バンカーヒル (空母)とは? わかりやすく解説

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バンカー・ヒル (空母)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/16 04:00 UTC 版)

バンカー・ヒル (USS Bunker Hill, CV/CVA/CVS-17, AVT-9) は、アメリカ海軍エセックス級航空母艦の一隻で[1]、4番目に就役した。太平洋戦争ではマリアナ沖海戦(フィリピン海海戦)、レイテ沖海戦(レイテ湾海戦)、沖縄戦など主要な戦いに参加し、「ホリデー・エクスプレス」の愛称で呼ばれた[注釈 1]。1945年5月11日、沖縄方面で神風特別攻撃隊零戦2機に突入されて大破、多数の死傷者を出す。アメリカ本土で修理中に日本の降伏を迎えた。


注釈

  1. ^ 作戦行動がしばしばクリスマスや新年といった祝祭日と重なったことに由来するShip Nicknames”. 2019年5月19日閲覧。VF-17 Squadron History and Base Locations”. 2019年5月19日閲覧。
  2. ^ 空母部隊の艦上戦闘機F6Fに統一する。
  3. ^ 1943年11月5日、シャーマン少将が率いる第38任務部隊のアメリカ空母2隻(サラトガプリンストン)がラバウル空襲を実施、同地に集結していた第二艦隊司令長官栗田健男中将の遊撃部隊(重巡洋艦部隊)に大打撃を与えた[9]。遊撃部隊はトラック泊地に逃げ帰った[10]
  4. ^ 基地航空部隊の零戦68機、母艦部隊の零戦39機が邀撃、地上砲火を含め米軍機約60を撃墜を主張し、零戦11機(基地機8、艦載機3)を喪失した[11]
  5. ^ ラバウルには、潜水母艦「長鯨」や[12]、大破して修理中の重巡「摩耶」もいた[13]
  6. ^ 戊一号輸送部隊は戦艦「大和」と駆逐艦2隻(横須賀→トラック泊地)で[25]、トラック泊地近海で潜水艦「スケート (USS Skate, SS-305) 」に雷撃され「大和」が小破した[26]
  7. ^ 上空援護のため、第二航空戦隊から抽出された零戦36機(指揮官:龍鳳飛行隊長進藤三郎少佐)がトラック泊地からカビエンに進出する[27]。一連の作戦で二航戦派遣部隊は零戦8機を喪失した[28]
  8. ^ 戊三号輸送第一部隊(重巡「鈴谷」「熊野」、駆逐艦「満潮」「谷風」)は12月31日早朝にカビエン着[30]、揚陸に成功して帰投した[31]
  9. ^ 第二水雷戦隊司令官早川幹夫少将(第二部隊指揮官)の旗艦。
  10. ^ 1月4日の対空戦闘で第22駆逐隊は撃墜15機(不確実6)を報じたが[37]、至近弾や機銃掃射により死傷者多数を出した[38]。「皐月」艦長の飯野忠男少佐も戦死した[39]
  11. ^ 先のラバウル空襲で大破した軽巡「阿賀野」は米軍機動部隊支援任務中のアメリカ潜水艦「スケート (USS Skate, SS-305) 」に撃沈された。カビエン空襲を切り抜けた駆逐艦「文月」もトラック泊地で修理中[41]、2月17日と18日にアメリカ軍機動部隊の空襲を受けて沈没した[42][43]。カビエン空襲で撃沈できなかった特設巡洋艦「清澄丸」も、このトラック空襲で沈没した。
  12. ^ 空母「サン・ジャシントUSS San Jacinto, CV-30)」部隊が朝霜を撃沈した、との見解もあるが、同部隊が撃沈したのは駆逐艦「浜風」だったとも[46]
  13. ^ 10隊65機の特攻機が出撃した。
  14. ^ アメリカ軍公式記録では彗星
  15. ^ 重要箇所の艦橋基部を狙うのは「特攻の教科書通り」であった。
  16. ^ 戦死者346名、行方不明者43名とする資料もあるNavSource Online: Aircraft Carrier Photo Archive”. 2019年5月19日閲覧。
  17. ^ 他には「エンタープライズ」「エセックス」「ヨークタウン」「ホーネット 」「レキシントン」「ベロー・ウッド」「カボット」「サン・ジャシント」が受章[66]

