ピアノ三重奏曲第1番 (ブラームス)とは? わかりやすく解説

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ピアノ三重奏曲第1番 (ブラームス)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/24 08:55 UTC 版)

ピアノ三重奏曲第1番(ピアノさんじゅうそうきょくだいいちばん)ロ長調作品8は、ヨハネス・ブラームス1854年に作曲したピアノ三重奏曲である。

ジムロック社で出版されていたが、版権がブライトコプフ・ウント・ヘルテル社に移る際、ブラームスが大幅に改作した。この改訂版(1889年版)はブライトコプフ社から1891年に出版されているが、初版(1854年版)もそのまま継続して刊行されている。ブラームスの作品中で2つの版が現存するのは、出版された作品の中ではこの作品のみであり(ブラームスは曲を改訂すると、初版はすぐに廃棄するのが常であった。なお、初期の歌曲など数曲は破棄を免れた初版が現存する)、今日では特記ない場合は1889年改訂版が演奏されることが多い。

多楽章の大規模な作品では珍しく、長調で始まり、同主短調で終わる構成をとっている[1]

初演

初版

1855年11月27日ニューヨークにおいてウィリアム・メイソン英語版のピアノ、セオドア・トーマスシカゴ交響楽団創設者)のヴァイオリン、カール・バーグマン(後のニューヨーク・フィルハーモニー指揮者)のチェロによる。

改訂版

1890年1月10日ブダペストにおいてブラームスのピアノ、イェネー・フバイのヴァイオリン、ダーヴィト・ポッパーのチェロによる。

構成

全4楽章から構成されている。改訂版では主題の書き換えと共に、第3楽章以外の短縮(全4楽章で1728小節→1279小節)などが行われている。

1. Allegro con brio アレグロ・コン・ブリオ(初版ではアレグロ・コン・モト)
2分の2拍子、ソナタ形式ロ長調。改訂版では、初版にあった第2主題が書き直され、冗長な部分が削除されている。
2. Scherzo
Allegro molto スケルツォ、アレグロ・モルト
4分の3拍子、三部形式ロ短調。初版と改訂版とでは中間部の速度指定(ピウ・レント→メノ・アレグロ)と終結部分が異なる(初版は弱音で終結し、改訂版はフォルテで終結)。
3. Adagio アダージョ(初版はアダージョ・ノン・トロッポ)
4分の4拍子、三部形式、ロ長調。改訂版では中間部を書き直している。
4. Allegro アレグロ(初版はアレグロ・モルト・アジタート)
4分の3拍子、再現部第1主題を欠いたソナタ形式、ロ短調。改訂版では、第1楽章同様に第2主題を書き直し、展開部が縮小されている。

脚注

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