ハンバントタ港
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ハンバントタ港 | |
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所在地 | |
国 | ![]() |
所在地 | ハンバントタ |
座標 | 北緯06度07分10秒 東経81度06分29秒 / 北緯6.11944度 東経81.10806度座標: 北緯06度07分10秒 東経81度06分29秒 / 北緯6.11944度 東経81.10806度 |
詳細 | |
開港 | 2010年11月18日 |
管理者 | 招商局港口控股 スリランカ港務局 |
種類 | 海港 |
面積 | 1,320 ha[1] |
統計 | |
公式サイト | www.slpa.lk |

ハンバントタ港(ハンバントタこう、英語: Port of Hambantota)またはマガンプラ・マヒンダ・ラージャパクサ港 (Magampura Mahinda Rajapaksa Port)[1]は、スリランカ南部ハンバントタ県、ハンバントタにある港湾。
概要
スリランカ西部のコロンボ港、東部のトリンコマリー港に並ぶ第三の国際港湾として、2008年から建設が進められた。建設は、数期にわたる大規模な構想があり、第一期工事分は中華人民共和国が建設費用の85%を借款でバックアップする下、中国の国有企業、中国港湾工程公司が担当して建設が行われた。2010年に一期工事が、2015年に二期工事が完成し、乗客用ターミナル、貨物取扱所、倉庫、燃料積込地などが整備された[1]。
中華人民共和国にとっては、インド洋におけるシーレーン、一帯一路の「真珠の首飾り戦略」で重要な位置を占める港湾であり、2014年には中国人民解放軍海軍の宋級潜水艦など、複数の中国艦船の寄港が行われている[2]。
コロンボ港と比べ、都市から港までのアクセス道路などの整備は遅れており、ハンバントタ港の稼働率は低迷していた。2017年の年間寄港船数は251隻であった[3]。スリランカ政府の資金難もあり、国際債務返済に向け外貨を獲得するためコンセッション方式を導入し、2017年12月に、株式の70%を11億2,000万ドルで中国招商局港口控股有限公司に99年間リースした[4]。これについて、借金帳消しの引き換えと報じるメディアもあるが[5]、そのような事実はない[4]。また、インドの警戒感への配慮から、中国人民解放軍による軍事利用は認めないことが通知されている[6]。
その後、ハンバントタ港はRO-RO船の積み替えを主に運用されている[7][8]。
脚注
- ^ a b c 安永健太 (2021年3月). “中国「真珠の首飾り」戦略 スリランカ ハンバントタ港”. World Watching 250. 日本港湾協会. 2022年11月17日閲覧。
- ^ インド刺激する中国潜水艦 スリランカに寄港 「真珠の首飾り」戦略で南アジアに影響力 産経ニュース・産経新聞社(2014/11/2)2017/2/11閲覧
- ^ “(アジアに浸透する中国)99年租借地となっても中国を頼るスリランカ(荒井 悦代)”. ジェトロ・アジア経済研究所. 2019年7月27日閲覧。
- ^ a b “海洋安全保障情報旬報 2020年1月1日-1月10日”. 笹川平和財団. 2024年12月30日閲覧。
- ^ “【国際情勢分析】まるで高利貸し 借金のカタでスリランカの港を奪った中国のやり口とは(1/2ページ)”. 産経新聞 (2017年12月30日). 2024年12月30日閲覧。
- ^ “中国と新たな合意/スリランカ「軍事利用させない」港権益貸与」”. 『産経新聞』朝刊. (2017年7月26日)
- ^ “南アジアの物流ハブを目指す(スリランカ)”. ジェトロ. 2024年12月30日閲覧。
- ^ “依然として開発途上の南部ハンバントタ地区(スリランカ)”. ジェトロ. 2024年12月30日閲覧。
関連項目
- ダーウィン港 - 同様に中国企業に99年間の使用権を与えた港湾
- ニューカッスル港 - 98年間の使用権が中国企業に与えられた類似の例
- 香港 - イギリスに99年間租借された中国の港湾都市
- マッタラ・ラージャパクサ国際空港
- マヒンダ・ラージャパクサ
- 借金漬け外交
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