中央構造線とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 地理 > 地学 > 構造線 > 中央構造線の意味・解説 

中央構造線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/19 15:15 UTC 版)

中央構造線(ちゅうおうこうぞうせん; : Median Tectonic Line)は、西南日本九州東部から関東へ横断する世界第一級の断層である[1][2]。英語表記からメディアンラインメジアンラインとも言い、略して MTL とも言う[注釈 1]


注釈

  1. ^ かつては中央線中央裂線中央変位線とも呼ばれていた[1]
  2. ^ 鹿塩(かしお)時階の名称は長野県大鹿村の地名に由来している[4]
  3. ^ 三波川帯と領家帯のように、地質体が低角の逆断層によって数十キロ (km)から百 kmの距離を移動して重なった構造はナップ英語版構造と呼ばれる[16]
  4. ^ 棚倉構造線 (Tanagura Tectonic Line) は棚倉断層とも呼ばれ、茨城県常陸太田市から福島県棚倉町にかけて存在している。八溝帯と阿武隈帯を分ける、長さ約60 kmの横ずれ断層である[22]
  5. ^ 日奈久区間の南は、御立岬付近から八代海南部にかけて延びる、長さ約30kmと推定される八代海区間である[39]
  6. ^ ほか、岡田 (2012) ではMTL断層帯とも表記している。後藤 & 中田 (2000) では、地質境界としては狭義の中央構造線、活断層としては中央構造線活断層系と呼び分けている。

