バッキンガムの光芒とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > バッキンガムの光芒の意味・解説 

バッキンガムの光芒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/09 21:40 UTC 版)

バッキンガムの光芒 ファージング III
Half a Crown
著者 ジョー・ウォルトン
訳者 茂木健
発行日 2008年9月30日
2010年8月28日
発行元 Tor Books
創元推理文庫
ジャンル 歴史改変SF
言語 英語
形態 文庫本
ページ数 494
前作 暗殺のハムレット
コード ISBN 978-4488279073
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

バッキンガムの光芒 ファージング III』(バッキンガムのこうぼう ファージング スリー、Half a Crown)は、作家ジョー・ウォルトン2008年小説で、第二次世界大戦英国ナチス・ドイツと講和した後の世界を描いた歴史改変SF小説3部作(Small Change trilogy、ファージング三部作- 『英雄たちの朝』、『暗殺のハムレット』、『バッキンガムの光芒』-)の第3作である。

背景

1941年にイギリスがドイツと単独講和を行って以来両国は友好関係にあり、ファージングセットと呼ばれる保守派がイギリス政治を支配する。ドイツはソ連を倒し、ヨーロッパのほぼ全域を支配する。11年前の1949年には閣僚の暗殺事件(『英雄たちの朝』)とテロ事件(『バッキンガムの光芒』)があり、ファージングセットはそれ以来権力を強化し、独裁体制を固めている。

構成

エルヴィラ・ロイストンの視点から一人称で描かれた章と、カーマイケルの視点から三人称で描かれた章が交互に設けられる。なお、ファージング三部作はいずれも同様の構成を取る。

あらすじ

物語は『英雄たちの朝』および『暗殺のハムレット』から11年たった、1960年のロンドンを舞台とする。ファージング・セットは権力を手放さず、『暗殺のハムレット』での暗殺事件で負傷したマーク・ノーマンビーは引き続き首相職にある。ノーマンビーは独裁色を強め、核兵器でソ連を倒しヨーロッパほぼ全域を支配するナチス・ドイツ同様にユダヤ人弾圧を推し進め、国内に強制収容所を建設しようとする。ヨーロッパ戦線に参戦しなかったアメリカは強国としての立場を失い、日本は東亜共栄圏を支配し、中央アジアで第三帝国との間の緩衝地帯の設立をもくろむ。

カーマイケルは、ノーマンビーが設立したゲシュタポのごとき組織"監視隊"の隊長運営して密かにユダヤ人を国外に脱出させている。前作で殉職したロイストンの遺児エルヴィラの後見人となり、同居人のジャックと暮らす。エルヴィラはオックスフォード進学を控え、親友ベッツィとともに社交界にデビューする。

ヒトラーや日本の皇太子を招いた平和会議がロンドンで計画される中、ノーマンビーへの反対運動が激しさを増す。ウィンザー公は復権を求めて政権転覆を狙い、扇動したデモが暴動を引き起こす。暴動に巻き込まれたエルヴィラは暴徒と一緒に逮捕され、カーマイケルを疑い始めたノーマンビーの指示でスコットランド・ヤードに尋問される。カーマイケルは実力でエルヴィラを取り戻すが、ジャックは逮捕されて自殺し、カーマイケル自身も拘束される。

だがエリザベス女王は、カーマイケルが持っていた、ノーマンビーによるジェイムズ・サーキー殺人の証拠を外務大臣のガイ・ブレイスウェイトから見せられ、さらに社交界デビューの一環として拝謁したエルヴィラの直訴を聞いて、ノーマンビーの逮捕とカーマイケルの釈放を命じる。

登場人物

エルヴィラ・ロイストン
ロイストン巡査部長の忘れ形見でカーマイケルの被後見人。
エリザベス・メイナード(ベッツィ)
エルヴィラの親友で貴族の娘。
アラン・ベリンハム
准男爵でベッツィの求婚者。
ウィンザー公(エドワード8世)
元国王。
マーク・ノーマンビー
首相。ファージング・セット。
ガイ・ブレイスウェイト
外務大臣。
ピーター・カーマイケル
監視隊隊長。
ジャック
カーマイケルの同居人。
ジェイコブソン
監視隊副隊長でユダヤ人。
マーガレット・ダシー
カーマイケルの秘書。

関連項目

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「バッキンガムの光芒」の関連用語

バッキンガムの光芒のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



バッキンガムの光芒のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのバッキンガムの光芒 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS