エクセルギー
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エクセルギー (英: exergy) とは、『系が外界とのみ熱・仕事を交換しながら、外界と平衡するまで状態変化するとき、系から理論上取り出せる最大の仕事量』のことである。availability、available energy、有効エネルギー などとよばれることもある。
熱力学第二法則によると、熱を仕事に変換するには常にカルノー効率による制約が伴うので、熱に関連したエネルギーを扱うときには、そのうちの有効に仕事に変換できる部分とできない部分とを区別して扱うことが必要である。前者がエクセルギーとよばれる[1][2][3][4]。
熱力学第一法則(エネルギー保存則)は常に成り立つので、外界を含めた拡大系では、エネルギーの量は一定不変である。「省エネルギー」、「エネルギーを節約する」と言うときの「エネルギー」は、「エネルギーの価値」、「エネルギーの質」の意味であり、これがエクセルギーに対応していると考えられる。省エネルギーを念頭において機器の開発や改良を行う際には、エクセルギーを用いた評価法は極めて有力な手段となる。
歴史
「熱から最大いくらの仕事が取り出せるか」との問題に最初に答えようとしたのは、サディ・カルノー((N. L. Sadi Carnot))であり(1824)、その四半世紀後に、トムソン(W. Thomson, Baron Kelvin)、クラウジウス(R. J. E. Clausius)らが熱力学を確立する基礎となった。このカルノーの問題意識はエクセルギーに対する問いそのものであり、熱力学第二法則がその答えとなっている。
availability という用語は、1868年に初めてテイト(P. G. Tait) の書籍で「熱の仕事として利用できる度合い」の意味で用いられた。マクスウェル(J. C. Maxwell)やトムソンはこれを available energy とよんでいた。1873年にギブズ(J. W. Gibbs)が available energy の解析的表示を提示し、自由エネルギーの概念を発表した。1889年にグイ(Louis Georges Gouy)が ギブズと同様な表示式を提示し、1898年にストドラ(Aurel Stodola)がエントロピー発生とエクセルギー損失の関係(グイ・ストドラの定理)を発見した。アメリカでは、1930年代にキーナン(J. H. Keenan)が availability と命名して、熱力学的概念の確立と普及に大きく寄与した。
エクセルギー概念が普及するにつれ、日用語と区別できる名称の必要性が認識され、1956 年にユーゴスラビア(現スロヴェニア)の工学者 ゾラン・ラント(Zoran Rant) がエネルギー(en + ergon; 内への仕事)にならって、ラテン語由来の接頭辞 ex (外へ) とギリシア語 ergon (仕事) の合成語として、エクセルギー(exergy)の術語を提案した。現在ではほぼエクセルギーが一般的に使用されている[2][5]。
熱流のエクセルギー
熱は物体から他の物体へ移動するエネルギーのひとつの形態であり、物体の温度に密接に関連したエネルギーである。温度 T の物体からとりだした Q の熱から得られる仕事の最大値は、外界(温度 T0)との間でカルノーサイクルを動かしたとして、次式となる。
そこで、右図のように系と並行して動作し、系が放出する熱を受け取って仕事を取り出す補助熱機関を考える[注釈 2]。系自身が行う仕事 Wi を内部仕事とよび、補助熱機関が行う仕事を外部仕事とよぶ。系から取り出せる仕事は、内部仕事と外部仕事を合わせた有効仕事 Wg = Wi + We であると考えることができる[1][注釈 3]。ある状態の物質の持つエクセルギーは、外界と平衡するまで状態変化を行うときに取り出せる有効仕事の最大値である。
このような有効仕事に対して、次の定理が成立する[1]。
『与えられた二つの状態間で変化が行われる場合、変化が可逆の場合に有効仕事が最大(符号も含めた代数的意味で最大)となる。可逆であれば、有効仕事は変化の経路に依存せず、両端の状態のみにより定まる。』
(証明)
状態1から2へ至る二つの状態変化 R と I を考える。状態変化 R は外部に対して有効仕事 WgR を行い、外界へ -QR の熱を放出し,状態変化 I は外部に対して有効仕事 WgI を行い、外界へ -QI の熱を放出するとする。
状態変化 R が可逆変化であるとき、R の向きを逆にして、1から I に沿って2へ行き、R に沿って 1 へ戻るサイクルを考えると、有効仕事と熱の出入りは 右図 のようになる。

サイクル後は系および補助熱機関は元の状態に戻るので、熱力学第一法則(エネルギー保存則)より
