マイク・ストーン (音楽プロデューサー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/18 14:14 UTC 版)
マイク・ストーン | |
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生誕 | 1951年 |
出身地 | ![]() |
死没 | 2002年5月(51歳没)[1] |
ジャンル | ロック、ハードロック、アリーナ・ロック |
職業 | 音楽プロデューサー、音楽エンジニア |
共同作業者 | クイーン ジャーニー エイジア |
マイク・ストーン(Mike Stone、1951年 – 2002年5月)は、イングランドの音楽プロデューサー、音楽エンジニア。
経歴
1964年、10代の頃にロンドンのEMIレコーディング・スタジオ(後にアビー・ロード・スタジオと改名)において、ビートルズの『ビートルズ・フォー・セール』セッションのアシスタントエンジニアを務めている。当時、アシスタントエンジニアだったジェフ・エメリックは自伝の中で、「マイク・ストーンを含め、新しいアシスタントが何名か雇われた。彼らをできるだけ早く昇進させようと、多くのセッションでジョージ(・マーティン)やノーマン(・スミス)と一緒に仕事をするというとっておきの任務が与えられた」と述べている[1][2][3]。
1970年代初頭にはトライデント・スタジオに採用され、ジェネシスの『怪奇骨董音楽箱』やルー・リードの『トランスフォーマー』といった作品に関わった。その後、クイーンの1970年代の大部分のアルバムでエンジニアを務める(『世界に捧ぐ』はバンドとの共同プロデュース)。「ボヘミアン・ラプソディ」をはじめとする重厚なボーカルハーモニーの処理などはストーンの貢献によるところが大きい[1]。
1980年代には、ジャーニーの『エスケイプ』、エイジアの『詠時感〜時へのロマン』、ホワイトスネイクの『白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス』といったミリオンセラーアルバムのプロデュースを手掛ける。
2002年5月、51歳のときアルコール依存症の合併症で亡くなった[1]。
備考
ハードコア・パンクやヘヴィメタル関連のインディペンデント・レーベル「Clay Records」の創業者で、ディスチャージ、G.B.H.、ディーモンなどのアルバムをプロデュースしたマイク・“クレイ”・ストーン(Mike "Clay" Stone)としばしば混同されることがあるが、別人である[4]。また、ビージーズ、アメリカ、フランク・ザッパなどのアルバムでエンジニアリングを担当したマイク・D・ストーン(Mike D. Stone)や、クイーンズライクのギタリスト、マイク・ストーン(Mike Stone)も別人である。
主な関連作品
共同プロデュース、一部プロデュースの作品も含む
- ジェネシス –『怪奇骨董音楽箱』Nursery Cryme(1971年)- テープオペレーター
- ルー・リード -『トランスフォーマー』Transformer(1972年)- ミキシング
- クイーン –『戦慄の王女』Queen(1973年)- エンジニアリング
- クイーン –『クイーン II』Queen II(1974年)- エンジニアリング
- クイーン –『シアー・ハート・アタック』Sheer Heart Attack(1974年)- エンジニアリング
- クイーン –『オペラ座の夜』A Night at the Opera(1975年)- エンジニアリング
- クイーン –『華麗なるレース』A Day at the Races(1976年)- エンジニアリング
- クイーン –『世界に捧ぐ』News of the World(1977年)- プロデュース、エンジニアリング
- シューズ –『プレゼント・テンス (現在形)』Present Tense(1979年)- プロデュース、エンジニアリング
- ニュー・イングランド –『失われし魂』New England(1979年)- プロデュース、エンジニアリング
- ニュー・イングランド - 『果てしなき冒険』Explorer Suite(1980年)- プロデュース、エンジニアリング
- ジャーニー –『エスケイプ』Escape(1981年)- プロデュース、エンジニアリング、ミキシング
- エイプリル・ワイン –『野獣』The Nature of the Beast(1981年)- プロデュース、エンジニアリング
- エイジア – 『詠時感〜時へのロマン』Asia(1982年)- プロデュース、エンジニアリング
- エイプリル・ワイン –『パワー・プレイ』Power Play(1982年)- プロデュース、エンジニアリング
- エイジア –『アルファ』Alpha(1983年)- プロデュース、エンジニアリング、ミキシング
- エイプリル・ワイン –『野獣の叫び』Animal Grace(1983年)- プロデュース、エンジニアリング
- ジャーニー – 『フロンティアーズ』Frontiers(1983年)- プロデュース、エンジニアリング、ミキシング
- トミー・ショウ –『ガールズ・ウィズ・ガン』Girls with Guns(1984年)- プロデュース、エンジニアリング、ミキシング
- エイジア –『アストラ』Astra(1985年)- プロデュース、エンジニアリング、ミキシング
- ゲイリー・ムーア - 『ラン・フォー・カヴァー』Run for Cover(1985年)- プロデュース、ミキシング
- ホワイトスネイク –『白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス』Whitesnake(1987年)- プロデュース
- ヘリックス – Wild in the Streets(1987年)- プロデュース、エンジニアリング
- ラット – 『リーチ・フォー・ザ・スカイ』Reach for the Sky(1988年)- プロデュース
- Y&T –『テン』Ten(1990年)- プロデュース、エンジニアリング
- フォリナー –『Mr.ムーンライト』Mr. Moonlight(1994年)- プロデュース、エンジニアリング、ミキシング
- テン –『テン』X(1996年)- プロデュース、エンジニアリング、ミキシング
- テン –『ザ・ネーム・オヴ・ザ・ローズ』The Name of the Rose(1996年)- プロデュース、エンジニアリング、ミキシング
- テン –『ザ・ローブ』The Robe(1997年)- ミキシング
脚注
- ^ a b c d Hasted, Nick (2021年12月2日). “Engine Room” (英語). Record Collector. 2025年4月14日閲覧。
- ^ Emerick, Geoff; Massey, Howard (2006). Here, There, and Everywhere: My Life Recording the Music of The Beatles. Penguin. p. 89-90. ISBN 978-1-59240-179-6
- ^ マーク・ルウィソーン 著、内田久美子 訳『ビートルズ/レコーディング・セッション』シンコー・ミュージック、1990年、53-54、56-57頁。 ISBN 4-4016-1297-3。
- ^ “Mike Stone” (英語). ArtistInfo. 2025年4月14日閲覧。
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