不作為犯の罪数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 23:18 UTC 版)
作為犯の場合は、行為者の動態を外部的・客観的に認識しやすいのに対し、不作為犯の場合は、不作為の状態があるだけであるため、これが同時に複数の作為義務違反に当たる場合に観念的競合と解するか併合罪とするかが大きな問題となる。 ひき逃げ犯人が現場から逃走する場合の、道路交通法上の救護義務違反の罪(同法72条1項前段、117条1項)と報告義務違反の罪(同法72条1項後段、119条1項10号)の罪数について、二つの不作為犯がそれぞれ成立し併合罪の関係に立つとするのが従来の判例・多数説であったが、最高裁昭和51年9月22日大法廷判決は、自然的観察のもとでは「ひき逃げ」という1個の行為であるとして、従来の判例を変更し、両者は観念的競合に当たるとした。
※この「不作為犯の罪数」の解説は、「観念的競合」の解説の一部です。
「不作為犯の罪数」を含む「観念的競合」の記事については、「観念的競合」の概要を参照ください。
- 不作為犯の罪数のページへのリンク