マルクスの半ズボンとは? わかりやすく解説

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マルクスの半ズボン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/13 15:28 UTC 版)

マルクスの半ズボン(マルクスのはんズボン、スワヒリ語:Kaptula la Marx)は、タンザニア作家ユフレイズ・ケジラハビ作のスワヒリ語による戯曲

あらすじ

刑務所で9年間収容されている政治犯6名は演説や議論の物真似をしたりしながら時間をつぶしている[1]

一方、大統領官邸では、大きすぎる「マルクスの半ズボン」と「毛沢東のガウン」を身にまとったカペラ大統領(kapera「スワヒリ語で独身男性」)の下に大臣たちがやって来て、マルクス・レーニン主義者のムワンガザ・アフリカヌス(Mwangaza Africanus「スワヒリ語でアフリカの光」)という人物に注意が必要と伝える。カペラ大統領は大臣農民を連れて「平等」という名の国を探す旅に出るが、コルチノイ・ブラウン(Korchnoi Brown)という巨人に惑わされて、疲れ切って結局帰国する[1]

国内では汚職がはびこり恐怖政治が始まる。最後はムワンワザ・アフリカヌスが率いる反体制派が大統領官邸に突入する。暗転後、コルチノイ・ブラウンの笑い声が聞こえる[1]

製作・上映

1978年3月ダルエスサラーム大学国会議員大臣の給料の増額や特権への抗議デモが行われたが、タンザニア政府は参加生徒を退学処分し、学生集会を禁じる措置を取った。政府の対応に対し、不満を持った当時ダルエスサラーム大学の准教授であったケジラハビはニエレレ政権を批判するため「マルクスの半ズボン」を執筆した[2]

本作の原稿はダルエスサラーム大学の関係者で回され、スワヒリ語劇作家のペニナ・ムハンド英語版により、その画期的な構造と強烈な政治風刺を称賛する前置きを原稿に添えた。本作の評判は広がり、国営のタンザニア出版局により出版されることになったが、政府からの圧力により、出版は見送られた[3]

その後、1988年9月バガモヨ芸術大学英語版で初めて「マルクスの半ズボン」は、上演された。その後、1999年にダルエスサラーム大学出版より出版された[3]

脚注

  1. ^ a b c 小野田 2022, p. 76.
  2. ^ 小野田 2022, p. 69.
  3. ^ a b 小野田 2019, p. 222‐223.

参考文献




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