テプロチドとは? わかりやすく解説

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テプロチド

分子式C53H76N14O12
その他の名称テプロチド、SQ-20881、Teprotide、5-Oxo-L-Pro-L-Trp-L-Pro-L-Arg-L-Pro-L-Gln-L-Ile-L-Pro-L-Pro-OH、Bradykinin-potentiating peptide-9a、ブラジキニン増強ペプチドBPP-9a、Bradykinin-potentiating peptide BPP-9a、ブラジキニン増強ペプチド-9a
体系名:pGlu-L-Trp-L-Pro-L-Arg-L-Pro-L-Gln-L-Ile-L-Pro-L-Pro-OH、5-オキソ-L-Pro-L-Trp-L-Pro-L-Arg-L-Pro-L-Gln-L-Ile-L-Pro-L-Pro-OH、pGlu-Trp-Pro-Arg-Pro-Gln-Ile-Pro-Pro-OH


テプロチド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/10 03:34 UTC 版)

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Teprotide
識別情報
PubChem 443376
ChemSpider 391608 
UNII C3E5QBF1R6 
ChEMBL CHEMBL408983 
特性
化学式 C53H76N14O12
モル質量 1101.257
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

テプロチド(Teprotide)は、ハララカから単離されたノナペプチドである。アンジオテンシン変換酵素阻害薬であり、アンジオテンシンIのアンジオテンシンIIへの変換を阻害し、またブラジキニンの薬理作用のいくつかを増強する可能性がある。これは分子式C53H76N14O12を有し、高血圧治療薬として検討されている。

単離と合成

テプロチドの降圧効果は、1965年にセルジオ・フェレイラ(Sergio Ferreira)によって初めて観察され[1]、フェレイラらによって、1970年に他の8つのペプチドとともに初めて単離された[2]。また同じ1970年にオンデッティ(Ondetti)らによって初めて合成され[3]、それ以降、その降圧作用が詳しく研究され始めた。

医学的利用

テプロチドはその長期にわたるin vivo活性のためリード化合物として選択された。その活性はBianchiらによって、テプロチドをイヌとラットへ投与し、アンジオテンシンIによる昇圧反応の阻害効果を観察することによって実証された[4]。テプロチドは効果的な降圧薬であることが示されているが、コストが高く経口活性がないため利用は限られていた。テプロチドがアンジオテンシンIからアンジオテンシンIIへ変換する酵素(ACE)を阻害することが判明すると、構造活性相関研究によってACEの活性結合部位の同定が行われ、降圧薬の開発が可能となった。カプトプリルはOndettiとCushmanによって開発された最初の降圧薬である[5]。これ以降多くのACE阻害薬が開発されているが、それらの出発点となっているのはこの物質である。

出典

  1. ^ Ferreira, Sergio (February 1965). “A bradykinin-potentiating factor (bpf) present in the venom of bothrops jararaca”. British Journal of Pharmacology 24: 169-169. doi:10.1111/j.1476-5381.1965.tb02091.x. PMC: 1704050. PMID 14302350. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1704050/. 
  2. ^ Ferreira, Sergio H.; Diana C. Bartelt; Lewis J. Greene (June 1970). “Isolation of bradykinin-potentiating peptides from Bothrops jararaca venom”. Biochemistry 9 (13): 2583–2593. doi:10.1021/bi00815a005. PMID 4317874. 
  3. ^ Ondetti, Miguel A.; Nina J. Wiliams; Emily F. Sabo; Josip Pluscec; Eugene R. Weaver; Octavian Kocy (October 1971). “Angiotensin-converting enzyme inhibitors from the venom of bothrops jararaca. Isolation, elucidation of structure, and synthesis”. Biochemistry 10 (22): 4033–4039. doi:10.1021/bi00798a004. PMID 4334402. 
  4. ^ Bianchi, A.; D.B. Evans; M. Cobb; M.T. Peschka; T.R. Schaeffer; R.J. Laffan (July 1973). “Inhibition by SQ 20881 of vasopressor response to angiotensin I in conscious animals”. European Journal of Pharmacology 23 (2): 90–96. doi:10.1016/0014-2999(73)90248-3. PMID 4354808. 
  5. ^ Cushman, D.W.; M.A. Ondetti (April 1991). “History of the design of captopril and related inhibitors of angiotensin converting enzyme”. Hypertension 17 (4): 589–592. doi:10.1161/01.hyp.17.4.589. PMID 2013486. 

テプロチド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/09 03:31 UTC 版)

オリゴペプチド」の記事における「テプロチド」の解説

ハララカの毒由来ペプチドと全く同じ人工のノナペプチド。キナーゼIIおよびアンジオテンシンI阻害し降圧剤としての利用考えられている。

※この「テプロチド」の解説は、「オリゴペプチド」の解説の一部です。
「テプロチド」を含む「オリゴペプチド」の記事については、「オリゴペプチド」の概要を参照ください。

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