デンドロビウム・ファーメリとは? わかりやすく解説

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デンドロビウム・ファーメリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/17 18:22 UTC 版)

デンドロビウム・ファーメリ
デンドロビウム・ファーメリ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
亜科 : セッコク亜科 Epidendroideae
: セッコク属 Dendrobium
: デンドロビウム・ファーメリ D. farmeri
学名
Dendrobium farmeri Paxit.
図版

デンドロビウム・ファーメリ Dendrobium farmeri Paxit. は、ラン科セッコク属植物の一つ。カリスタ系デンドロビウムの代表的な種である。ピンクと黄色の花を多数房状につける。

特徴

常緑性多年生草本着生植物[1]偽球茎は高さ20-30cmで、基部は細く、先端近くの三節のみが大きく膨らんでいる。また、非常に固くて緑色、つやがあって断面は菱形。は茎の先端近くから接近して3-4枚だけ出る。葉はこの類では薄いが硬くて革質、幅が広くて卵形から披針形で、長さ8-18cm、幅は3.5-6cm。

開花期はから初夏花茎は先端近く、葉の付け根から伸び、長さは20-25cmで、十数個から多い場合は三十個以上の花をつける。花茎は途中で弓状に曲がり、垂れ下がって花をつける[2]。花は比較的密集して付く[3]は径5cmほどで、萼片と側花弁は先端から淡い藤色に染まり、時に全体に白。唇弁は中心部から黄色で、縁は白。

種小名は人名に由来する[3]

分布と生育環境

シッキムからダージリンネパールブータンアッサムビルマからタイにかけて広く分布している[4]。Khasia Hills においては標高300mから1000mの地域に見られる。

分類・類似種など

本種はカリスタ節に含められる[3]

利用

洋ランの一つとして観賞用に栽培される。デンドロビウムの中ではいわゆるカリスタ系に分類され、その代表的なものの一つである。この類は比較的開花期間が短い中、本種は花持ちがよく、約1ヶ月は開花している[3]

ただし開花させるには注意が必要で、まず秋に野外でしっかり低温に曝した後、屋内に取り込んだ後に一定期間水遣りを止め、乾燥に曝さねばならない。

なお、本種は鑑賞価値の高さから採取が進められ、原産地域では絶滅が危惧されている[4]

出典

  1. ^ 以下、主として唐沢監修(1996),p.192
  2. ^ 土橋(1993) p.210
  3. ^ a b c d 小学館(1994) p.2857
  4. ^ a b Majumder et al.(2010)

参考文献

  • 唐澤耕司監修、『蘭 山渓カラー図鑑』、(1996)、山と渓谷社
  • 土橋豊、『洋ラン図鑑』、(1993)、光村推古書院
  • 『園芸植物大辞典 2』、(1994)、小学館
  • Madhumita Majumder et al. 2010. Diredt and Callus-mediated Protocorm-like Body Induction and High Frequency Adventitious Shoot Regeneration in an Endangered Orchid - Dendrobium farmeri Pax. (Orchidaceae). Floriculture and Ornamental Biotechnology 4(Special Issue 1) :p.22-28.



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