ペッパーズ・ゴースト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/28 09:39 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動ペッパーズ・ゴースト(英語:Pepper's ghost)は、劇場などで使用される視覚トリックである。板ガラスと特殊な照明技術により、実像と板ガラスに写った「幽霊」を重ねて見せることで、効果を発揮する。実像と「幽霊」はぶつかることなく交差し、照明の調整により「幽霊」を登場させたり消したりすることができる。イギリスの王立科学技術会館(Royal Polytechnic Institution、現在はウェストミンスター大学(University of Westminster))の講師(のちに館長)であったジョン・ペッパー(John Pepper)に由来する。
仕掛け
観客から見えている舞台のほかに、もうひとつの隠された舞台が用意される。隠された舞台の壁、床、天井は光を反射しないよう黒く塗られている。観客と舞台のあいだに45度の角度で板ガラスが設置されており、隠された舞台が暗いときには、板ガラスを通して本来の舞台のみが見えている。ここで、隠された舞台にいる「幽霊」にスポットライトを当てると、板ガラスに反射して観客に見えるようになる。板ガラスの存在に気付いていない観客には、舞台に突然「幽霊」が登場したように見えるのである。
この仕掛けを利用している施設としては、ディズニーのテーマパークにあるホーンテッドマンション(Haunted Mansion)、ファントムマナー(Phantom Manor)が有名である。
ダークスとペッパー
この仕掛けを最初に考案したのは、ヘンリー・ダークス(Henry Dircks)で、発明者の名前をとって「ダークスのファンタスマゴリア」(Dircksian Phantasmagoria)と名付けられた。1862年に、ダークスは王立科学技術会館(Royal Polytechnic Institution)で展示を行い、これを見たのがペッパーであった。
ダークスの展示を見たペッパーは、仕掛けを改良し、1862年のクリスマス・イヴに興行を行った。チャールズ・ディッケンズ原作の『憑かれた男』(「クリスマス・ブックス[1]」の第5作)の舞台である。この興行は好評を博し、翌年、ペッパーとダークスの連名で特許を取得する。やがて、「ダークスのファンタスマゴリア」は「ペッパーズ・ゴースト」として大流行することとなった。
関連項目
脚注
- ^ 以下の5作品:『クリスマス・キャロル』(A Christmas Carol, 1843年)、『鐘の音』(The Chimes, 1844年)、『炉辺のこおろぎ』(The Cricket on the Hearth, 1845年)、『人生の戦い』(The Battle of Life, 1846年)、『憑かれた男』(The Haunted Man and the Ghost's Bargain, 1848年)
ペッパーズ・ゴースト
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「ホログラフィー」の記事における「ペッパーズ・ゴースト」の解説
詳細は「ペッパーズ・ゴースト」を参照 音声合成歌手の歌を流しながら、コンピューターグラフィックスで歌唱する姿をディスプレイ等へ映し出し、オンラインで公演するものを指すことがある。ペッパーズゴーストという錯覚の技術が用いられている。各種の音楽配信において現在、ホログラフィー配信は検討されている。
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