クィア/QUEERとは? わかりやすく解説

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クィア/QUEER

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/11 17:12 UTC 版)

クィア/QUEER
Queer
監督 ルカ・グァダニーノ
脚本 ジャスティン・クリツケス英語版
原作 ウィリアム・S・バロウズ
製作 ルカ・グァダニーノ
ロレンツォ・ミエーリ 英語版
出演者 ダニエル・クレイグ
ドリュー・スターキー
ジェイソン・シュワルツマン
ヘンリー・ザガ 英語版
レスリー・マンヴィル
音楽 トレント・レズナー
アッティカス・ロス
撮影 サヨムプー・ムックディプローム
編集 マルコ・コスタ
製作会社 フリーマントル
The Apartment
Frenesy Film
配給 Lucky Red
A24
ギャガ
公開 2024年9月3日ヴェネツィア国際映画祭
2024年11月27日
2025年5月9日
上映時間 137分[1]
製作国 イタリア
アメリカ合衆国
言語 英語
スペイン語[2]
製作費 4800万ユーロ
興行収入 $5,489,601[3]
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クィア/QUEER』(原題: Queer)は、2024年製作の恋愛映画ルカ・グァダニーノ監督、ジャスティン・クリツケス脚本、ダニエル・クレイグ主演。 ウィリアム・S・バロウズによる自伝的小説英語版映画化である。

あらすじ

1950年代のメキシコシティ。アメリカ人駐在員のウィリアム・リーは、美しくミステリアスな青年ユージーン・アラートンに一目惚れし、恋に落ちる…。

キャスト

  • ダニエル・クレイグ - ウィリアム・リー
  • ドリュー・スターキー - ユージーン・アラートン
  • ジェイソン・シュワルツマン - ジョー・ギドリー
  • レスリー・マンヴィル - コッター医師
  • エンリケ・ザガ - ウィンストン・ムーア
  • ドリュー・ドロージー - ジョン・デュメ
  • アンドラ・ウルスータ - メアリー
  • アリエル・シュルマン - トム・ウェストン
  • アンドレス・ドゥプラット - ヘルナンデス医師
  • オマー・アポロ - チム・バーの男
  • デヴィッド・ロウリー - ジム・コクラン
  • リサンドロ・アロンソ - ミスター・コッター
  • ミカエル・ボレマンス - 医者
  • ロニア・アヴァ - ジョーン・ヴォルマー

製作

企画

ルカ・グァダニーノは、ウィリアム・S・バロウズの1985年の中編小説『Queer』を17歳の時に読んで以来、その映画化を長年望んでいた。2022年4月、『チャレンジャーズ』の撮影現場において、脚本家のジャスティン・クリツケスに同作の原作を渡し、プロデューサーのロレンツォ・ミエーリが原作の映像化権の所在を突き止め、著作権継承者であるジェームズ・グラウアーホルツとの連絡を経て、映画化の権利を取得した[4]

脚本は『チャレンジャーズ』の製作と並行して執筆が進められた。原作は未完であったため、クリツケスとグァダニーノは、バロウズ研究の第一人者であるオリヴァー・ハリスの協力を得ながら、著者の意図を尊重しつつ物語に適切な結末を与える手法を模索した[5]

グァダニーノは本作を「自身にとって最も個人的な映画」と位置づけており、『赤い靴』(1948年)などのマイケル・パウエルエメリック・プレスバーガーの作品へのオマージュであると語っている。また、本作に登場するセックスシーンは、「パウエルとプレスバーガーならきっと気に入ってくれるだろうとも述べている」[6]

撮影

撮影は2023年4月29日、イタリアのローマにて開始された。本作はチネチッタで撮影され、物語の最終章にあたるシーンはエクアドルキトでも追加撮影が行われた。撮影は同年6月29日に終了している。

衣装

衣装デザインは、ロエベのクリエイティブ・ディレクターであるジョナサン・アンダーソンが担当。彼にとっては、前作『チャレンジャーズ』に続くルカ・グァダニーノ作品への2度目の参加となった。

ポストプロダクション

ヴェネツィア国際映画祭に出品され、初期バージョンは185分から200分の長尺であったが、後に編集が加えられ、最終的な上映時間は137分に短縮された[7][8]

公開

2024年9月3日に第81回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門でワールドプレミア上映された[9][10]。2024年8月には、第62回ニューヨーク映画祭のスポットライト・ガラ部門における最初の上映作品として発表された[11]

