ピコス・デ・エウロパ国立公園とは? わかりやすく解説

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ピコス・デ・エウロパ国立公園

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 07:09 UTC 版)

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ピコス・デ・エウロパ国立公園
リエバナから見たピコス・デ・エウロパ
地域 スペインアストゥリアス州カンタブリア州カスティーリャ・イ・レオン州
最寄り オビエドヒホンサンタンデール
座標 北緯43度11分51秒 西経4度51分06秒 / 北緯43.19750度 西経4.85167度 / 43.19750; -4.85167座標: 北緯43度11分51秒 西経4度51分06秒 / 北緯43.19750度 西経4.85167度 / 43.19750; -4.85167
面積 646.602
創立日 1918年7月22日
運営組織 スペイン環境省

ピコス・デ・エウロパ国立公園スペイン語: Parque Nacional de Picos de Europa)は、スペイン国立公園アストゥリアス州カンタブリア州カスティーリャ・イ・レオン州の3自治州にまたがっており、カンタブリア山脈ピコス・デ・エウロパ山塊を含んでいる。IUCNカテゴリーはII。

公園内の人口は約1,300人である。氷河湖であるエノル湖英語版エルシーナ湖英語版は道路でのアクセスが良く、多くの観光客を集めている[1]。これらの湖はコバドンガ湖沼群英語版と総称され、自転車競技のブエルタ・ア・エスパーニャでは山岳区間としてコバドンガ・ステージが設定されることが多い。

歴史

コバドンガ湖沼群英語版のひとつであるエルシーナ湖英語版

ウエスカ県のオルデサ・イ・モンテ・ペルディード国立公園とともに、ピコス・デ・エウロパ国立公園はスペインで最初に設置された2か所の国立公園の片方である。1918年7月22日、現在の公園の西側である169.25km2の範囲にコバドンガ国立公園が設置され、その中心はコバドンガ湖沼群英語版だった。

1936年から1939年のスペイン内戦ではコバドンガ国立公園もひどく荒廃し、多くの野生生物が失われたとされる[1]。内戦終結後には国立公園内で鉱業、カレス川スペイン語版ドブラ川スペイン語版の水力発電、材木伐採、漁業などの開発が行われた[1]

1995年5月30日には面積が646.60km2に拡大され、現在のピコス・デ・エウロパ国立公園に改称された。2003年7月9日、ユネスコによって本国立公園の生物圏保護区の地位が承認された。ピコス・デ・エウロパはカンタブリア山脈にいくつかある生物圏保護区のひとつであり、グラン・カンタブリアとして知られる単一の大規模生物圏保護区に統合されている[2]

地理

指定面積は646.60km2であり、スペイン北部のアストゥリアス州カンタブリア州カスティーリャ・イ・レオン州の3自治州にまたがっている。この地域を東西に長く延びるカンタブリア山脈は降水量が多く気候が穏やかなビスケー湾岸のエスパーニャ・ベルデ(緑のスペイン)とスペイン中央部の広大な台地であるメセタを隔てており、ピコス・デ・エウロパ山塊にあるトーレ・セレードが山脈の最高峰である。公園内の最低標高地点はデバ川の標高75m地点であり、トーレ・セレード山頂とは2,573mもの落差がある。

カンタブリア山脈を形成した石灰岩の山塊における氷河の浸食の影響が本国立公園の特徴的な地質である。

動植物

本公園を代表する種であるカンタブリアシャモア

植物

森林限界より標高が高い部分にはこの土地固有の高山植物がみられる[1]。標高が高い部分はブナの森林に覆われ、標高が低くなるにつれてオークカンタブリアトキワガシ)の森林が混じる[1]

哺乳類

絶滅寸前のカンタブリアヒグマ[1]イベリアオオカミに加えて[1]ヨーロッパオオライチョウヒゲワシなど、保護対象となっている多くの種が生息している。ピコス・デ・エウロパの代表的な種はピレネーシャモアや本地域固有種のカンタブリアシャモア英語版であり、高所の斜面には数千頭のシャモアが生息している[1]。公園の周辺には両種をかたどった彫刻作品が数多く存在する。スペインアイベックスもまた代表的な種である。ヨーロッパで見られるイタチ属の大半が生息しており、Asturcón英語版(ウマの固有種)の最後の何頭かも生息している[1]

鳥類

猛禽類ではエジプトハゲワシシロエリハゲワシハイタカチュウヒワシイヌワシ、ヤマワシ類、トビチュウヒがいる[1]。その他の鳥類にはクマゲラキバシオオライチョウがおり、キバシリスノーフィンチ英語版なども点在しているとされる[1]

脚注

参考文献

  • 『イベリア』田辺裕(訳)、滝沢由美子(訳)竹中克行(訳)、朝倉書店〈図説大百科 世界の地理〉、1997年。

関連項目

外部リンク




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