ミンコフスキーの疑問符関数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/04 12:59 UTC 版)

数学において、ミンコフスキー疑問符関数(英: Minkowski question-mark function)は、Hermann Minkowski (1904, pages 171–172) によって定義された ?(x) と表される関数であり、さまざまな奇妙なフラクタル特性を持つ。この関数は、二次無理数を有理数の二進展開に連分数展開する関係式を介して、二次無理数を単位区間内の有理数に写す。この関係式は1938年にアルノー・ダンジョワ(Arnaud Denjoy)によって与えられた。 また、スターン・ブロコット木(Stern–Brocot tree)に密接に関連する再帰的な定義でわかるように、この関数は有理数を二進有理数に写す。
定義
x が無理数の場合、x の連分数表現を [a0; a1, a2, …] とすると、疑問符関数は次のように定義される。
疑問符関数は狭義単調増加な連続関数である[3]が、絶対連続ではない。有理数における微分係数はゼロである。積分されたときに疑問符関数を生成する測度には、いくつかの構成法が存在する。そのような構成の1つは、実数直線上のフェリー数の密度を測定することによって得られる。疑問符測度は、マルチフラクタル測度とも呼ばれるものに対する典型的な例である。 疑問符関数は有理数を二進分数に写す。二進分数とは、上で述べた再帰的定義から帰納的に証明されるように、 その二進表現が終了するものを意味する。このほか、二次無理数を非二進有理数に写す。また、疑問符関数は奇関数であり、関数方程式 ?(x + 1) = ?(x) + 1 を満たすことから、 x → ?(x) − x は、周期 1 の奇周期関数である。 ?(x) が無理数である場合、 x は次数が2より大きい代数的数か、超越数である。
疑問符関数は 0, 1/2, 1、そして少なくとももう2つの不動点を持ち、中点に対して対称である。不動点の一つは約 0.42037 である[3]。
1943年、ラファエル・サレム(Raphaël Salem)は疑問符関数のフーリエ・スティールチェス係数(Fourier–Stieltjes coefficients)が無限大でゼロになるかという問題を提起した[4]。つまり、