アメリカでは2024年11月27日に限定劇場公開が行われ、同年12月13日にはアメリカおよびイギリスで全国公開された[12]。イタリアでは2025年2月13日にLucky Redによって劇場公開された[13]日本は2025年5月9日に公開される。

評価

2025年4月20日時点で、映画批評集積サイトのRotten Tomatoesでは、232件のレビューがあり、批評家支持率は72%、平均点は10点満点で 6.8点となっている。観客支持率は65%、平均点は5点満点で3.5点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「ウィリアム・S・バロウズの偏執を幻想的に抽出し、ときに散漫でありながらも生命力にあふれた本作は、ダニエル・クレイグのこれまでで最も輝かしい演技のひとつとなっている」とされている[14]。また、Metacriticにはら49件のレビューがあり、加重平均値は72/100となっている[15]

脚注

  1. ^ Queer (18)”. British Board of Film Classification (2024年11月20日). 2024年12月3日閲覧。
  2. ^ Queer”. British Film Institute. 2024年10月14日閲覧。
  3. ^ Queer (2024)”. Box Office Mojo. 2025年3月16日閲覧。
  4. ^ Jacobbi, Paola (2024年3月22日). Challengers è il nuovo film sul tennis di Luca Guadagnino: "I fischi ai miei film? La gente si offende troppo facilmente"” (イタリア語). la Repubblica. オリジナルの2024年3月29日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240329204814/https://www.repubblica.it/venerdi/2024/03/21/news/luca_guadagnino_challengers_zendaya-422352838/ 2024年3月26日閲覧。 
  5. ^ Vivarelli, Nick (2 September 2024). “Luca Guadagnino Unpacks Queer: How Burroughs' 'Universal' Love Story, Casting Daniel Craig and Lots of On-Screen Sex Resulted in a 'Very Revolutionary' Film”. Variety. オリジナルの3 September 2024時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240903131652/https://variety.com/2024/film/festivals/luca-guadagnino-queer-on-screen-sex-daniel-craig-venice-1236127658/ 2024年9月3日閲覧。. 
  6. ^ Cavaggioni, Alessandro (2024年6月22日). “Guadagnino: "Queer sarà il mio film più personale"” (イタリア語). Cinecittà News. オリジナルの2024年6月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240623030629/https://cinecittanews.it/guadagnino-queer-sara-il-mio-film-piu-personale/ 2024年9月1日閲覧。 
  7. ^ Ford, Rebecca (2024年8月15日). “Venice Film Festival's Artistic Director on the Boldest Films and Biggest Stars of This Year's Lineup”. Vanity Fair. 2024年9月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月16日閲覧。 “There were three versions of the film. The first one was more than three hours long. The second one was two and one half. The final version is two hours and 15 minutes.”
  8. ^ Gramatica, Lorenzo (2024年8月26日). “Una vita per il cinema. Intervista ad Alberto Barbera” [A Life for Cinema. Interview with Alberto Barbera] (イタリア語). Lucy. Sulla cultura. 2024年8月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月26日閲覧。
  9. ^ Vivarelli, Nick; Shafer, Ellise (23 July 2024). “Venice Film Festival Reveals Lineup (Updating Live)”. Variety. オリジナルの23 July 2024時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20240723094540/https://variety.com/2024/film/festivals/venice-film-festival-lineup-2024-1236079828/ 2024年7月23日閲覧。. 
  10. ^ Luca Guadagnino’s ‘‘Queer’’ Earns 11-Minute Ovation At Venice Film Festival”. Deadline Hollywood (2024年9月3日). 2024年9月10日閲覧。
  11. ^ ’‘Queer’’”. Toronto International Film Festival. 2024年8月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月25日閲覧。
  12. ^ D’Alessandro, Anthony (2024年9月24日). “A24 Sets Awards Season Release Dates For Luca Guadagnino’s ‘‘Queer’’ & Brady Corbet’s ‘‘The Brutalist’’”. Deadline Hollywood. 2024年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月24日閲覧。
  13. ^ Pagan, Beatrice (2024年10月25日). “Queer: un nuovo poster anticipa le scene di sesso del film” (イタリア語). Movieplayer.it. 2025年1月28日閲覧。
  14. ^ ’‘Queer’’”. Rotten Tomatoes. 2024年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月28日閲覧。
  15. ^ ’‘Queer’’”. Metacritic. 2024年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月2日閲覧。

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