ターフェアイト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/02 03:30 UTC 版)
ターフェ石 Taaffeite | |
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![]() Magnesiotaaffeite-2N’2S (Mg3Al8BeO16) | |
分類 | 酸化鉱物 |
シュツルンツ分類 | 4.FC.25 |
化学式 | BeMgAl4O8 |
結晶系 | 六方晶系 |
晶癖 | 角柱状の沖積粒子 |
双晶 | By reflection on (0001)? |
へき開 | 不明瞭/明瞭/なし |
断口 | コンコイダル(貝殻状) |
モース硬度 | 8–8.5 |
光沢 | 硝子体 |
色 | 無色、灰色みがかった紫、赤紫、赤、淡緑色、桃色みがかった紫、モーブ |
条痕 | 白 |
透明度 | 透明ないし半透明 |
比重 | 3.60–3.61 |
光学性 | 一軸 |
屈折率 | nω = 1.722, nε = 1.777 |
複屈折 | δ = 0.055 |
多色性 | 弱い |
文献 | [1][2] |
プロジェクト:鉱物/Portal:地球科学 |
ターフェアイト(ターフェ石、英語: taaffeite)とは、アイルランドの宝石鑑定師のリヒャルト・ターフェ伯爵[3]によって、1945年に発見された六方晶系のガラス光沢をした青紫色の新鉱物。ターフェは、勤務していたダブリンの宝石店に入荷した、カットされた宝石の一つを分析したところ、スピネルに似ているが、スピネルとは異なり複屈折が見られたことからロンドン商工会議所のB.W.Andersonに鑑定を依頼し、新種と断定された。宝石としてカットされたものから新種の鉱物と判明したのは史上初であり、産地はスリランカとしかわからなかったが、その後新たな結晶が発見されたことによりラトゥナプラ県ラトゥナプラであることが確定した。国際鉱物学連合からは1982年に承認されている。
結晶を研磨するとスピネルと似たような宝石として、マニアから重宝される。モース硬度8。
その後、ターフェ石は「ターフェ石グループ」として苦土ターフェ石(Magnesiotaaffeite)と鉄ターフェ石(Ferrotaaffeite)に分けられた。そして現在、ターフェが発見したターフェ石の正式名称は苦土ターフェ石2N’2S(magnesiotaaffeite-2N’2S)に改名されている。この接尾辞は、ポリソーム(多層構造)を示すために、Armbrusterら(2002年)によって追加された。
ターフェ石グループとしては、狭義のターフェ石、苦土ターフェ石6N’3S(旧称マスグラバイト)、鉄ターフェ石2N’2S、鉄ターフェ石6N’3Sが承認されている。
脚注
- ^ Thomas, Arthur (2008) Gemstones: properties, identification and use. New Holland Publishers. p. 74. ISBN 1-84537-602-1
- ^ Magnesiotaaffeite, Mindat
- ^ 英語圏では爵位を付けて呼ばれていたが、実際には父ヘンリーが称号剥奪法により爵位を剥奪されていたため爵位は持っていなかった
関連項目
- 宝石 - 宝石の一覧
- マスグラバイト - en:musgravite
- ターフェアイト (競走馬)
- エドゥアルト・ターフェ - 発見したリヒャルト・ターフェの祖父
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