ンガ (神)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/22 16:46 UTC 版)
ンガ[1](ラテン文字:Nga、キリル文字:Нга)は、シベリアに居住するネネツ人の神話(ネネツ神話)に登場する神。死の神であり、二柱の造物主(デミウルゴス)・至高神の片割れでもあった。
ある伝承によれば、世界は自ら崩壊の危機を迎えていた。この大異変を止めようと、一人のシャーマンがもう一柱の造物主、ヌムの助言を求めた。シャーマンは、大地の下、ンガの領域に赴き、ンガを訪ねよ、と助言された。シャーマンはその言葉に従い、そしてンガの娘と結婚した。それ以来、彼は世界をその手で支えるようになり、「大地の老人」として知られるようになった。
別の神話では、ヌムとンガは世界を創造し、協力し合いながらも互いに競い合う。この神話は二元論的宇宙観の一例である[2]。
関連項目
- 儀礼柱
脚注
- ^ 「ンガ」の表記は、荻原 (2011), p. 628、ストーム & 山本・山本訳 (2000), pp. 419, 455 にみられる。
- ^ Vértes 1990: 104–105
参考文献
- Vértes, Edit (1990) (Hungarian). Szibériai nyelvrokonaink hitvilága. Budapest: Tankönyvkiadó. ISBN 963-18-2603-1 (タイトルの意味:「シベリアにおける我らが言語の近縁言語の信仰体系」)
- 荻原眞子 著「北方アジアの女神小事典」、吉田敦彦、松村一男 編『アジア女神大全』青土社、2011年3月10日、625-634頁。 ISBN 978-4-7917-6550-8。
- レイチェル・ストーム 著、山本史郎、山本泰子 訳『ヴィジュアル版 世界の神話百科 東洋編 エジプトからインド、中国まで』原書房、2000年10月20日。 ISBN 4-562-03335-5。
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