オルトフタルアルデヒド
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/08 14:17 UTC 版)
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| 物質名 | |||
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o-Phthalaldehyde |
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別名
o-Phthalic dicarboxaldehyde |
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| 識別情報 | |||
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3D model (JSmol)
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| ChEBI | |||
| ChemSpider | |||
| ECHA InfoCard | 100.010.367 | ||
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PubChem CID
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| RTECS number |
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日化辞番号
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| UNII | |||
| 国連/北米番号 | 2923 | ||
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CompTox Dashboard (EPA)
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| 危険性 | |||
| 労働安全衛生 (OHS/OSH): | |||
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主な危険性
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有毒、刺激性 | ||
| GHS表示: | |||
| Danger | |||
| H228, H301, H314, H315, H317, H335, H373, H410 | |||
| P210, P240, P241, P260, P261, P264, P270, P271, P272, P273, P280, P301+P310, P301+P330+P331, P302+P352, P303+P361+P353, P304+P340, P305+P351+P338, P310, P312, P314, P321, P330, P332+P313, P333+P313, P362, P363, P370+P378, P391, P403+P233, P405, P501 | |||
| 引火点 | 132 °C (270 °F; 405 K)[1] | ||
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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オルトフタルアルデヒド(o-phthalaldehyde、ortho-phthalaldehyde、フタルジアルデヒド、フタラール)は芳香族化合物で、化学式はC6H4(CHO)2。
OPAと略されることもある。
生化学
1級アミノ基のプレ・ポストラベル化試薬(高感度蛍光試薬)として、フルオレサミンと共に広く使用される[2]。
N-アセチルシステインと共に使用すると、蛍光物質が生成する[3]。
フタラール製剤
OPAは、医療器具の消毒にも用いられる。
日本では、高水準消毒薬(芽胞が多数存在する場合を除きすべての微生物を死滅させる)としての2001年の承認以降、0.55%のフタラール製剤(商標:「ディスオーパ」[4])が、ジョンソン・エンド・ジョンソン社から市販されている[5]。
殺芽胞効果自体は弱いものの[6]、既存の消毒薬・グルタラール(グルタルアルデヒド)よりも揮発性が低いなどの利便性から、医療機関で普及した。
しかし、アナフィラキシーショック事故が相次いで発生したため、一部の器具に対する使用制限がかけられた[5]。
使用時には、眼への飛散に対する注意、グルタラール用マスク・ゴム手袋の着用、換気が必要である[6]。
その他
異性体
- メタ - イソフタルアルデヒド[7] (m.p. 87–88 °C, CAS# 626-19-7)
- パラ - テレフタルアルデヒド[8] (m.p. 114–116 °C, CAS# 623-27-8).
ポリフタルアルデヒド
ポリフタルアルデヒドは、フォトレジストで用いられるなどの用途がある[9]。
脚注
- ^ Phthaldialdehyde from Sigma-Aldrich
- ^ DOJIN NEWS No.091 実用的蛍光誘導体化 | 同仁化学研究所
- ^ ルーエマンパープルという色素はどのようなものですか? | キリヤ化学Q&A
- ^ 医薬品インタビューフォーム ディスオーパ(pdf)
- ^ a b Dispatch/高水準消毒薬の安全な適正使用について 吉田製薬
- ^ a b 『南山堂医学大辞典 第19版』 p.2191 南山堂 2006年
- ^ Isophthalaldehyde | 東京化成工業株式会社
- ^ Terephthalaldehyde | 東京化成工業株式会社
- ^ M. Tsuda, M. Hata, R. Nishida and S. Oikawa (1993). “Chemically Amplified Resists IV. Proton-Catalyzed Degradation Mechanism of Poly(phthalaldehyde)”. J. Photopolym. Sci. Technol. 6 (4): 491-494. doi:10.2494/photopolymer.6.491.
外部リンク
- o-Phthalaldehyde | 東京化成工業株式会社
- J. C. Bill and D. S. Tarbell (1954). “o-PHTHALALDEHYDE”. Organic Syntheses (英語). 34: 82.; Collective Volume, vol. 4, p. 807
- Protocol by Uptima(pdf)
- フタルジアルデヒドのページへのリンク

