二塩化二酸化モリブデンとは? わかりやすく解説

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ジクロロジオキソモリブデン(VI)

分子式Cl2MoO2
その他の名称Molybdenum dichloride dioxide二酸化二塩化モリブデン、二塩化二酸化モリブデン、Molybdenum(VI) dichloride dioxide、Dichlorodioxomolybdenum(VI)
体系名:モリブデン(VI)ジクロリドジオキシド、ジクロロジオキソモリブデン(VI)


二塩化二酸化モリブデン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/05 22:18 UTC 版)

二塩化二酸化モリブデン
識別情報
CAS登録番号 13637-68-8
PubChem 139520
特性
化学式 Cl2MoO2
モル質量 198.84 g mol−1
外観 黄色またはクリーム色固体
融点

298 °C, 571 K, 568 °F

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

二塩化二酸化モリブデン(Molybdenum dichloride dioxide)は、化学式MoO2Cl2無機化合物である。黄色固体で、他のモリブデン化合物の前駆体として用いられる。非分子固体だが、付加物MoO2Cl2(ether)2としてよく見られ、これは有機溶媒に溶ける。モリブデンのオキソハライドの1つである。

合成

酸化モリブデン(VI)濃塩酸で処理することで最も容易に得ることができる[1]

MoO3 + 2 HCl → MoO2Cl2 + H2O

オキシ四塩化モリブデンMoOCl4からも作ることができる[2]

MoOCl4 + O(Si(CH3)3)2 → MoO2Cl2 + 2 ClSi(CH3)3

酸化モリブデン(IV)の塩素化でも作ることができる[3]

MoO2 + Cl2 → MoO2Cl2

反応

MoO2Cl2(thf)2等の様々な付加物を形成する。嵩高いアニリンとは、ジイミド錯体MoCl2(NAr)2(dimethoxyethane)を形成する。この錯体は、シュロック型カルベン錯体Mo(OR)2(NAr)(CH-t-Bu)の前駆体である[3]

出典

  1. ^ Francisco J. Arnaiz (1997). “Dichlorodioxobis(Dimethylsulphoxide)-Molybdenum(VI)”. Dichlorodioxobis(Dimethylsulphoxide) Molybdenum(VI). Inorganic Syntheses. 31. pp. 246–7. doi:10.1002/9780470132623.ch39. ISBN 9780470132623 
  2. ^ Gibson, V. C.; Kee, T. P.; Shaw, A. (1988). “New, improved synthesis of the group 6 oxyhalides, W(O)Cl4, W(O)2Cl2 and Mo(O)2Cl2”. Polyhedron 7 (7): 579–80. doi:10.1016/S0277-5387(00)86336-6. 
  3. ^ a b Schrock, R. R.; Murdzek, J. S.; Bazan, G. C.; Robbins, J.; DiMare, M.; O'Regan, M. (1990). “Synthesis of molybdenum imido alkylidene complexes and some Reactions Involving Acyclic Olefins”. Journal of the American Chemical Society 112 (10): 3875–3886. doi:10.1021/ja00166a023. 


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