クシポス
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/25 10:08 UTC 版)

クシポス[1]またはクシフォス(ギリシア語: ξίφος[2]、英語: Xiphos)は、古代ギリシアの剣。
ホメーロスが『イーリアス』に記した剣の一つである[3]。ハインリヒ・シュリーマンの発掘により、ミケーネ文明でコピス、パスガノン(Phasganon)と共に使用されていたと考えられるようになった[3]。
ヘレニズム時代初期にはマケドニア、エペイロス(en:Epirus、現在のイピロス)、ギリシアにて用いられていたと考えられている[4]。他に同時期のトラキアでも出土例がある[4]。用語としてのクシポスはローマ時代に入っても用いられ、スパタの様な幅広の剣に対して、直剣を指す語となっていた[3]。現在のギリシア語では、刀剣を指す語となっている[5]。
まっすぐ伸びた長い両刃の刀身は、切断・刺突の両方が可能であり、鍔の代わりとなる棒状のクロスガードは鞘と同様に装飾されることもあった[3]。ヘレニズム時代、小刀類と比べると高価な武器のため貴族階級に用いられ、柄や柄頭は骨あるいは象牙からなる装飾されたものもあった[4]。鐺(こじり、鞘の先端)は球状であった[3]。
出典
- ^ 三浦權利『図説 西洋甲冑武器事典』柏書房、2000年。
- ^ Henry George Liddell、Robert Scott. “ξίφος”. A Greek-English Lexicon. ペルセウス電子図書館. 2016年11月19日閲覧。
- ^ a b c d e リチャード・フランシス・バートン (1884). The Book of the Sword. Chatto and Windus. pp. 222-223, 234-235
- ^ a b c Emil Nankov (2007). “AN IVORY SCABBARD CHAPE FROM SEUTHOPOLIS REDISCOVERED: EVIDENCE FOR A XIPHOS FROM EARLY HELLENISTIC THRACE?”. Archaeologia Bulgarica (Archaeologia Bulgarica) XI (1): 37-46. ISSN 1310-9537 2016年11月20日閲覧。.
- ^ S. C. WOODHOUSE (1910). Woodhouse's English-Greek Dictionary. George Routledge & Sons. p. 849 2016年11月20日閲覧。
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