チエノピリジン誘導体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 00:29 UTC 版)
血小板表面にあるADP受容体にはATP受容体のP2Y1受容体、P2Y12受容体が機能的に存在しており、P2Y1受容体は血小板の形態変化に関与し、P2Y12受容体は血小板の凝集を促進する作用がある。チエノピリジン誘導体はP2Y12受容体の特異的な阻害薬であることが知られており、P2Y12-Giのシグナルを介したアデニル酸シクラーゼ活性化の抑制を抑制することにより血小板凝集を妨げる。GP IIb-IIIa 複合体の活性化も抑制する。塩酸チクロピジン(パナルジン)があるが血小板減少症 (TTP[要曖昧さ回避]) や肝障害を注意深く観察していく必要がある。副作用の少ないクロピドグレル(Clopidogrel プラビックス)が2006年5月より国内でも販売されている。さらにクロピドグレルを上回る心血管イベント抑制効果を示すプラスグレル(エフィエント)が2014年2月に承認された。チクロピジンは脳梗塞、くも膜下出血後の合併症予防に用いられることがある。クロピドグレルはPCI後といった虚血性心疾患やアテローム血栓性脳塞栓でも用いられる。
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