出典

  1. ^ a b c d e 伊藤 & 田中 1996
  2. ^ a b c 高橋雅紀「東西日本の地質学的境界【第一話】事の発端」(PDF)『GSJ地質ニュース』第5巻第7号、国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター、2016年7月、pp.218-225、2017年1月14日閲覧 (参照ページ:p.221)
  3. ^ 山下, 昇「ナウマンの地質構造研究-2 日本地質像の総合:ナウマンの日本地質への貢献6」『地質学雑誌』第99巻第1号、日本地質学会、1993年、47-69頁、doi:10.5575/geosoc.99.47 
  4. ^ a b c d e f 村田明広. “中央構造線 ちゅうおうこうぞうせん”. 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンク. 2016年3月27日閲覧。
  5. ^ a b c 後藤 & 中田 2000, p.6.
  6. ^ 山下 2014, p.58.
  7. ^ a b 山下 2014, p.59.
  8. ^ 高橋雅紀「東西日本の地質学的境界【第二話】見えない不連続」(PDF)『GSJ地質ニュース』第5巻第8号、産業技術総合研究所地質調査総合センター、2016年8月、pp.244-250、2017年1月14日閲覧 (参照ページ: p.248)
  9. ^ フォッサマグナ地域西縁の糸魚川-静岡構造線”. 大鹿村中央構造線博物館. 2016年3月30日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g h 中央構造線はどこを通っている?”. 大鹿村中央構造線博物館. 2024年1月30日閲覧。
  11. ^ a b c 中央構造線断層帯(金剛山地東縁-伊予灘)”. 地震調査研究推進本部. 2016年3月30日閲覧。
  12. ^ a b 地震調査委員会 活断層の長期評価 中央構造線断層帯(金剛山地東縁-伊予灘)の長期評価を一部改訂”. 地震調査研究推進本部 (2011年). 2016年3月30日閲覧。 地震調査委員会 活断層の長期評価 中央構造線断層帯(金剛山地東縁-伊予灘)の長期評価を一部改訂」(PDF)『地震本部ニュース』、地震調査研究推進本部事務局、2011年4月15日、8-9頁、2016年3月30日閲覧 
  13. ^ 数研出版編 2014, p.264.
  14. ^ a b c 平 1990, pp.134, 194, 199(図4).
  15. ^ 「中央構造線」列島横切る巨大断層 熊本地震の延長上 九州~近畿で400年前に連続発生【画像】”. 日本経済新聞 (2016年4月22日). 2017年1月8日閲覧。
  16. ^ a b c d 数研出版編 2014, p.255.
  17. ^ a b c d e f g 柳井ら 2000, p.1086.
  18. ^ 平 1990, pp.70, 194, 201(図6).
  19. ^ a b 後藤 & 中田 2000, p.7.
  20. ^ 後藤 & 中田 2000, pp.7-8.
  21. ^ 高橋雅紀「関東平野地下深部に特定された中央構造線 活断層の原因を地下深部に探る」(PDF)『産総研TODAY』第6巻第5号、産業技術総合研究所 地質調査総合センター、2006年5月、20-21頁、2009年10月7日閲覧 
  22. ^ 日本地質学会構造地質部会編 2012, pp.4-5.
  23. ^ 地質学雑誌 95巻(1989年)9号 柴田賢・高木秀雄「関東山地北部の花崗岩類の年代 同位体から見た中央構造線と棚倉構造線との関係」
  24. ^ 新妻信明. “関東プレートとM8級地震発生場としての鹿島海底崖および中央構造線”. 日本地球惑星科学連合 2001年大会予稿集. 2011年6月9日閲覧。[リンク切れ]
  25. ^ 和歌山北部の中央構造線、地震確率14%…今後30年以内”. 読売新聞 (2011年2月19日). 2011年2月21日閲覧。[リンク切れ]
  26. ^ 地震調査研究推進本部地震調査委員会 (2011年2月18日). “中央構造線断層帯(金剛山地東縁-伊予灘)の長期評価(一部改訂)” (PDF). 主要活断層帯の長期評価. 地震本部. 2016年3月30日閲覧。
  27. ^ 地震予知連絡会会報 第20巻(1978年8月) 5-2 「速吸瀬戸の海底地形、地質構造」海上保安庁水路部
  28. ^ a b c 橋本勇「九州の基盤構造・火山・地熱 (1) 九州の基盤岩と北薩の屈曲」(PDF)『アーバンクボタ』第22号、1984年4月、p.2、2016年4月25日閲覧 
  29. ^ 矢部, 長克「リヒトホーフェン氏の長崎三角地域」『地質学雑誌』第32巻第381号、日本地質学会、1925年、201-209頁、doi:10.5575/geosoc.32.201 
  30. ^ 地質学論集第40号(1992年12月)P.53~63 鎌田浩毅「申央構造線の西方延長としての大分一熊本構造線の右横ずれ運動とフィリピン海プレートの右斜め沈み込み」
  31. ^ 村井 & 金子 1976, p.1.
  32. ^ 村井 & 金子 1976, p.3.
  33. ^ 九州地域の活断層の長期評価(第一版)概要” (PDF). 地震調査研究推進本部 (2013年2月). 2016年4月25日閲覧。
  34. ^ 古澤美由紀「九州の鉱床を伴う新第三紀および第四紀火成岩の地球化学」(PDF)、鹿児島大学(博士(理学)論文)、2012年3月15日、NAID 5000005769212016年4月24日閲覧 
  35. ^ 小坂 1995. p.94.
  36. ^ 小坂 1995. p.95.(図3-13 九州におけるグリーンタフ及び瀬戸内系火山岩類の分布)
  37. ^ 松本征夫「九州の基盤構造・火山・地熱 (3) 別府-島原地溝」(PDF)『アーバンクボタ』第22巻、クボタ、1984年4月、p.13.(図3・3 別府-島原地溝内の断層と基盤深度)、2016年4月24日閲覧 
  38. ^ a b 福田将眞、田中均、高橋努「九州山地西縁の日奈久断層の再検討」(PDF)『日本地質学会第122年学術大会(2015長野大会)講演要旨』、日本地質学会、2015年9月11日、doi:10.14863/geosocabst.2015.0_134NAID 1300054829682016年4月25日閲覧 
  39. ^ a b 地震調査研究推進本部地震調査委員会 (2013年2月1日). “布田川断層帯・日奈久断層帯の評価(一部改訂)” (PDF). 地震調査研究推進本部. p. 1. 2016年4月25日閲覧。
  40. ^ a b c d e f 岡田 1993, p.8.
  41. ^ a b c d e f g h i j k l m n 岡田 1993, p.9.
  42. ^ セグメント区分” (PDF). 地震・地震動評価委員会及び施設健全性評価委員会ワーキング・グループ3. 原子力安全委員会 (2009年5月28日). 2012年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月14日閲覧。
  43. ^ 都司嘉宣. “歴史上の内陸被害地震の事例研究”. 平成13年度成果報告. 東京大学地震研究所 地震・火山噴火予知研究協議会. 2011年6月9日閲覧。
  44. ^ 松田時彦「要注意断層」の再検討」『活断層研究』第14号、日本活断層学会、1996年、doi:10.11462/afr1985.1996.14_1NAID 1300033556412011年11月11日閲覧 
