パーシ・ダイアコニスとは? わかりやすく解説

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パーシ・ダイアコニス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/22 16:01 UTC 版)

パーシ・ダイアコニス
Persi Diaconis
Persi Diaconis, 2010
生誕 (1945-01-31) 1945年1月31日(79歳)
アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市
国籍 アメリカ合衆国
研究分野 数学
研究機関 ハーバード大学
スタンフォード大学
出身校 ニューヨーク市立大学シティカレッジ 学士 (1971)
ハーバード大学 修士 (1972)、博士 (1974)
博士課程
指導教員
デニス・A・ヘジャル英語版
フレデリック・モステラー英語版[1]
博士課程
指導学生
スーラヴ・チャタジー英語版
イーゴリ・パク英語版
ロビン・ペマントル (Robin Pemantle)
エリック・レインズ (Eric Rains)
ジェフ・ローゼンタール英語版
アリフ・ザマン英語版
プロジェクト:人物伝
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パーシ・ウォレン・ダイアコニス(Persi Diaconis、1945年1月31日 - )はギリシャアメリカ人数学者であり、かつてはプロのマジシャンだった[2][3]スタンフォード大学統計学および数学のマリー・V・サンセリ教授職[4][5]

ダイアコニスは、コイン投げやカードのシャッフルなどのような、ランダム性やランダム化の問題への貢献でよく知られている。

ピーター・フランクル2003年3月25日に刊行した著書、『僕が日本を選んだ理由 世界青春放浪記2』に登場する「ペルシ」とはダイアコニスのことである。もっとも、フランクルはダイアコニスの経歴を「面白い」と評しながらも、自身が執筆に協力した論文の件で複雑な感情を持っている旨を同書で記している。

カード・シャッフル

1982年、ダイアコニスはマッカーサー・フェローに選出された。

1992年、ダイアコニスはデイブ・ベイヤー英語版との共著論文“Trailing the Dovetail Shuffle to Its Lair”[6](題名は1900年初頭に活躍した奇術師、チャールズ・ジョーダン英語版の著作“Thirty Card Mysteries”[7]からの引用である。Dovetail Shuffleリフルシャッフルのこと)を発表した。Bayer & Diaconis 1992 において、シャッフルの前後でのカードの混ざり具合をシャッフル操作の前後におけるカードの分布間の全変動距離英語版によって評価し、全変動距離の評価に基づいて、どの程度シャッフルを繰り返せばデッキがランダムな状態になるかということの厳密な結果が示された。

ベイヤーらの結果は、デッキをランダムな状態にするには7回シャッフルすればよい、という単純化された主張としてよく引き合いに出される。より正確には、ベイヤーらは特定のリフルシャッフル置換英語版に対するギルバート・シャノン・リーズ模型英語版(GSR模型)を用いて置換の結果の確率分布を表し、置換回数に対するGSR分布と一様分布との間の全変動距離の振る舞いを評価した。GSR模型において、52枚デッキ(トランプ)をシャッフルした場合、GSR分布・一様分布間の全変動距離は5回目の置換を境に(最大値の 1.0 から)明確に減少し始め、7回目の置換を境に急激に減少して元の全変動距離の半分を下回る(カットオフ現象)[8]。以降、1回の置換ごとに全変動距離は 1/2 ずつ指数関数的に減少していく[9]

興味深いこととして、確率分布間の距離として情報量(エントロピー)を用いた場合、リフルシャッフルの回数はより少なく済み、またカットオフ現象は(情報量の劣加法性により)消失することが知られている[10]

来歴

受賞歴

著作

出典

  1. ^ パーシ・ダイアコニス - Mathematics Genealogy Project
  2. ^ Hoffman 2011.
  3. ^ Diaconis & Graham 2011.
  4. ^ Stanford University - Persi Diaconis”. 2011年10月27日閲覧。
  5. ^ It’s no coincidence: Stanford University mathematician and statistician Persi Diaconis will serve as a Patten Lecturer at Indiana University Bloomington”. 2011年10月27日閲覧。
  6. ^ Bayer & Diaconis 1992.
  7. ^ Jordan 1919, p. 7, Chapter I.
  8. ^ Bayer & Diaconis 1992, p. 296.
  9. ^ Bayer & Diaconis 1992, p. 309, 4. The approach to uniformity, REMARK 1.
  10. ^ Trefethen & Trefethen 2000.
  11. ^ Diaconis, Persi (2003). “Patterns in eigenvalues: the 70th Josiah Willard Gibbs lecture”. Bull. Amer. Math. Soc. (N.S.) 40 (2): 155-178. doi:10.1090/s0273-0979-03-00975-3. MR1962294. 
  12. ^ Salsburg, David (2001). The lady tasting tea: how statistics revolutionized science in the twentieth century. New York: W.H. Freeman and CO. ISBN 0-8050-7134-2 . Cf. p.224
  13. ^ http://www.maa.org/Awards/jmm12PB.pdf
  14. ^ List of Fellows of the American Mathematical Society, retrieved 2012-11-10.
  15. ^ アーカイブされたコピー”. 2014年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月5日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク




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