ指揮、国民劇場管弦楽団により行われ、出版は1888年ジムロック社から出版された。しかし、既に『第6番 ニ長調』(作品60, B. 112)、『第7番 ニ短調』(作品70, B. 141)がそれぞれ「第1番」「第2番」として出版されていたため「第3番」が付けられており、最初に「第5番」として出版されたのは、現在の『第9番《新世界より》』(作品95, B. 178)である。 作品番号も、ドヴォルザーク本人は当初「作品24」とする予定であったにもかかわらず、ジムロック社によって第6番、第7番より後の作品を装って「作品76」とされた。また、出版に際してドヴォルザークはこの交響曲を、指揮者ハンス・フォン・ビューローに捧げた。

楽器編成

フルート2、オーボエ2、クラリネット2(バスクラリネット持ち替え1)、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニトライアングル(第3楽章のみ)、弦五部

曲の構成

全4楽章、演奏時間は約40分。

  • 第2楽章 アンダンテコン・モート
    イ短調、8分の3拍子、三部形式
    第1楽章とは異なり、不安げで寂しい楽章である。冒頭からチェロによる悲しげな主題が提示され、次にヴァイオリン、フルートに引き継がれる。
    明朗な中間部ののち、再現部は再び暗鬱な主題が繰り返され、大きく盛り上がったのち寂しげに終わる。
  • 第3楽章 アンダンテ・コン・モート、クアジリステッソ・テンポ - アレグロ・スケルツァンド
    変ロ長調 - 変ニ長調(トリオ部)、8分の3拍子。
    第2楽章の主題を用いた序奏があるため、ドヴォルザークは第2楽章から「ごく短い小休止の後にすぐ続いて演奏すること」としている。
    主要部のスケルツォの主題は、序奏とは一転し非常に明るい快活なものである。
  • 第4楽章 フィナーレ:アレグロ・モルト
    イ短調 - ヘ長調、4分の4拍子、ソナタ形式
    チェロとコントラバスで演奏されるイ短調の序奏から始まる。序奏によく似たヘ長調の第1主題が木管とヴァイオリンで力強く示されたのち、クラリネットとヴァイオリンが第2主題を応答風に提示する。時折ワーグナーの楽劇『ワルキューレ』とよく似た和声進行が見られる。
    型通りの再現部の後、第1楽章第1主題でクライマックスを形成する。

その他

第1楽章が、かつてテレビ東京系列で放送されていたミニ番組『未来シティ研究所』のテーマ曲として使用されていた。

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