ドイツの増六
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/15 06:12 UTC 版)
Play[ヘルプ/ファイル] ドイツの増六(Ger+6 または Ger65)もイタリアの増六と似ているが、♭ が追加されている。第5音が下方変位したドッペルドミナント九の和音 (-♯-♭--♭) の第2転回位置 (♭---♭-♯) の根音を省略したものである。♭→と♭→の間に生じる平行5度を回避するためには、属和音類との間に主和音の第2転回位置を挟み、♭を保留または半音上行させへ導く、または♭をへ導き「フランスの増六」に変化させてから属和音類へ連結する、などの方法がある。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトはこの平行5度を回避せずに多用したため「モーツァルト5度」と呼ばれるが、和声学または和声法の観点からは必ずしも歓迎されないグレーゾーンである。 ドイツの増六は、属七の和音と異名同音で同一であるが、上述のように結果論に過ぎない。♭VI7=♯V7: A♭, C, E♭, G♭
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