グレッグ・ズーライン (アメリカンフットボール)

ウィキペディア

グレッグ・ズーライン (アメリカンフットボール)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/09/03 06:50 UTC 版)

グレッグ・ズーライン

Greg Zuerlein
ダラス・カウボーイズ時代(2020年)
ニューヨーク・ジェッツ #6
ポジション	プレースキッカー
生年月日	(1987-12-27) 1987年12月27日（36歳）
出身地	アメリカ合衆国 ネブラスカ州リンカーン
身長:	6' 0" ＝約182.9cm
体重:	190 lb ＝約86.2kg
経歴
大学	ミズーリ・ウェスタン州立大学
NFLドラフト	2012年 / 6巡目全体171位
初出場年	2012年
初出場チーム	セントルイス・ラムズ
所属歴
2012-2019 セントルイス・ラムズ ロサンゼルス・ラムズ 2020-2021 ダラス・カウボーイズ 2022- ニューヨーク・ジェッツ
受賞歴・記録
オールプロ選出（1回）
2017年
プロボウル選出（1回）
2017年
NFL 通算成績 （2022年第1週終了時点）
総得点 1,134点 FG成功 265/323（82.0%） PAT成功 339/355（95.5%） 最長FG 61ヤード Player stats at NFL.com
Player stats at PFR

グレッグ・ズーライン（Greg Zuerlein 1987年12月27日- ）はネブラスカ州リンカーン出身のアメリカンフットボール選手。現在NFLのニューヨーク・ジェッツに所属している。ポジションはプレースキッカー。

経歴

プロ入り前

ネブラスカ大学オマハ校で3シーズンに渡りキッカーを務めたが、2010年シーズンは臀部の負傷のため欠場した。大学に居場所の無くなった彼は2011年、ミズーリ・ウェスタン州立大学に転校した。そこで彼は58ヤード以上のFG9本を含む（そのうち2本は58ヤード）21本連続FG成功^[1]のNCAA2部校記録を作った。この年FG24本中23本を成功^[2]、成功率95.2%は12本以上のFGを蹴った選手の中ではNCAAの全てのディビジョンを合わせたトップの数字であった。

NFLスカウティング・コンバインには招待されなかったが、リージョナル・コンバイン^[3]、スーパー・リージョナルコンバインに参加した^[4]。

セントルイス/ロサンゼルス・ラムズ

2012年のNFLドラフトの6巡全体171位でセントルイス・ラムズに指名された^[5]。NCAA1部校以外からのドラフト指名キッカーとしては2005年のポール・エルンスター以来であった。ラムズは彼の指名直後に5年契約の最後のシーズンであったベテランキッカーのジョシュ・ブラウンを解雇した^[6]。

8月のダラス・カウボーイズとのプレシーズンゲームでは55ヤード、52ヤードのFGをそれぞれ成功させた^[7]。第4週のシアトル・シーホークス戦ではラムズ記録となる60ヤードのFGや58ヤードのFGなど4本のFGを成功させ19-13の勝利に貢献した^[8]。この活躍で彼は第4週のNFC週間MVPスペシャルチーム部門に選ばれている^[9]。第6週のマイアミ・ドルフィンズ戦では5本中3本のFG（48ヤード、32ヤード、66ヤード）を失敗、チームは3点差で敗れた^[10]。第13週のサンフランシスコ・フォーティナイナーズ戦では、第4Q終了と同時に53ヤードのFGを成功、オーバータイム残り26秒に54ヤードの決勝FGを決めて16-13の勝利をラムズにもたらした^[11]。この活躍で彼は第13週の週間MVPに選ばれた^[12]。

2013年のズーライン

2013年シーズン開幕戦のアリゾナ・カージナルス戦ではFG4本を含む13点を挙げチームの27-24での勝利に貢献した^[13]。この年はPATを34本全て成功させ、FGは28本中26本成功した^[14]。

2014年第2週のタンパベイ・バッカニアーズ戦では4本のFGを決めるなど13点を挙げる活躍でチームは19-17で勝利した^[15]。第11週のデンバー・ブロンコス戦では5本のFGを決めチームも22-7で勝利^[16]。自身もこの週のスペシャルチーム部門でNFCの週間MVPに選ばれた^[17]。この年はPATが34/35、FGは24/30という成績であった^[14]。

