ゲフィチニブ耐性変異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 19:08 UTC 版)
「上皮成長因子受容体」の記事における「ゲフィチニブ耐性変異」の解説
上記のゲフィチニブ感受性変異EGFRにさらに二次的な変異が生じることで、ゲフィチニブ耐性となりうる。EGFRの790番めのアミノ酸であるトレオニンのメチオニンへの置換 (T790M)や、761番目のアスパラギン酸のチロシンへの置換 (D761Y)がゲフィチニブ耐性変異として報告されている。T790Mはゲフィチニブに耐性を獲得した非小細胞肺癌の約半数にみられ、EGFR細胞内領域にあるゲフィチニブ結合部位の変異によりゲフィチニブへの親和性が変化することで獲得耐性がおこると考えられている。ただし、この変異はゲフィチニブ感受性変異を持ちながらゲフィチニブに耐性を示すゲフィチニブ未投与非小細胞肺癌の約半数にみられるなど、ゲフィチニブ投与前の患者検体からも検出されることがあり、また病期が進むにつれて検出される頻度が高くなることから、ゲフィチニブ投与により二次的におこるものではなく、肺癌の進行に伴って少数の癌細胞が持つようになる変異であって、ゲフィチニブ使用によりこの変異を持った細胞がセレクションされるものだという意見もある。
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