  45. ^ 坂本正夫, 「遠山地震(1718年)の被害調査」『伊那谷自然史論集』 15巻 p.1-18 2014年, 飯田市美術博物館, doi:10.20807/icmnhr.15.0_1
  46. ^ 茨城県の地震活動の特徴 地震調査研究推進本部
  47. ^ 竹野内崇宏 (2017年12月19日). “中央構造線断層帯、九州東部でも認定 同時活動の恐れも”. 朝日新聞デジタル. https://www.asahi.com/articles/ASKDH775MKDHUBQU020.html 2018年6月24日閲覧。 
  48. ^ 活断層としての中央構造線”. 大鹿村中央構造線博物館. 2016年3月30日閲覧。
  49. ^ a b 中央構造線露頭”. 大鹿村中央構造線博物館. 2016年3月30日閲覧。
  50. ^ 「巨大地震研究の最前線(第2回)熊本地震と全国の危険な活断層 : 今、警戒すべきは?」『Newton』第36巻第7号、ニュートンプレス、2016年7月、60-91頁、NAID 40020863211 (参照ページ: p.67.「連鎖がさらに広がる可能性は? 中央構造線への影響は?」)
  51. ^ 岡田 2012, pp.132-134.
  52. ^ a b 岡田 2012, p.145.
  53. ^ “悩む巨大プラント・伊方原発20年 (12) 原子力損害賠償”. 愛媛新聞 朝刊 (愛媛新聞社): p. 総一. (1997年10月12日). "昨年公表された岡村真・高知大教授(地震地質学)らによる伊予灘の海底活断層調査で、伊方原発前面海域に最も活動度の高いAクラス活断層二本が確認された。...高知大グループの調査では、二千年間隔でマグニチュード (M) 6.8 - 7.2、最悪の場合は7.6の地震を起こす可能性もある。" 
  54. ^ “活断層の不安消えず 問われる審査の妥当性”. 四国新聞 朝刊: p. 24 社会. (2000年12月16日). "原発は本当に大地震に耐えられるのか―。...この不安が、十五日判決の四国電力伊方原発2号機訴訟でも主な争点だった。...中央構造線のそばにある伊方原発も、当初から震災が不安視されたが、岡村真・高知大教授が原発沖に活断層を発見したと発表したことで、論議は一気に熱を帯びた。...読者談話 伴英幸・原子力資料情報室共同代表の話 新しい活断層が見つかったことを取り上げ、それまでの安全審査の判断が誤りであったと踏み込んだ...。同様の訴訟で初の判断...。" 
  55. ^ “伊方原発は大丈夫か 近くに巨大活断層”. 高知新聞. (2006年3月25日). オリジナルの2013年6月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130612065621/http://www.kochinews.co.jp/jisin/jisin060325.htm 2016年3月30日閲覧。 
  56. ^ “中央構造線断層帯 紀伊半島M 8の確率5% 四国M 8で0.3% 今後30年 政府調査委”. 高知新聞 朝刊. (2003年2月13日). "...長期評価は、中央構造線が全区間で同時にずれればM 8以上の地震になると分析。個別にずれても、四国では...石鎚山脈北縁西部-佐田岬北西付近に至る区間...もM 8以上と指摘した。...中央構造線の断層から最も近いところで約六キロしか離れていない愛媛県の伊方原発の安全性。岡村教授も同原発の周辺は「震度7クラスになる」とみる。..." 
  57. ^ 日本地質学会構造地質部会編 2012, pp.16-17.
  58. ^ 大鹿村の中央構造線(北川露頭・安康露頭)」が国の天然記念物に指定”. 南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク (2013年6月26日). 2019年4月22日閲覧。
  59. ^ 大鹿村の中央構造線(北川露頭・安康露頭)”. 文化遺産オンライン. 文化庁. 2016年3月27日閲覧。 “おおしかむらのちゅうおうこうぞうせん(きたがわろとう・あんこうろとう)
  60. ^ a b “「地質百選」83カ所選定/市町村に認定書送付/全地連”. 建設通信新聞 (日刊建設通信新聞社). (2007年5月10日). "全国地質調査業協会連合会...は、「日本の地質百選」として83カ所を選んだ。...▽長野=中央構造線(大鹿町)...▽三重=中央構造線(月出)...▽愛媛=砥部衝上断層..." 
  61. ^ 講談社編 2003, pp.213. "月出(つきで)の中央構造線(ちゅうおうこうぞうせん)"
  62. ^ 日本地質学会構造地質部会編 2012, pp.18-19.
  63. ^ 月出の中央構造線”. みんなで、守ろう!活かそう!三重の文化財 / 情報データベース. 三重県教育委員会事務局社会教育・文化財保護課. 2016年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月18日閲覧。
  64. ^ "月出の中央構造線 「地質百選」に"朝日新聞2007年5月25日付朝刊、三重版23ページ
  65. ^ 河本 2010, pp.20-22.
  66. ^ 南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク ロゴマークが決定しました”. 南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク. 南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク協議会 (2011年1月25日). 2016年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年1月26日閲覧。
  67. ^ ジオサイト 中央構造線の活動”. 下仁田ジオパーク. 下仁田町産業観光課. 2016年4月6日閲覧。
  68. ^ 2012年 町勢要覧” (PDF). 下仁田町. pp. 1, 2, 19. 2016年4月6日閲覧。
  69. ^ 蒲池明弘 (2021年9月3日). “諏訪大社、伊勢神宮が中央構造線の上にある謎についての「縄文古道説」”. note. 2024年2月20日閲覧。
  70. ^ 街道ネットワークがつくった奥三河山村文化のダイナミズム”. 豊橋市文化センター. 2024年2月20日閲覧。
  71. ^ 後藤拓磨. “「中央構造線を考える」―21世紀の聖地論―”. やまめの里. 2024年2月20日閲覧。
  72. ^ 地質ニュース1968年2月号(No.162)山田敬一「水銀の話③」
  73. ^ 中央構造線と神社〜大きな神社が集中している本当の理由〜”. nagomeru(なごめる). 2024年2月20日閲覧。


「中央構造線」の続きの解説一覧




中央構造線と同じ種類の言葉

このページでは「ウィキペディア」から中央構造線を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書から中央構造線を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書から中央構造線を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「中央構造線」の関連用語

中央構造線のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



中央構造線のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの中央構造線 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS