ペッパーの幽霊とは? わかりやすく解説

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ペッパーズ・ゴースト

(ペッパーの幽霊 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 07:10 UTC 版)

赤い枠を通して舞台を見ている観客には、テーブルの横に「幽霊」が見えている。この「幽霊」は、観客から隠された舞台にいる実体を、緑の枠に置かれた板ガラスが反射したものである。
隠された舞台が暗いと、板ガラスはなにも反射せず、 「幽霊」のいない舞台が見える。
隠された舞台の「幽霊」にスポットライトが当たると、「幽霊」が出現する。

ペッパーズ・ゴースト英語Pepper's ghost)は、劇場などで使用される視覚トリックである。板ガラスと特殊な照明技術により、実像と板ガラスに写った「幽霊」を重ねて見せることで、効果を発揮する。実像と「幽霊」はぶつかることなく交差し、照明の調整により「幽霊」を登場させたり消したりすることができる。イギリスの王立科学技術会館(Royal Polytechnic Institution、現在はウェストミンスター大学University of Westminster))の講師(のちに館長)であったジョン・ペッパー(John Pepper)に由来する。

仕掛け

観客から見えている舞台のほかに、もうひとつの隠された舞台が用意される。隠された舞台の壁、床、天井は光を反射しないよう黒く塗られている。観客と舞台のあいだに45度の角度で板ガラスが設置されており、隠された舞台が暗いときには、板ガラスを通して本来の舞台のみが見えている。ここで、隠された舞台にいる「幽霊」にスポットライトを当てると、板ガラスに反射して観客に見えるようになる。板ガラスの存在に気付いていない観客には、舞台に突然「幽霊」が登場したように見えるのである。

この仕掛けを利用している施設としては、ディズニーテーマパークにあるホーンテッドマンション(Haunted Mansion)、ファントムマナー(Phantom Manor)が有名である。

ダークスとペッパー

この仕掛けを最初に考案したのは、ヘンリー・ダークス(Henry Dircks)で、発明者の名前をとって「ダークスのファンタスマゴリア」(Dircksian Phantasmagoria)と名付けられた。1862年に、ダークスは王立科学技術会館(Royal Polytechnic Institution)で展示を行い、これを見たのがペッパーであった。

ダークスの展示を見たペッパーは、仕掛けを改良し、1862年クリスマス・イヴに興行を行った。チャールズ・ディッケンズ原作の『憑かれた男』(「クリスマス・ブックス[1]」の第5作)の舞台である。この興行は好評を博し、翌年、ペッパーとダークスの連名で特許を取得する。やがて、「ダークスのファンタスマゴリア」は「ペッパーズ・ゴースト」として大流行することとなった。

脚注

  1. ^ 以下の5作品:『クリスマス・キャロル』(A Christmas Carol, 1843年)、『鐘の音』(The Chimes, 1844年)、『炉辺のこおろぎ』(The Cricket on the Hearth, 1845年)、『人生の戦い』(The Battle of Life, 1846年)、『憑かれた男』(The Haunted Man and the Ghost's Bargain, 1848年)

関連項目


ペッパーの幽霊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/07 14:46 UTC 版)

イリュージョン (奇術)」の記事における「ペッパーの幽霊」の解説

詳細は「ペッパーズ・ゴースト」を参照 ステージ上に幽霊出現するイリュージョン幽霊は壁をすり抜けたり別人変化したそのまま消失したりもする。考案者発明家のヘンリー・ダークスであり、彼は「ダークス魔術幻灯」と名づけていた。はじめは注目されていなかったが、ロンドン工芸大学講師であるジョン・ヘンリー・ペッパーが注目して改良加え1862年クリスマス・イブロンドン工芸大学での劇中上演された。その後、「ペッパーの幽霊」と呼ばれるようになり、様々な劇場演じられるようになったペッパー一部の人だけにこのイリュージョン原理舞台裏教えていたが、その中にはイギリス皇太子科学者ファラデー含まれている。

※この「ペッパーの幽霊」の解説は、「イリュージョン (奇術)」の解説の一部です。
「ペッパーの幽霊」を含む「イリュージョン (奇術)」の記事については、「イリュージョン (奇術)」の概要を参照ください。

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