2015年は鼠蹊部の怪我^[18]もあり2試合欠場するなど、PATは26/28、FG20/30という成功率に終わった^[14]。

2016年のズーライン

チームが本拠地をセントルイスからロサンゼルスへと移転した2016年はPATが23/23、FGが19/22で獲得点数がキャリア最低となる80点に留まりとなり^[14]、チームもわずか4勝しか挙げられなかった。

2017年10月1日、第4週のダラス・カウボーイズ戦ではFGを7本成功させ^[19]、チームのフランチャイズ記録を破る活躍をみせた。10月は月間51得点を挙げる活躍でNFCのスペシャルチーム部門で月間MVPに選出された^[20]。この年は2度の週間MVPに選出、FGを38本、PATを44本成功させそれぞれリーグトップの数字を残していたが、12月20日にIR入りし、シーズン終了となった^[21]。

2018年は第2週から第6週まで怪我で欠場していたが、第7週のサンフランシスコ・フォーティナイナーズ戦でFG3本PAT4本の計7本のキックを成功させた^[22]。第11週のカンザスシティ・チーフス戦ではPAT6本FG2本の計8本のキックを成功させた^[23]。チームも54-51で乱戦を制した^[24]。シーズン最終戦の49ers戦でもPAT6本FG2本の計8本のキックを成功させ48-32での勝利に貢献した^[25]。チームもNFCの第2シードとしてプレーオフに進出した。

自身初出場となったプレーオフでは初戦のカウボーイズ戦ではPAT3本FG3本を成功させ^[26]30-22で勝利した。NFCチャンピオンシップゲームのニューオーリンズ・セインツ戦では4Q残り19秒で同点に追いつく48ヤードのFG、さらにオーバータイムにて57ヤードのFGを成功させチームのスーパーボウル進出を決めた^[27]。ニューイングランド・ペイトリオッツと対戦した第53回スーパーボウルではチーム唯一の得点となるFGを決めたが試合終了間際でのFGに失敗したことによりチームの敗北が決まってしまった^[28]。

ダラス・カウボーイズ

2020年3月30日にダラス・カウボーイズと契約した^[29]。

開幕戦ではいきなり古巣のラムズと対戦し、キックオフを担当した。これがラムズの新本拠地・SoFiスタジアムにとって最初のプレーとなった。9月20日に行われた第2週・アトランタ・ファルコンズ戦、カウボーイズは1Q終了時点で0-20のビハインド、前半終了時点でも10-29と敗色濃厚であったが4Q残り4分57秒時点で30-39と追い上げをみせると、残り1分49秒にダック・プレスコットのTDランにより3点差に詰め寄った。ここでズーラインがオンサイドキックを成功させ再び攻撃権を得るとラストプレーで逆転サヨナラとなるFGを決め、劇的勝利を演出した^[30][31]。

2021年シーズンオフにカウボーイズからリリースされた^[32]。

ニューヨーク・ジェッツ

2022年3月26日にニューヨーク・ジェッツと1年契約を結んだ^[33]。

人物

ドラフト指名を受けて入団した選手にもかかわらず、キッカーである彼は十分なリスペクトをされていない。その一例が、オフィシャルジャージの彼の名前がZueleinで販売されていることに見られる^[7]。

脚注

[脚注の使い方]