実用的な多くの系は、物質の出入を伴う開いた系となる。開いた系の微小変化では、熱力学第一法則 dQ = dH + dWi より、内部仕事は、
一方、エクセルギーは、機器内で非可逆変化が生じれば、グイ=ストドラの定理にしたがって必ず減少する。出入りする物質、熱、仕事のエクセルギー差を求めれば、それがこの機器におけるエクセルギーの損失 LW である。
ある機器のエクセルギーの流れは右図のようになる。エクセルギー評価は熱力学第二法則に基づく評価ということもできる。

各機器のエクセルギー評価を行うには、以下のような手順に沿えばよい。
- 外界と平衡する状態を選定する。これには、次節を参考にできる。
- 系(機器)に流入する物質、熱、仕事を列挙し、流入エネルギー(エンタルピー)を求める。物質のエンタルピーの原点は通常は便宜的(例えば三重点の水等)に定められているので、外界と平衡する状態のエンタルピーとの差を用いるのがよい。
- 系から流出するエネルギー(エンタルピー)についても同様に行う。
- 両者の差を求めて、未知のエネルギー損失(放熱、漏洩等)を推定する。
- 推定した放熱、漏洩等も含めて、流入・流出エネルギーをエクセルギーに換算する。
- 流入エクセルギーと流出エクセルギーの差を求めて、機器内のエクセルギー損失を推定する。
エンタルピーを用いたエネルギー収支では、その機器内でどれだけの(エクセルギーの)損失があったかは分からない。この種の損失は、熱と動力の変換を伴う設備(熱機関、冷凍機、各種化学プラント等)で、設備を構成する全機器のエネルギー収支を集計した結果、外界へ放出する熱量の増加となって現れる。しかし、どの機器の何を改善すれば損失が減るかは、勘と経験をもとにして試行錯誤を行わなければ知ることができない。
これに対して、エクセルギーを用いた評価では、それぞれの機器ごとに原因別に損失の内訳が明らかになるので、これを用いて見通しよく改善策を立案することができる。ここにエクセルギー評価の最大のメリットがある。
外界との平衡状態の選び方
エクセルギーを求めるには基準状態となる「外界と平衡する状態」を確定する必要がある。熱力学で平衡という場合、通常、(1)熱的平衡、(2)力学的平衡、(3)化学的平衡の 3 者を満たすことを意味している。しかし、このうち、関与するプロセスによってはいくつかの条件を満たさなくてもよい場合があり、また、実用上考慮しなくてよい場合もある。以下に実用上妥当な外界条件の決め方を例示する[1][2]。
- (A) [熱的平衡] 温度が外界温度に一致する。 復水式蒸気タービン設備や空調機の室外機などのように、系と外界とが伝熱管等を介して間接的に(熱的にのみ)接触する場合、圧力は外界と同じになる必要はなく、また化学的な平衡も必要ない。
- (B) [熱的平衡+力学的平衡] 温度および圧力が外界に一致する。内燃機関、ガスタービン、ボイラなどの燃焼排ガスは外気と直接接触混合するので、温度に加えて圧力も外界と一致する必要がある。
- (C) [熱的平衡+力学的平衡+化学的平衡] 温度、圧力が外界に一致することに加えて、拡散・反応によって外界を構成する物質と化学的にも平衡する。前記の燃焼排ガスが外界(大気)と平衡するのは、厳密には排ガス成分の拡散や何らかの化学反応を経た後となるが、現実には、拡散過程やこれらの化学反応から有用な仕事を得る手段がないため、化学的平衡を無視しても問題ない。実用上、このタイプの平衡を考えなければならない場合は多くないと思われる。
エクセルギー評価の具体例
対象設備
右図のようなボイラとタービンを用いた自家発電(熱電併給)設備を例に、エクセルギー評価の方法について解説する(書籍[1]を参考にしているが、大幅に変更簡略化している)。

ボイラで燃料を燃やして過熱蒸気を発生する。燃焼プロセスと熱交換プロセスを検討するために、ボイラを燃焼器と熱交換器に分けて扱う[注釈 1]。ボイラで発生した過熱蒸気は長い管路を通って、蒸気タービンへ導かれる。タービンでは動力を取り出して発電すると共に、タービン途中から一部の蒸気を抽気し、またタービン背気(約 5 気圧)を用いて、工場内の種々の加熱用熱源として利用する(熱電併給、コジェネレーション)。
また、比較のために、外界温度の復水器を用いて全て動力として取り出す場合(発電のみ)も並行して計算し、検討の材料とする。
このような自家発電設備は、実際はかなり複雑な構成となるが、ここではエクセルギー評価の概要と利点を紹介することを目的としているので,空気予熱器や脱気器などの副次的な機器はないものとし、できる限り簡略化した構成とする。対象とした設備の各部における蒸気等の条件[9]を下表に示す。タービン出口の条件は、タービン内部効率が 80 % となるように定めた。
