ヒア・カムズ・ユア・マンとは? わかりやすく解説

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ヒア・カムズ・ユア・マン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/23 18:05 UTC 版)

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ヒア・カムズ・ユア・マン
ピクシーズシングル
初出アルバム『ドリトル英語版
B面
  • ウェイブ・オブ・ミューティレーション (UK Surf)
  • イントゥ・ザ・ホワイト
  • ベイリーズ・ウォーク
リリース
規格
録音
  • 1988年10月31日 - 11月23日
    • ダウンタウン・レコーダーズ
    • キャリッジ・ハウス・スタジオ
ジャンル
時間
レーベル
作詞・作曲 ブラック・フランシス
プロデュース ギル・ノートン
チャート最高順位
後述を参照
ピクシーズ シングル 年表
  • ヒア・カムズ・ユア・マン
  • (1989年)
  • ベルーリア英語版
  • (1990年)
ドリトル英語版 収録曲
アイ・ブリード
(4)
ヒア・カムズ・ユア・マン
(5)
デッド
(6)
ミュージックビデオ
「Here Comes Your Man」 - YouTube
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ヒア・カムズ・ユア・マン」(Here Comes Your Man)は、アメリカオルタナティヴ・ロック・バンド、ピクシーズの楽曲である。作詞作曲は、バンドのフロントマンであるブラック・フランシス、プロデュースはギル・ノートンが手がけた。本作は、1989年6月に2作目のアルバム『ドリトル英語版』からの第2弾シングルとして発売された。

「ヒア・カムズ・ユア・マン」は、フランシスが10代の頃に書いた楽曲で、1987年にデモ音源が制作されたが、リリースに対して消極的であったことから、1987年に発売されたEP『カム・オン・ピルグリム』や1988年に発売された『サーファー・ローザ』には未収録となっていた。アメリカの『ビルボード』誌が発表したモダン・ロック・トラックス・チャートでは最高位3位を獲得した[2]

背景・曲の構成

ブラック・フランシスは、14歳から15歳の頃に「ヒア・カムズ・ユア・マン」を書いた[3]。1987年に入りデモ音源が制作されたが、「ポップすぎる」としてこの時点では正式なレコーディングは行われなかった[1]4ADレーベルの会長であるアイヴォ・ワッツ=ラッセルは、バンドのデビュー作『カム・オン・ピルグリム』の収録曲を決める際に、「明らかに商業的すぎる」として意図的に本作を除外した[4]

その後も未発表のままとなっていたが、1989年のアルバム『ドリトル』のレコーディング・セッション時に、プロデューサーギル・ノートンが曲を気に入ったことから、本作の正式なレコーディングが行なわれることとなった[3]。このレコーディング・セッションでレコーディングされた本作は、従来のデモ音源とは異なるアレンジになっており、フランシスによって新たなヴァースが追加されている[5]

曲は、ギタリストのジョーイ・サンティアゴが気に入っているドミナント7♯9コードから始まる[6]。曲中ではアコースティック・ギターでD-G-Aというコード進行を演奏していて、リッケンバッカー製12弦ギターとフェンダー・テレキャスターでギターリフを演奏している[7]

ミュージック・ビデオ

本作のミュージック・ビデオは、ニール・ポロックとジョナサン・ベケマイヤーが共同で監督を務めた作品で、歪んだ魚眼レンズを通した演奏シーンで構成されている。マイム演奏となっており、フランシスとキム・ディールは音源に合わせて口パクをしているが、口の動きは楽曲に合わせたものではなく、無表情で口を大きく開くのみとなっている。ミュージック・ビデオのテーマは、フランシス曰く「脳水腫[8]

リリース

「ヒア・カムズ・ユア・マン」は、1989年4月17日に発売された2作目のオリジナル・アルバム『ドリトル英語版』に収録され、同月6月1日にシングル・カットされた。シングルのジャケットには、写真家のサイモン・ラルバレスティエ英語版が撮影したブル・テリアの写真が使用された[9]

オールミュージックのスティーヴ・ヒューイは、本作について「1980年代後半の最高のオルタナティヴ・ロックの素晴らしさを象徴している」と評している[10]

シングル盤は、アメリカの『ビルボード』誌が発表したモダン・ロック・トラックス・チャートで最高位3位を獲得した[2]。また、『ローリング・ストーン』誌が行なった読者投票「The 10 Best Pixies Songs」では第6位にランクインした[11]

シングル収録曲

全作詞・作曲: ブラック・フランシス
# タイトル 作詞 作曲・編曲 時間
1. 「ヒア・カムズ・ユア・マン」(Here Comes Your Man) ブラック・フランシス ブラック・フランシス
2. 「ウェイブ・オブ・ミューティレーション (UK Surf)」(Wave of Mutilation (UK Surf version)) ブラック・フランシス ブラック・フランシス
3. 「イントゥ・ザ・ホワイト」(Into the White) ブラック・フランシス ブラック・フランシス
4. 「ベイリーズ・ウォーク」(Bailey's Walk) ブラック・フランシス ブラック・フランシス
合計時間:

チャート成績

チャート(1989年) 最高位
UK シングルス (Official Charts Company)[12] 54
US モダン・ロック・トラックス (Billboard)[2] 3
チャート(2014年) 最高位
ベルギー (Ultratop 50 Flanders)[13] 32

カバー・バージョン

  • サマイアム英語版 - 1999年に発売されたトリビュート・アルバム『Where Is My Mind?: A Tribute to the Pixies』に収録[14]
  • PENPALS - 2000年に発売されたトリビュート・アルバム『Tribute to the Pixies』に収録[15]
  • ピート・ヨーン英語版 feat. リズ・フェア - 2018年に配信限定で発売された[16][17]

脚注

出典

  1. ^ a b Frank & Ganz 2005, p. 67.
  2. ^ a b c Pixies Chart History (Alternative Airplay)”. Billboard. 2020年11月28日閲覧。
  3. ^ a b Spitz 2013.
  4. ^ Frank & Ganz 2005, p. 82.
  5. ^ Frank & Ganz 2005, p. 142-143.
  6. ^ Sisario 2006, p. 82, 90.
  7. ^ Sisario 2006, p. 91.
  8. ^ Goldman, Marlene (September 1989). The Pixies: Here And There And Everywhere. IV. Alternative Press 
  9. ^ Frank & Ganz 2005, p. 148.
  10. ^ Huey, Steve. Here Comes Your Man - Pixies | Song Info - オールミュージック. 2020年12月4日閲覧。
  11. ^ 6. 'Here Comes Your Man' - Readers' Poll: The 10 Best Pixies Songs”. Rolling Stone. Penske Business Media (2013年10月9日). 2020年12月4日閲覧。
  12. ^ "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2020年11月28日閲覧。
  13. ^ "Ultratop.be – Pixies – Here Comes Your Man" (in Dutch). Ultratop 50. 2020年11月28日閲覧。
  14. ^ Phares, Heather. Where Is My Mind?: A Tribute to the Pixies - Various Artists | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年12月4日閲覧。
  15. ^ Phares, Heather. Tribute to the Pixies - Various Artists | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年12月4日閲覧。
  16. ^ Weeks, Isaac (2018年9月20日). “Pete Yorn has written his own memorable songs. But sometimes he just likes a good cover.”. The News & Observer (Sara Glines). https://www.newsobserver.com/entertainment/article218514390.html 2020年12月4日閲覧。 
  17. ^ Pete Yorn - “Here Comes Your Man” (Pixies Cover) (Feat. Liz Phair)”. Stereogum (2018年8月10日). 2020年12月4日閲覧。

参考文献

外部リンク




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