三受
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/23 14:05 UTC 版)
雑阿含経においては、次の3種類の受が挙げられている。 楽受 - 楽しいとする感情を生じる受 苦受 - 苦しいとする感情を生じる受 非苦非楽受 - 楽でもなく苦とも感じない類の受。捨(ウペッカー)。不苦不楽受、捨受ともいう。 聖者も凡夫も同様に、楽受をも感じ、苦受をも感じ(、非苦非楽受をも感じ)なければならないが、凡夫は正法を聞かざるゆえに、それらを身と心との両方で受け取ってしまう。楽受を受ければ、それに愛執するがゆえに、欲貪の煩悩にとらえられ、苦受を受ければ、それに瞋恚(しんに)を生ずるがゆえに、瞋恚の煩悩にとらえられるためである。それに対し、正法を聞いた者は身における受は感ずるけれども、心における受は感じない。釈迦はこれを、あたかも、第一の矢を受けても第二の矢を受けないことと似ているとし、苦受・楽受を受けても心の平和をかき乱されないことを説いている。 なお、阿毘達磨倶舎論においては、すべての苦、楽、不苦不楽(捨)の受を自性順受という。
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