出典

  1. ^ 世界の艦船、航空母艦全史 2008, p. 78アメリカ/エセックス級 ESSEX CLASS
  2. ^ USS Bunker Hill (CV 17)”. www.navysite.de. 2024年5月16日閲覧。
  3. ^ Udoff 1994, pp. 12–13.
  4. ^ Blackburn 1997, pp. 73–77.
  5. ^ Udoff 1994, p. 130.
  6. ^ スタイリング 2003, pp. 65–66.
  7. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 412–414米空母機による第二次ラバウル空襲 ― 十一月十一日
  8. ^ Udoff 1994, pp. 26–27.
  9. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 399a-400米空母機による第一次被空襲と被害 ― 十一月五日
  10. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 400–401重巡部隊のトラック帰投
  11. ^ a b 戦史叢書96 1976, pp. 414–415邀撃空戦と艦艇の被害
  12. ^ 歴群64、睦月型 2008, p. 181.
  13. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 399b-400.
  14. ^ Bowman 2002, p. 39.
  15. ^ Blackburn 1997, pp. 130–147.
  16. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 415–417昼間航空攻撃の決行
  17. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 417–419無敵となった米空母群
  18. ^ スタイリング 2003, p. 67.
  19. ^ Udoff 1994, pp. 26, 50.
  20. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 450a-452米空母機カビエンを空襲
  21. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 461a-467二 戊号輸送と敵機動部隊カビエン空襲
  22. ^ a b 戦史叢書96 1976, pp. 450b-452.
  23. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 452–453連合軍の作戦計画
  24. ^ #S18.12.16~31経過概要 p.26(昭和18年12月)
  25. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 461b-462戊号輸送計画
  26. ^ #S18.12.16~31経過概要 p.25(昭和18年12月)
  27. ^ 戦史叢書96 1976, p. 464a〔二航戦戦闘機隊のカビエン派遣〕
  28. ^ 戦史叢書96 1976, p. 467二航戦機のトラック復帰
  29. ^ 戦史叢書96 1976, p. 463b米機動部隊の動向
  30. ^ #S18.12.16~31経過概要 p.30(昭和18年12月)、同年月経過概要 p.40(昭和18年12月)
  31. ^ a b c 戦史叢書96 1976, p. 463a戊二号・戊三号輸送部隊のトラック出撃
  32. ^ #S19.1.1~15経過概要 p.1(昭和19年1月)
  33. ^ #S19.1.1~15経過概要 p.2(昭和19年1月)
  34. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 464c-465第二次カビエン空襲(一月一日)
  35. ^ 戦史叢書96 1976, p. 464b〔第二十二駆逐隊の派遣〕
  36. ^ a b #S19.1.1~15経過概要 pp.10-11
  37. ^ 戦史叢書96 1976, p. 466.
  38. ^ 歴群64、睦月型 2008, pp. 139–141「皐月」と「文月」の損傷
  39. ^ 佐藤、艦長たち 1993, pp. 361–365盟友・飯野艦長の死
  40. ^ 戦史叢書96 1976, pp. 465a-466第三次カビエン空襲(一月四日)
  41. ^ 歴群64、睦月型 2008, pp. 142–143「文月」の損傷
  42. ^ 佐藤、艦長たち 1993, pp. 366–367.
  43. ^ 歴群64、睦月型 2008, pp. 143–145トラック大空襲/「文月」の沈没
  44. ^ NavSource Online: Aircraft Carrier Photo Archive”. 2019年5月19日閲覧。
  45. ^ ターゲットNo.357 狙われた武蔵野、解き明かすカギは米公文書:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2022年8月15日). 2022年11月17日閲覧。
  46. ^ 駆逐艦勤務 2007, pp. 293–295(米側の見た「朝霜」の最後)
  47. ^ 決定版 写真 太平洋戦争 2015, p. 73.
  48. ^ 原 2006, p. 217
  49. ^ 決定版 写真 太平洋戦争 2015, p. 74.
  50. ^ ウォーナー 1982b, p. 166.
  51. ^ ウォーナー 1982b, p. 165.
  52. ^ ケネディ 2010, p. 504.
  53. ^ スタイリング 2003, pp. 89–92.
  54. ^ Joseph Carmichael Jr., a Carrier Hero, Dies at 96”. 2020年10月21日閲覧。
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  58. ^ Friedman 1983, p. 156.
  59. ^ World Aircraft Carriers List: US Fleet Carriers, WWII Era”. 2019年5月19日閲覧。
  60. ^ a b Aircraft Carrier Photo Index: USS BUNKER HILL (CV-17)”. www.navsource.org. 2024年5月16日閲覧。
  61. ^ World Aircraft Carriers List: US Fleet Carriers, WWII Era”. www.hazegray.org. 2024年5月16日閲覧。
  62. ^ ケネディ 2010, p. 616.
  63. ^ 世界の艦船、近代巡洋艦史 2009, pp. 202–203アメリカ/ミサイル巡洋艦「タイコンデロガ」級 TICONDEROGA CLASS
  64. ^ Udoff 1994, p. 81.
  65. ^ Hobbit House for Sale: Quirky Dome Home in the Woods of Oregon”. 2019年5月19日閲覧。
  66. ^ NavSource Online: Aircraft Carrier Photo Archive USS BUNKER HILL (CV-17)(later CVA-17, CVS-17 and AVT-9)
  67. ^ Udoff 1994, p. 27.
  68. ^ 東京都歴史文化財団 1996, p. 4.
  69. ^ Disney Legend Card Walker (2019年5月19日参照)[リンク切れ]
  70. ^ BRUCE MEYERS E O MANX” (ポルトガル語). Autoentusiastas (2016年4月27日). 2019年5月19日閲覧。
  71. ^ Biography - Paul Newman”. アメリカ海軍. 2014年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。


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