マクスウェル方程式からの導出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 02:23 UTC 版)
「インダクタンス」の記事における「マクスウェル方程式からの導出」の解説
上述した自己インダクタンスの式 V = L d I d t {\displaystyle V=L{\tfrac {\mathrm {d} I}{\mathrm {d} t}}} と相互インダクタンスの式 V = M d I d t {\displaystyle V=M{\tfrac {\mathrm {d} I}{\mathrm {d} t}}} をマクスウェル方程式から導く。 まず相互インダクタンスの式の証明の概略を述べる。前述のように相互インダクタンスは次のような手順で生じる。 一次コイルの電流の時間変化 d I 1 d t {\displaystyle {\tfrac {\mathrm {d} I_{1}}{\mathrm {d} t}}} が一次コイル内の磁束の時間変化 d Φ 1 d t {\displaystyle {\tfrac {\mathrm {d} \Phi _{1}}{\mathrm {d} t}}} を生む。Φ1 のうち割合 k が二次コイルに流れ込む。 二次コイルに流れ込んだ磁束 Φ 2 = k Φ 1 {\displaystyle \Phi _{2}=k\Phi _{1}} の時間変化が二次コイルに電圧 V2 を生じさせる。 この1, 2の手順を数式でより正確に書くと、以下のようになる(これらの式は後で証明する)。なお下式では前節で用いた記号を流用した。 d Φ 1 d t = μ N 1 | S 1 | ℓ 1 d I 1 d t {\displaystyle {\frac {\mathrm {d} \Phi _{1}}{\mathrm {d} t}}={\frac {\mu N_{1}|S_{1}|}{\ell _{1}}}{\frac {\mathrm {d} I_{1}}{\mathrm {d} t}}} (A) d Φ 2 d t = 1 N 2 V 2 {\displaystyle {\frac {\mathrm {d} \Phi _{2}}{\mathrm {d} t}}={\frac {1}{N_{2}}}V_{2}} (B) ここで M = k μ 1 N 1 N 2 | S 1 | ℓ 1 {\displaystyle M=k{\tfrac {\mu _{1}N_{1}N_{2}|S_{1}|}{\ell _{1}}}} とおけば相互インダクタンスの式は結合係数の定義式 Φ 2 = k Φ 1 {\displaystyle \Phi _{2}=k\Phi _{1}} と(A)、(B)から明らかに従う。 一方自己インダクタンスの式は、上の議論で1次コイル=2次コイルとすればやはり明らかに従う。(ここで自分自身との結合係数は1であることを用いた。) よって後は(A)、(B)を示すだけである。
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