ストゥファット・タル・フェネック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/25 06:12 UTC 版)
ストゥファット・タル・フェネック | |
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ゴゾ島のレストラン「It-Tokk」で提供されるストゥファット・タル・フェネック
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別名 | フェンカータ |
種類 | シチュー |
フルコース | 主菜 |
発祥地 | ![]() |
関連食文化 | マルタ料理 |
誕生時期 | 16世紀 |
主な材料 | |
その他お好みで | |
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ストゥファット・タル・フェネック(英: Stuffat tal-fenek)は、ウサギ肉を一晩マリネしたのち、トマトソースと赤ワインで煮込んだシチューである。代表的なマルタ料理であり、同国の国民食としても知られる[1][2]。伝統的な調理法ではジャガイモが使われるが、タマネギやニンジンが添えられることもある[1]。
歴史
このシチューの起源は、島がマルタ騎士団の支配下にあった16世紀にまでさかのぼることができる[2][3]。1565年に、聖ヨハネ騎士団により課された狩猟制限に対する、象徴的な抵抗の形としてこの料理が生み出されたと考えられている[3]。18世紀後半に制限が撤廃されるとこの料理の人気はさらに高まり、在来種のアナウサギ(Tax-xiber)の繁殖が進むと安価に提供されるようになった。さらに、フランスから輸入されたと考えられるウサギの飼育 (Cuniculture) が地元で広まったことも、料理の普及の後押しとなった[4]。
調理

ストゥファット・タル・フェネックはフェンカータ(Fenkata)とも呼ばれる。これは、広義にはウサギのシチューが供されるような家庭の食卓を指すこともある[2]。家族全員に行きわたるよう、2~3羽のウサギを使い、肉は月桂樹の葉とニンニクを加えたたっぷりの赤ワインに一晩漬け込まれる。その後、トマトとワインをベースにした濃厚なソースで1時間以上、肉と骨が離れるまでじっくり煮込む[1]。この料理は2品に分けて提供されることもある。ソースをかけたパスタを前菜とし、ウサギ肉と野菜をメインディッシュとして楽しむのである[5]。
脚注
- ^ a b c Liz Ayling (23 March 2014). “Rabbit Stew Maltese style or ‘Stuffat tal-Fenek’”. The Red Bistro (英語). 2025年9月25日閲覧.
- ^ a b c The Traveleaters (27 June 2018). “What You Need to Know About Fenkata (Recipe)”. Will Fly for Food (アメリカ英語). 2024年9月26日閲覧.
- ^ a b Carmel Cassar (2018). “Hunting and game in Malta in the sixteenth to the eighteenth centuries: a historical anthrolopogical approach” (PDF). Journal of Mediterranean Studies (英語). マルタ大学. 27 (1): 35–48. ISSN 1016-3476. 2024年9月27日閲覧.
- ^ J. Gauci-Maistre (1999). “"Tax-xiber" - The indigenous rabbit of Malta” (PDF). 2. International Conference on Rabbit Production in Hot Climates (英語). CIHEAM Zaragoza: 183–187. 2024年9月27日閲覧.
- ^ Paul Camilleri (25 June 2015). “Rabbit stew (stuffat tal-fenek)”. SBS Food (英語). 2024年9月26日閲覧.
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