フィルモア・イースト 1969とは? わかりやすく解説

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フィルモア・イースト 1969

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/22 10:12 UTC 版)

『フィルモア・イースト・1969』
ザ・ナイスライブ・アルバム
リリース
録音
  • 1969年12月19日 – 10日 (1969-12-19 – 1969-12-10)
  • ニューヨーク フィルモア・イースト
ジャンル サイケデリック・ロック
プログレッシブ・ロック
時間
レーベル カリスマ・レコード
専門評論家によるレビュー
AllMusic Rating link
ザ・ナイス アルバム 年表
  • Vivacitas
  • (2003年 (2003)
  • フィルモア・イースト・1969
  • (2009年 (2009)
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フィルモア・イースト 1969』 (Live at the Fillmore East December 1969) は、イングランドロックバンドザ・ナイスが1969年12月にフィルモア・イーストで行なったコンサートを収録したCD。

彼等が1970年4月に解散した当時在籍していたカリスマ・レコードによって、録音後40年たった2009年に発表された[注釈 1]

解説

経緯

1969年11月下旬、ザ・ナイスは3度目のアメリカ・ツアーを開始し、12月11日から14日まで、サンフランシスコのフィルモア・ウエストザ・チャンバーズ・ブラザーズキング・クリムゾンと同じステージに立った[1]。メンバーのキース・エマーソン(キーボード)は、マネージャーのトニー・ストラットン・スミスの薦めで[注釈 2][2]キング・クリムゾンのグレッグ・レイク(ベース・ギター、ヴォーカル)と16日に秘密裏に話し会い、ザ・ナイスを脱退してレイクと新しいトリオを結成しようと決意した[3]

本作はその数日後の19日と20日にニューヨークのフィルモア・イーストで開かれたコンサートの模様を収録した。20日のコンサートはアメリカ・ツアーの最後のものだった。

内容

ザ・ナイスはサード・アルバム『ジャズ+クラシック/ロック=ナイス』(1969年)以後のアルバムにオーケストラとの共演を含むライブ音源の幾つかを収録したが、本作にはエマーソン、リー・ジャクソン(ベース・ギター、ヴォーカル)、ブライアン・デヴィソン(ドラムス)のトリオだけのコンサートのほぼ全編が収録されている[4]

カリスマ・レコード[注釈 3]は、本作の収録日と同じ1969年6月19日と20日にフィルモア・イーストで録音された音源として、「カントリー・パイ」を彼等が解散した直後の1970年6月に発表した『ファイヴ・ブリッジズ』、「夢を追って」と「アメリカ」を1971年4月に発表した未発表音源集『エレジー』に、それぞれ収録した。本作に収録された3曲は、それらとは異なる演奏である[注釈 4]

「リトル・アラベラ」の中間部のヴォーカルは、オリジナルのスタジオ録音版[注釈 5]と同様にエマーソンが担当している。「夢を追って」と「間奏曲(「カレリア組曲」より)」では、ジャクソンがベース・ギターでボウイング奏法を披露している。

収録曲

Disc One
# タイトル 作詞・作曲 時間
1. 「ロンド Rondo」 Keith Emerson, Davy O'List, Brian Davison, Lee Jackson
2. 「少年易老学難成 Ars Longa Vita Brevis」 Emerson, O'List, Davison, Jackson
3. 「リトル・アラベラ Little Arabella」 Emerson, Jackson
4. シー・ビロングズ・トゥ・ミー She Belongs To Me」 Bob Dylan
合計時間:
Disc Two
# タイトル 作詞・作曲 編曲 時間
1. 「カントリー・パイ Country Pie」 Dylan  
2. 「ファイヴ・ブリッジズ Five Bridges Suite」 Emerson, Jackson  
3. 「夢を追って Hang On To A Dream Tim Hardin  
4. 「間奏曲(「カレリア組曲」より) Intermezzo: Karelia Suite」 John Julius Christian Sibelius Emerson, Joseph Eger
5. 「アメリカ America Leonard Bernstein, Steven Sondheim Emerson, Jackson, Davison
6. 「戦争と平和 War And Peace」 Emerson, O'List, Davison, Jackson  
合計時間:

参加ミュージシャン

ザ・ナイス

脚注

注釈

  1. ^ 製品番号はVirgin Records Ltd. 693 1432である。
  2. ^ エマーソンはスミスに、新しいヴォーカリストを見つけたいと伝えていた。
  3. ^ トニー・ストラットン・スミスが設立したレーベル。
  4. ^ 『ファイブ・ブリッジズ』に収録された「カントリー・パイ」は6月19日の録音であるので、本作に収録された同曲は6月20日の演奏であろう。『エレジー』には収録された「夢を追って」と「アメリカ」の録音日が記載されていないので、本作の収録曲が6月19日の演奏が20日の演奏かは不明である。『エレジー』の「夢を追って」は『ジャズ+クラシック/ロック=ナイス』に収録されたスタジオ録音版と同様にピアノで演奏されていたが、本作の「夢を追って」はハモンド・オルガンで演奏されている。
  5. ^ 1968年発表のセカンド・アルバム『少年易老学難成』に収録。

出典

  1. ^ Hanson (2014), pp. 136–140.
  2. ^ Hanson (2014), pp. 138, 141.
  3. ^ Emerson (2003), p. 161.
  4. ^ Hanson (2014), p. 254.

参考文献

関連項目




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