モモイロノウゼンとは? わかりやすく解説

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モモイロノウゼン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/07 08:23 UTC 版)

モモイロノウゼン
モモイロノウゼンの花
(2024年4月 沖縄県石垣市)
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類
core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : シソ類 lamiids /
真正キク類I euasterids I
: シソ目 Lamiales
: ノウゼンカズラ科 Bignoniaceae
: タベブイア属 Tabebuia
: モモイロノウゼン T. pallida[1]
学名
Tabebuia pallida (Lindl.) Miers[1]
和名
モモイロノウゼン、ピンクテコマ
英名
cuban pink trumpet tree
植栽
掌状複葉。基部2枚以外には小葉柄がある

モモイロノウゼン(桃色凌霄、別名 ピンクテコマ、学名:Tabebuia pallida)はノウゼンカズラ科タベブイア属の半常緑高木ベネズエラ国花

特徴

高さ2–10 mで、熱帯では20 mに達するとされる。生長は早い。葉は対生し、掌状複葉で小葉は3–5枚(1–3枚とする文献もある[2])、全縁、革質でやや厚く光沢が強い。小葉長は6–15 cmで、基部の小葉以外は明瞭な小葉柄がある。小葉の先端は丸い。花は淡桃~白色の漏斗状で、枝先にまとまってつく。花筒は中央部が黄色を帯び、先端は5裂し、やや縮れる。開花は春~初夏が最盛期とされるが、一斉に咲くとは限らず、ほぼ通年開花がみられる。果実は長さ10–20 cmの細長い莢状で、熟すると裂開する[3][4][5][6][7][2][8]

分布と生育環境

熱帯アメリカ[3][4][7][2]メキシコ・ベネズエラ・エクアドル[5]、カリブ海[8]原産とされる。POWOではカリブ海リーワード諸島ウィンドワード諸島が原産としている[9]

利用

街路樹、公園樹、庭園樹[5][8]。自然樹形が美しいので、剪定は徒長枝の切除に留める。古い葉にスス病がみられることがあるが、害虫の発生はほとんどない。繁殖は実生や挿し木による[5]

属の分類と近縁種

別名ピンクテコマとされる種の1つだが、本種はTabebuia属。本種の葉先は尖らず、花は淡桃色。同属のキダチベニノウゼン T. roseaもピンクテコマと称されるが、こちらは葉先が尖り、花は濃桃色。

両種はよく似ており、図鑑により学名などに混乱もみられるが、本項では大川・林(2016)[7]などに従い、葉先が鈍頭の種をモモイロノウゼン T. pallidaとした。

脚注

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tabebuia pallida (Lindl.) Miers”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年9月7日閲覧。
  2. ^ a b c (沖田原 2021, p. 409)
  3. ^ a b (池原 1979, p. 103)
  4. ^ a b (白井 1980, p. 72)
  5. ^ a b c d (海洋博記念公園管理財団 1997, p. 48)
  6. ^ (屋比久 2006, p. 54)
  7. ^ a b c (大川 & 林 2016, p. 420)
  8. ^ a b c (林 & 名嘉 2023, p. 280)
  9. ^ Tabebuia pallida (Lindl.) Miers” (英語). Plants of the World Online. Kew Science. 2025年9月7日閲覧。

参考文献

  • 池原直樹「モモイロノウゼン Tabebuia rosea」『沖縄植物野外活用図鑑』 2巻《栽培植物》、新星図書出版、1979年。 
  • 白井祥平「モモイロノウゼン Tabebuia pentaphylla」『沖縄園芸植物大図鑑』 4巻《熱帯花木》、沖縄教育出版、那覇市、1980年。 
  • 海洋博記念公園管理財団「モモイロノウゼン」『沖縄の都市緑化植物図鑑』新星出版、那覇市、1997年。ISBN 9784902193732  ※ 本文では葉先は丸みがあるとするも、掲載画像の葉先は尖る
  • 屋比久壮実「モモイロノウゼン Tabebuia rosea」『花ごよみ 亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画、2006年。 ISBN 4990191730  ※ 掲載画像の葉先は尖る
  • 大川智史; 林将之「モモイロノウゼン Tabebuia pallida」『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。 ISBN 9784829984024  ※ 葉先は鈍頭、3出複葉と5枚小葉が混在
  • 沖田原耕作「モモイロノウゼン Tabebuia pallida」『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。 ISBN 9784909366832  ※ 葉先は丸く、単葉または3出複葉
  • 林将之; 名嘉初美「モモイロノウゼン Tabebuia pallida」『沖縄の身近な植物図鑑』(第2版)ボーダーインク、2023年。 ISBN 9784899824350 

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