項目 | 圧力(MPa) | 温度(℃) | 流量(燃料 1 kg あたり) | 備考 |
---|---|---|---|---|
燃料 | 20 | 1 kg/s | Hh = 44200 kJ/kg、 Hl = 41400 kJ/kg | |
空気 | 0.1013 | 20 | 12.2 Nm3/s | 理論空気量=10.89 Nm3/s、空気比=1.12、 cp = 1.30 kJ/(Nm3 K) |
燃 焼 器 ( ボ イ ラ ) | ||||
燃焼ガス | 0.1013 | 2560 | 12.2 Nm3/s | cp = 1.30 kJ/(Nm3 K) |
サブクール水 | 9.0 | 150 | 11.5 kg/s | h = 637.5 kJ/kg, s =1.8323 kJ/(kg K) |
熱交換器(ボイラ) | ||||
燃焼ガス | 0.1013 | 375 | 12.2 Nm3/s | cp = 1.30 kJ/(Nm3 K) |
過熱蒸気 | 9.0 | 550 | 11.5 kg/s | h = 3510 kJ/kg, s = 6.814 kJ/(kg K) |
配管抵抗 | ||||
過熱蒸気 | 8.0 | 530 | 11.5 kg/s | h = 3472 kJ/kg, s = 6.819 kJ/(kg K) |
タ ー ビ ン | ||||
抽気 | 1.8 | 337.5 | 1.02 kg/s | h = 3115 kJ/kg、 s = 6.968 kJ/(kg K) |
背気 | 0.51 | 219 | 10.48 kg/s | h = 2895 kJ/kg、 s = 7.134 kJ/(kg K) |
(排気) | 0.002337 | 20 | 11.5 kg/s | h = 2291 kJ/kg、 s = 7.825 kJ/(kg K)、 かわき度 x = 0.899 |
また、用いた外界条件を下表に示す。
物質 | 温度・圧力等 | 備考 |
---|---|---|
燃料 | 20 ℃、760 mmHg | |
空気 | 20 ℃、760 mmHg | cp = 1.30 kJ(Nm3 K)} |
燃焼ガス | 20 ℃、760 mmHg | (空気で近似)、cp = 1.30 kJ(Nm3 K) |
水・蒸気 | 20 ℃(17.53 mmHg)、飽和水 | h0 = 83.9 kJ/kg 、s0 = 0.2963 kJ/(kg K) |
燃焼プロセス(ボイラ)

右図に示すように、C 重油を燃料とする燃焼器(ボイラ)で、燃料の化学的エネルギーを熱エネルギーに変換するプロセスを取り上げる。燃料の C 重油の高位発熱量は Hh = 44200 kJ/kg, 低位発熱量は Hl = 41400 kJ/kg であり、燃料 1 kg/s あたり、20℃ の燃焼用空気(比熱 1.30 kJ/(N m3 K) ) を12.2 N m3/s 供給して燃焼させ、2560 ℃ の燃焼ガス 12.2 N m3/s が発生したとする。燃焼ガスの比熱も空気と同じく 1.30 kJ/(N m3 K) として扱う。
エンタルピー収支
流入エンタルピーは、燃料の化学的エネルギー(低位発熱量) 1×41400=41400 kJ/s と、空気のエンタルピー 12.2×1.30×(293.15 - 293.15) = 0 kJ/s を合わせて、41400 kJ/s である。
流出エンタルピーは、燃焼ガスのエンタルピー 12.2×1.30×(2560-20)=40284 kJ/s であり、差 41400 - 40284 = 1116 kJ/s が、放熱によるエネルギー損失となる(放熱自身は測定困難であるので、エンタルピー収支から推定することになる)。
エンタルピー収支の結果を下表のエンタルピー欄に示す。
区分 | 項目 | エンタルピー | エクセルギー | ||
---|---|---|---|---|---|
kJ/s | % | kJ/s | % | ||
流入 | 燃料 | 41400 | 100 | 43095 | 100 |
空気 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
〆 | 41400 | 100 | 43095 | 100 | |
流出 | 空気(燃焼ガス) | 40284 | 97.3 | 29738 | 69.0 |
放熱 | 1116 | 2.7 | 823 | 1.9 | |
LW | --- | --- | 12534 | 29.1 | |
〆 | 41400 | 100 | 43095 | 100 |
エクセルギー収支