1. ^ “2011 Football Roster”. ミズーリ・ウェスタン州立大学. 2012年9月15日閲覧。
2. ^ “ラムズが世代交代、新K指名でブラウン解雇へ”. NFL JAPAN (2012年4月29日). 2012年9月15日閲覧。
3. ^ “高まるリージョナル・コンバインの価値”. NFL JAPAN (2012年5月19日). 2012年9月15日閲覧。
4. ^ “リージョナル・コンバイン参加の69選手が現在ロスター登録”. アメフトNewsJapan (2012年7月22日). 2012年9月20日閲覧。
5. ^ “Pius X grad Zuerlein gets sixth-round call from Rams”. Journal Star (2012年4月28日). 2012年9月15日閲覧。
6. ^ “Rams to release Josh Brown”. ESPN (2012年4月). 2012年9月15日閲覧。
7. ^ ^{a b} Ryan Van Bibber (2012年8月27日). “Rams Kicker Greg Zuerlein Gets No Respect, No Respect At All”. turfshowtimes.com. 2012年9月15日閲覧。
8. ^ “ラムズがシーホークスに勝利、守備陣が3INT奪取”. NFL JAPAN (2012年10月1日). 2012年10月19日閲覧。
9. ^ “プレイター、ズーラインの両Kが週間MVP -スペシャルチーム-”. NFL JAPAN (2012年10月4日). 2012年10月20日閲覧。
10. ^ “ドルフィンズ、粘りのディフェンスで5割復帰”. NFL JAPAN (2012年10月15日). 2012年10月21日閲覧。
11. ^ “ラムズが49ers撃破の番狂わせ、引き分け直前に劇的FG”. NFL JAPAN (2012年12月3日). 2012年12月13日閲覧。
12. ^ “新人Kズーラインが2度目の週間MVP -スペシャルチーム部門-”. NFL JAPAN (2012年12月6日). 2012年12月15日閲覧。
13. ^ “Arizona Cardinals at St. Louis Rams – September 8th, 2013” (英語). Pro-Football-Reference.com. February 4, 2021閲覧。
14. ^ ^{a b c d} “Greg Zuerlein Game Log” (英語). Pro-Football-Reference.com. February 4, 2021閲覧。
15. ^ “St. Louis Rams at Tampa Bay Buccaneers – September 14th, 2014” (英語). Pro-Football-Reference.com. February 4, 2021閲覧。
16. ^ “Denver Broncos at St. Louis Rams – November 16th, 2014” (英語). Pro-Football-Reference.com. February 9, 2019閲覧。
17. ^ “2014 NFL Week 11 Leaders & Scores” (英語). Pro-Football-Reference.com. February 4, 2021閲覧。
18. ^ “Rams kicker Greg Zuerlein has not practiced all week” (英語). USAToday.com. February 4, 2021閲覧。
19. ^ “Los Angeles Rams at Dallas Cowboys - October 1st, 2017” (英語). Pro-Football-Reference.com. February 4, 2021閲覧。
20. ^ “Rams kicker Greg Zuerlein named NFC Special Teams Player of the Month” (英語). FOX Sports. February 4, 2021閲覧。
21. ^ “ラムズKズーラインが故障者リスト入りで今季終了”. NFL JAPAN (2017年12月21日). 2021年2月4日閲覧。
22. ^ “Los Angeles Rams at San Francisco 49ers – October 21st, 2018” (英語). Pro-Football-Reference.com. February 4, 2021閲覧。
23. ^ “Kansas City Chiefs at Los Angeles Rams – November 19th, 2018” (英語). Pro-Football-Reference.com. February 4, 2021閲覧。
24. ^ “記録づくしとなったラムズ対チーフスの激闘”. NFL JAPAN (2018年11月21日). 2021年2月4日閲覧。
25. ^ “San Francisco 49ers at Los Angeles Rams – December 30th, 2018” (英語). Pro-Football-Reference.com. February 9, 2021閲覧。
26. ^ “Divisional Round – Dallas Cowboys at Los Angeles Rams – January 12th, 2019” (英語). Pro-Football-Reference.com. February 4, 2021閲覧。
27. ^ “延長の末、ラムズがNFCを制してスーパーボウル出場！”. NFL JAPAN (2019年1月21日). 2021年2月4日閲覧。
28. ^ “【第53回スーパーボウル】古豪ペイトリオッツと若さあふれるラムズが対決、結果やいかに！”. NFL JAPAN (2019年2月4日). 2021年2月4日閲覧。
29. ^ “Cowboys Agree To Terms With Pro Bowl K Zuerlein”. DallasCowboys.com. February 4, 2021閲覧。
30. ^ “Cowboys' rally stuns Falcons 40-39 in McCarthy's home debut”. ESPN (September 20, 2020). February 4, 2021閲覧。
31. ^ “Atlanta Falcons at Dallas Cowboys - September 20th, 2020” (英語). Pro-Football-Reference.com. February 4, 2021閲覧。
32. ^ Phillips, Rob (March 11, 2022). “Veteran Kicker Greg Zuerlein Released By Cowboys” (英語). DallasCowboys.com. September 12, 2022閲覧。
33. ^ Allen, Eric (March 26, 2022). “Jets Sign Veteran Kicker Greg Zuerlein” (英語). NewYorkJets.com. September 12, 2022閲覧。

