斑点米
(カメムシ斑点米 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/10 16:08 UTC 版)
斑点米(はんてんまい)は、米粒に茶褐色の斑点が残った米である。米の等級を決める農産物検査の規定では着色粒の中に分類される。主な原因は、水田周辺の雑草地などから飛来した斑点米カメムシ類が、稲の穂が出た後、籾からデンプンを吸い、その痕にカビが発生するためである。カメムシ斑点米ともいう。カメムシの体内にいる細菌・糸状菌が吸汁の傷口から米に感染して繁殖し、斑点状に変色する。被害が重ければ死米・しいなとなるが、斑点米になるのはむしろ被害が軽いものである。カビ毒などの生成はなく、混入程度も0.1〜0.7%程度と極僅かなので食味には影響しない、健康上も問題ないが、見た目が悪いため商品価値が下がる。対策は、農家段階では広い範囲での農薬散布による。精米段階では色彩選別機を用いて除去する。 他にカメムシを原因としない"クサビ米"もあるが、発生の原因はイネシンガレセンチュウ説、アザミウマ説、高温障害説などがあるものの詳細は明らかになっていない。
- ^ 菊地ほか「東北地域における斑点米カメムシ類の発生と被害実態調査」103頁。
- ^ 高橋明彦「アカヒゲホソミドリカスミカメの基礎的生態ならびに生活誌に関する研究」2頁。
- ^ 農林水産省「玄米の検査規格」、2014年7月閲覧。
- ^ 農林水産省「検査用語の解説」、2012年10月閲覧。
- ^ a b 今野茂樹「コメの検査規格 消費者に有用な制度に」。
- ^ 農業・食品産業技術総合研究機構「夏季に北日本水田地帯で発生が見られる巣箱周辺でのミツバチへい死の原因について」。
- ^ 「米の検査規格の見直しを求める会」のサイト内「なぜ斑点米規定の見直しか」(2015年12月閲覧)。
- ^ 『日本原色カメムシ図鑑』第 1巻274頁。
- ^ 『日本原色カメムシ図鑑』第1巻270頁。
- 1 斑点米とは
- 2 斑点米の概要
- 3 斑点米カメムシの一覧
- 4 参考文献
- 斑点米のページへのリンク