ラントの近似式(表 1 )を用いて、燃料のエクセルギーは e = 0.975 × 44290 = 43095 kJ/kg となる。流入エクセルギーは、燃料の 1 × 43095 = 43095 kJ/s だけである。
燃焼ガスが持ち出すエクセルギーは、式 (7) より
エンタルピー収支
流入するエンタルピーは、燃焼ガスのエンタルピー 12.2 × 1.30 × (2560 - 20) = 40284 kJ/s と水のエンタルピー 11.5 × (637.5 - 83.9) = 6366 kJ/s の 計 46651 kJ/s である。
流出するエンタルピーは、燃焼ガスのエンタルピー 12.2 × 1.30 × (375 - 20) = 5630 kJ/s と蒸気のエンタルピー 11.5 × (3510 - 83.9) = 39401 kJ/s の計 45031 kJ/s である。残りの 1620 kJ/s が周囲への放熱となっている。
エンタルピー収支の結果を下表のエンタルピー欄に示す。
区分 | 項目 | エンタルピー | エクセルギー | ||
---|---|---|---|---|---|
kJ/s | % | kJ/s | % | ||
流入 | 燃焼ガス | 40284 | 86.4 | 29738 | 96.2 |
水 | 6366 | 13.6 | 1189 | 3.8 | |
〆 | 46651 | 100 | 30926 | 100 | |
流出 | 燃焼ガス | 5630 | 12.1 | 1941 | 6.3 |
蒸気 | 39401 | 84.5 | 17428 | 56.4 | |
放熱 | 1620 | 3.5 | 1299 | 4.2 | |
LW | --- | --- | 10258 | 33.2 | |
〆 | 46651 | 100 | 30926 | 100 |
エクセルギー収支
流入エクセルギーは、燃焼ガスのエクセルギー 12.2×1.30×{2560 - 20 - 293.15×ln[(273.15+2560)/293.15]} = 29738 kJ/s と水のエクセルギー 11.5×[637.5 - 83.9 - 293.15×(1.8323 - 0.2963)] = 1189 kJ/s の計 30926 kJ/s である。
流出エクセルギーは、燃焼ガスのエクセルギー 12.2×1.30×{375 - 20 - 293.15 × ln[(273.15+375)/293.15]} = 1941 kJ/s と蒸気のエクセルギー 11.5×[3510 - 83.9 - 293.15×(6.814 - 0.2963)] = 17428 kJ/s となる。放熱量 1620 kJ/s の持っていたエクセルギーは、放熱温度を2560 ℃ と 375 ℃ の対数平均値
エンタルピー収支
流入蒸気のエンタルピーは 11.5×(3510 - 83.9) = 39401 kJ/s 、流出蒸気のエンタルピーは 11.5×(3472 - 83.9) = 38964 kJ/s である。両者の差 437 kJ/s が放熱によるエンタルピー損失である。
エンタルピー収支の結果を下表のエンタルピー欄に示す。
区分 | 項目 | エンタルピー | エクセルギー | ||
---|---|---|---|---|---|
kJ/s | % | kJ/s | % | ||
流入 | 蒸気 | 39401 | 100 | 17428 | 100 |
〆 | 39401 | 100 | 17428 | 100 | |
流出 | 蒸気 | 38964 | 98.9 | 16974 | 97.4 |
放熱 | 437 | 1.1 | 279 | 1.6 | |
LW | --- | --- | 174 | 1.0 | |
〆 | 39401 | 100 | 17428 | 100 |
エクセルギー収支
流入蒸気のエクセルギーは 11.5×[3510 - 83.9 - 293.15×(6.814 - 0.2963)] = 17428 kJ/s 、流出蒸気のエクセルギーは 11.5×[3472 - 83.9 - 293.15×(6.819 - 0.2963)] = 16974 kJ/s である。放熱量 437 kJ/s の持っていたエクセルギーは、放熱温度を 550 ℃ と 530 ℃ の平均 540 ℃ として 437×[ 1 - 293.15/(273.15+540) ] = 279 kJ/s となる。したがって、残りの 17428-16974-279 = 174 kJ/s が LW となる。
評価
管路抵抗による圧力損失は等エンタルピー変化であり、エンタルピー収支では損失として出てこない。エクセルギーで評価してはじめて損失として算出することができる。ただし、この例の 1 MPa の圧力損失は大きめの値であるが、これでも 1 % 程度であり、予想に反して大きくはない。
動力発生プロセス(熱電併給)
右図に示すように、背圧タービンでの動力発生プロセスを取り上げる。

圧力 8.0 MPa 温度 530 ℃ の過熱蒸気を燃料 1kg 換算で 11.5 kg/s をタービンに導き、途中の 1.8 MPa の位置で 換算 1.02 kg/s 取り出し(抽気)、残り 10.48 kg/s をタービン出口の 0.51 MPa まで膨張させる(背気)。タービンからは発電機を介して電力を取り出すと共に、抽気と背気を工場内の種々の加熱用熱源として活用する。タービン内部効率は 80 % としている。
エンタルピー収支
流入エンタルピーは、蒸気の 11.5×(3471.6 - 83.9) = 38959 kJ/s である。流出エネルギーは、電力の 6254 kJ/s、漏洩蒸気の 0.04×(3471.6 - 83.9) = 136 kJ/s、抽気の 1.02×(3115.1 - 83.9) = 3092 kJ/s、背気の 10.44×(2895.4 - 83.9) = 29352 kJ/s であり、残りの 38959 - 6254 - 3092 - 29352 - 136 = 125 kJ/s が放熱ということになる。漏洩蒸気は、安全側に見て入口状態の値を用いた。
エンタルピー収支の結果を下表のエンタルピー欄に示す。
区分 | 項目 | エンタルピー | エクセルギー | ||
---|---|---|---|---|---|
kJ/s | % | kJ/s | % | ||
流入 | 蒸気 | 38959 | 100 | 16971 | 100 |
〆 | 38959 | 100 | 16971 | 100 | |
流出 | 電力 | 6254 | 16.1 | 6254 | 36.9 |
抽気 | 3092 | 7.9 | 1097 | 6.5 | |
背気 | 29352 | 75.3 | 8427 | 49.7 | |
漏洩蒸気 | 136 | 0.3 | 59 | 0.3 | |
放熱 | 125 | 0.3 | 67 | 0.4 | |
LW | --- | --- | 1067 | 6.3 | |
〆 | 38959 | 100 | 16971 | 100 |
エクセルギー収支
流入エクセルギーは、蒸気の 11.5×[3471.6 - 83.9 - 293.15×(6.8186 - 0.2963)] = 16971 kJ/s である。流出エクセルギーは、電力の 6254 kJ/s、漏洩蒸気の 0.04×(3471.6 - 83.9 - 293.15×(6.8186 - 0.2963)]) = 59 kJ/s 、抽気の 1.02×(3115.1 - 83.9 - 293.15×(6.9684 - 0.2963)]) = 1097 kJ/s、背気の 10.44×(2895.4 - 83.9 - 293.15×(7.1337 - 0.2963)]) = 8427 kJ/s である。
放熱量のエクセルギーは、放熱温度を 530 ℃ と 219 ℃ の対数平均値
タービンのエンタルピー収支(発電のみ)
流出エネルギーのうち、電力は 13360 kJ/s となり、排気エンタルピーは 11.46 × (2291 - 83.9) = 25294 kJ/s、放熱が 170 kJ/s となる。排気は20 ℃、89.9 % の湿り蒸気となっている。
区分 | 項目 | エンタルピー | エクセルギー | ||
---|---|---|---|---|---|
kJ/s | % | kJ/s | % | ||
流入 | 蒸気 | 38959 | 100 | 16971 | 100 |
〆 | 38959 | 100 | 16971 | 100 | |
流出 | 電力 | 13360 | 34.3 | 13360 | 78.7 |
排気 | 25294 | 64.9 | 0 | 0.0 | |
漏洩蒸気 | 135 | 0.3 | 59 | 0.3 | |
放熱 | 170 | 0.4 | 72 | 0.4 | |
LW | --- | --- | 3480 | 20.5 | |
〆 | 38959 | 100 | 16971 | 100 |
タービンのエクセルギー収支(発電のみ)
流出エクセルギーは、電力の 13360 kJ/s、排気の 11.46 × [(2291 - 83.9 - 293.15 ×(7.8252 - 0.2963)]) = 0 kJ/s である。放熱量のエクセルギーは、放熱温度を 530 ℃ と 20 ℃ の対数平均値
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