ポワンカレの円板モデル


非ユークリッド幾何学におけるポワンカレ円板模型(ポワンカレえんばんもけい、英: Poincaré disk model)、ポワンカレ球体模型(ポワンカレきゅうたいもけい、英: Poincaré ball model)あるいは共形円板模型 (conformal disk model) とは、n-次元双曲幾何学のモデルで、その幾何のもとでの各点が n-次元円板あるいは球体に属し、かつその幾何のもとでの直線がその円板に含まれる円板の境界と直交する円弧または直径によって与えられるものを言う。円板模型は、クライン模型、ポワンカレ上半平面模型とともに、エウジェニオ・ベルトラミによって提案され、ベルトラミはそれらを用いて双曲幾何学とユークリッド幾何学との等無矛盾性 (equiconsistency) を示した。
計量
u, v を通常のユークリッドノルムを備えた実 n-次元ベクトル空間 Rn の二つのベクトルで、そのノルムがともに 1 より小さいものとすると、
赤い円弧が円板模型における測地線である。これを緑の双曲面に射影したものが茶色の測地線である。 ポワンカレ円板模型はクライン模型同様に双曲面模型とは射影的に関係している。双曲面模型における点を定める上半双曲面上の点 [t, x1, …, xn] を超曲面 t = 0 上へ射影するには、点 [−1, 0, …, 0] を通る直線との交点を考えればよい。これにより、ポワンカレ円板模型における点との対応が定まる。
双曲面上の直交座標系 (t, xi) と平面上の直交座標系 (yi) との間の変換公式は
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