外部リンク

• 通算成績と情報 NFL.com, or ESPN, or Pro-Football-Reference （英語）

表 話 編 歴 ニューヨーク・ジェッツ 2023
クォーターバック -- タイロッド・テイラー 14 トレバー・シーミアン  8 アーロン・ロジャース ランニングバック 25 イスラエル・アバニカンダ 20 ブリース・ホール ワイドレシーバー 16 ジェイソン・ブラウンリー 19 アービン・チャールズ 18 ランドール・コブ 82 ゼイビア・ギプソン 10 アレン・ラザード 17 ギャレット・ウィルソン -- マイク・ウィリアムズ タイトエンド 83 タイラー・コンクリン 89 ジェレミー・ラッカート 88 ケニー・イエボア		オフェンシブライン 76 デュアン・ブラウン T 64 オースティン・デカラス T 62 ジェイク・ハンソン C 61 マックス・ミッチェル T 65 ゼイビア・ニューマン＝ジョンソン G 66 ジョー・ティップマン C 68 マイク・レマーズ T 78 レークン・トムリンソン G 64 ビリー・ターナー T 67 カーター・ウォーレン T ディフェンシブライン 72 マイケル・クレモンズ DE 97 ジェイリン・ホームズ DE 58 カール・ローソン DE 99 ウィル・マクドナルド4世 DE 47 ブライス・ハフ DE 94 ソロモン・トーマス DT 95 クイネン・ウィリアムズ DT		ラインバッカー 52 サミュエル・エグアボン OLB 11 ジャーメイン・ジョンソン2世 OLB 57 C・J・モーズリー MLB 44 ジェイミアン・シャーウッド OLB 55 チャズ・スラット OLB 56 クインシー・ウィリアムズ OLB -- ハサン・レディック OLB ディフェンスバック 22 トニー・アダムス FS 29 ジャリック・バーナード＝コンバース FS 30 マイケル・カーター2世 CB 21 アシュティン・デービス FS 26 ブランディン・エコールス CB  1 ソース・ガードナー CB 40 ジャベリン・ガードリー CB 37 ブライス・ホール CB 34 ジャスティン・ハーディー CB  4 D・J・リード CB  3 ジョーダン・ホワイトヘッド SS スペシャルチーム 42 トーマス・ヘネシー LS  5 トーマス・モーステッド P  6 グレッグ・ズーライン K				リザーブリスト 50 ブラッドリー・アナエ DE (IR) 53 ザイア・バーンズ MLB (IR) 23 チャック・クラーク FS (IR) 70 クイントン・ジェファーソン DT (IR) 60 コナー・マクガバーン C (IR) 92 イフェアディ・オデニグボ DE (IR) 71 ウェス・シュバイツァー G (IR) 87 C・J・ユゾマ TE (IR) 75 アライジャ・ベラ＝タッカー G (IR) 96 アル・ウッズ DT (IR) 練習生 48 ニック・ボウデン FB 32 アンソニー・ブラウン CB 38 トリー・ディーン SS 31 オビナ・エゼ T 63 クリス・グラサー G 27 タエ・ヘイズ CB 98 ブルース・ヘクター DT -- マニー・ジョーンズ DE 81 ザック・クンツ TE 41 マーセリノ・マクラリー＝ボール OLB 85 ランス・マッカチオン WR 31 ジャック・パトリック RB 69 ロジャー・サフォード G 79 タンゼル・スマート DT 51 マーキス・スペンサー DT 86 マリック・テイラー WR 35 ザザビアン・バラデー RB 92 ペリオン・ウィンフリー DT Roster December 22, 2023現在 Depth chart Transactions アクティブ 53名 インアクティブ 11名 練習生 16名 (+免除2名)