コープ脱離とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > コープ脱離の意味・解説 

コープ脱離

(コープ反応 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/02 03:41 UTC 版)

コープ脱離(コープだつり、Cope elimination)または コープ反応 (Cope reaction) とは、有機化学における脱離反応のひとつ。β位に水素を有する脂肪族アミン N-オキシド熱分解させアルケンヒドロキシルアミンに変える反応のこと[1]。1949年にアーサー・コープらにより報告された[2]ホフマン脱離シュガエフ脱離と同様、シン脱離で進む。

RCH2CH2N+(-O-)R'2 + heat → R-CH=CH2 + HO-NR'2

本反応は 5員環の遷移状態を経由し、その過程でβ位の水素が酸素上に転位する。

実施されるときは、アミンmCPBA などを加えてオキシドとし、そのまま単離せずに加熱する手法がとられる。ホフマン脱離よりも必要な温度は低いとされる。

逆反応

1976年に H. O. House らはコープ脱離の逆反応、すなわちヒドロキシルアミンがアルケンがシン付加してアミン N-オキシドを与える反応を見出した[3][4]。この反応はアルケンを分子内に持つヒドロキシルアミンを基質として複素環 N-オキシドを得る場合に有効である。

参考文献

  1. ^ 総説: Cope, A. C., Trumbull, E. R. Org. React. 1960, 11, 317-493.
  2. ^ Cope, A. C., Foster, T. T., Towle, P. H. J. Am. Chem. Soc. 1949, 71, 3929-3935. DOI: 10.1021/ja01180a014
  3. ^ House, H. O.; Manning, D. T.; Melillo, D. G.; Lee, L. F.; Haynes, O. R.; Wilkes, B. E. J. Org. Chem. 1976, 41, 855-863. DOI: 10.1021/jo00867a023
  4. ^ 総説: Cooper, N. J., Knight, D. W. Tetrahedron 2004, 60, 243-269. DOI: 10.1016/j.tet.2003.10.043

関連項目





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「コープ脱離」の関連用語

コープ脱離のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



コープ脱離のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコープ脱離 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS