モンストリラ類
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/12 01:44 UTC 版)
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Monstrilla longiremis
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本文参照 |
モンストリラ類は、特殊なカイアシ類の一群である。幼生の時期に海産無脊椎動物に内部寄生し、成体は栄養を摂取しない。そのため、口器をすべて欠いているのが特徴である。
特徴
モンストリラ類は、カイアシ類の一群であり、一つの目モンストリラ目 (Monstrilloida) にまとめられる。外見的には他のカイアシ類とさほど異ならず、幅広くて長く、後方に次第にせばまる体、前端に細長い第一触角、腹面には短い付属肢が並び、後端には尾肢がある。大きさは体長3mm程度。ところが、第二触角と口器一式がすべて退化してなくなっている。このため、これ以外のすべてのカイアシ類とはっきり区別できる。他に、第一触角が他の類ほど長くなく、前を向いていること、雌の腹面に突起があってここに卵塊を乗せる点などが特徴となっている。
これは幼生が寄生生活を行い、その時の栄養のみを用いてそれ以降は栄養を摂取しないためである。内部構造として、消化系を欠いているのも同様の理由による。成体の期間はごく短い。少数種が知られるが、分類は整理されていない。
生活史
幼生期に寄生生活をする。宿主としては主に多毛類であるが、軟体動物に寄生するものも知られている。モンストリラ (Monstrilla) は多毛類に内部寄生する。孵化したノープリウス幼生は宿主の体表にとりついて侵入し、血管の中に入り込む。ここで幼生はほぼ楕円形の細胞塊として成長する。付属肢等は見られないが、前端部からは一対の細長い突起が発達する。これは栄養の吸収を司るものと考えられている。これは触角のようにも見えるが、実際にはそうでなく、成体になるときには捨て去られる。
幼生は成長すると、蛹という段階になり、その内部に成体の体が形成される。これは、一般のカイアシ類の発生ではコペポディドV期にあたる。外形的には吸収用突起の間、体の先端部に突起を生じ、この内部に第一触角が収まる。それ以外の付属肢は蛹の内部に形成される。
成体は脱皮するとプランクトン生活に入り、生殖を行って死亡する。雌雄異体である。
分類
モンストリラ科 Monstrillidae と Thespesiopsyllidae の2科があったが、後者はキクロプス目のThaumatopsyllidae科のシノニム種であったため、現在は前者の1科のみである。モンストリラ科には8属ほどを認めるが、分類は混乱しているという。
- Monstrillidae
- Cymbasoma
- Monstrilla
- Monstrillopsis
他
参考文献
- J.G.ベール/竹脇潔訳、『動物の寄生虫』、(1973)、平凡社(世界大学選書044)
- 大塚攻、『カイアシ類・水平進化という戦略』、(2006)、日本放送出版協会(NHKブックス)
- 千原光雄・村野正昭、『日本産海洋プランクトン検索図説』、(1997)、東海大学出版会
- ^ "Monstrilloida" (英語). Integrated Taxonomic Information System. 8月5日.
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固有名詞の分類
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