ダスキーティティとは? わかりやすく解説

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ダスキーティティ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/30 16:51 UTC 版)

ダスキーティティ
ダスキーティティ Callicebus moloch
保全状況評価[1][2]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目 Primates
亜目 : 直鼻亜目 Haplorhini
下目 : 真猿型下目 Simiiformes
小目 : 広鼻小目 Platyrrhini
: サキ科 Pitheciidae
亜科 : ティティ亜科 Callicebinae
: Plecturocebus
: ダスキーティティ P. moloch
学名
Plecturocebus moloch
(Hoffmannsegg, 1807)[1]
和名
ダスキーティティ[3][4][5]
英名
Dusky titi[1]
Dusky titi monkey[3]
Red-bellied titi[1]
Red-bellied titi monkey[1]

ダスキーティティ (Plecturocebus moloch) は、哺乳綱霊長目サキ科Plecturocebus属に分類される霊長類。Plecturocebus属の模式種[6]


南アメリカ中央部の熱帯林・川辺林に棲息。

長い毛で茶色が多く、色の濃淡がいろいろある。モコモコの体をしているウサギくらいの大きさであり、一夫一婦制をとるのが特徴である。シッポを絡ませ寄り添う姿がとても可愛らしい。

毛深い体に太い尾をもつが、尾に把握性はない。 ペア型の社会構造をもつ。 2頭のサルが尾をからみ合わせる行動がよくみられる。果実や葉、昆虫などを食べる。

分布

ブラジルパラー州マットグロッソ州[1]

形態

頭部から胴体にかけては淡黄色や灰色・暗褐色の体毛で被われる[5]。耳から顎にかけては赤い[5]

分類

ブルスティティC. prinus

シロムネティティC. lugens

クロガオティティC. nigrifrons

コインブラティティC. coimbrai

マスクティティC. personatus

ボリビアハイイロティティC. donacophilus

ホフマンティティC. hoffmannsi

ハイイロティティC. cinerascens

C. miltoni

ベルンハルトティティC. bernhardi

ダスキーティティ C. moloch

ドウイロティティC. cupreus

ブラウンティティC. brunneus

クリハラティティC. caligatus

ハーシュコビッツティティ
C. dubius

Byrne et al.(2016)より、核DNA・ミトコンドリアDNAから最尤法とベイズ法によって推定した旧ティティ属15種の系統図[6]

1990年にそれまでの本種の亜種を全て独立種に分割し[4]、旧ティティ属Callicebus内ではブラウンティティC. brunneusC. caligatus・ハイイロティティC. cinerascens・レッドティティC. cupreusC. dubius・ホフマンティティC. hoffmannsi・マスクティティC. personatusらと共にmoloch groupを構成する説が提唱された[6]。1999年のコインブラティティC. coimbraiの新種記載にあたり主に上記の分類を踏襲しつつもマスクティティの亜種を独立種とする説が提唱され[4]、この分類では属内ではハイイロティティ・ブラウンティティ・ホフマンティティ(後に亜種を独立種とする説が提唱され細分化)らと共にmoloch groupを構成する説が提唱された[6]。2016年には核DNAとミトコンドリアDNAの分子系統推定から、Callicebus属に5種のみを残し多くの種(6種は新属Cheracebusに分割)を本種を模式種とした新属Plecturocebus属へ分割する説が提唱された[6]

生態

低地にある熱帯雨林に生息する[5]。ペアとその幼獣からなる群れを形成して生活する[5]

人間との関係

分類の変更などに伴い狭義の本種の分布域は今まで考えられていたより狭くなっているが、生息数の推移に関するデータもなく2021年の時点では種として絶滅のおそれは低いという扱いとなっている[1]。森林伐採やダム・道路建設・鉱業での採掘などが原因の生息地の破壊による影響が懸念されている[1]。1977年に霊長目単位で、ワシントン条約附属書IIに掲載されている[2]

出典

  1. ^ a b c d e f g h Ravetta, A. L. et al., 2021. Plecturocebus moloch (amended version of 2020 assessment). The IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T41556A192452656. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2021-1.RLTS.T41556A192452656.en. Downloaded on 07 August 2021.
  2. ^ a b UNEP (2021). Callicebus moloch. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. [Accessed 07/08/2021]
  3. ^ a b 日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ 「日本モンキーセンター 霊長類和名リスト 2018年11月版」(公開日2018年12月16日・2021年8月7日閲覧)
  4. ^ a b c 名取真人「ティティの大臼歯アロメトリー」『霊長類研究』第18巻 1号、日本霊長類学会、2002年、59 - 67頁。
  5. ^ a b c d e 高井正成 「ダスキーティティ」『世界で一番美しいサルの図鑑』湯本貴和全体監修・高井正成「南米」監修、エクスナレッジ、2017年、49頁。
  6. ^ a b c d e Hazel Byrne et al., "Phylogenetic relationships of the New World titi monkeys (Callicebus): first appraisal of taxonomy based on molecular evidence," Frontiers in Zoology, Volume 13, Number 10, 2016, Pages 1 - 15.


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