ウルディンとは? わかりやすく解説

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ウルディン

名前 Urdin

ウルディン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 06:43 UTC 版)

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ウルディンUldin, ? - 412年?[1])は、東ローマ皇帝アルカディウス394年408年)とテオドシウス2世408年450年)の治世期にドナウ川以遠に居住していたフン族の族長の一人である。

生涯

ウルディンは個人名が知られる歴史上初めてのフン族である[2]400年12月にウルディンはローマに反逆したゴート族のガイナスを斬首して、その首をコンスタンティノープルのアルカディウス帝へ送り、見返りに莫大な贈物を受け取った[3]

406年ラダガイススen)の蛮族集団がイタリアへ侵入した際にウルディンはフン族の一団と同盟部族のスキール族(en)を率いて西ローマ帝国マギステル・ミリトゥム(軍事司令官)スティリコに雇用されている。スティリコは蛮族集団を撃滅し、ウルディンは捕虜たちを売り払った[4]

408年、ウルディンはモエシアへ侵攻してカストラ・マルティス要塞を占領した。それから、ウルディンはトラキアへ侵入した。東ローマ帝国は和平交渉を行ったが、ウルディンは「私が望めば、太陽が照らす場所はどこでも征服できる」と言い、莫大な貢納金を要求した[5][6]。このため、東ローマ帝国はウルディンの部下たちを買収した。多数の兵士が逃亡してしまい、翌409年初頭にウルディンは東ローマ帝国軍に撃退され、多くの兵を失って撤退を余儀なくされた。この後、ウルディンは史料上から姿を消している[7][8]

ウルディンの立場についてはアッティラへと継承されるフン族全体の王とする見方もあったが[9][10]、近年では彼は複数いた軍事指導者の一人であったと考えられている[11][12]

脚注

  1. ^ 「図説 蛮族の歴史」p46
  2. ^ 「フン族―謎の古代帝国の興亡史」p34、p63。これ以前の4世紀にゴート族を征服したバランベル(en)などのフン族の指導者の実在は疑われている。
  3. ^ 「フン族―謎の古代帝国の興亡史」p38
  4. ^ 「フン族―謎の古代帝国の興亡史」p38-39
  5. ^ 「フン族―謎の古代帝国の興亡史」p34-35
  6. ^ 「図説 蛮族の歴史」p47
  7. ^ 「フン族―謎の古代帝国の興亡史」p64
  8. ^ 「図説 蛮族の歴史」p49
  9. ^ 「フン族―謎の古代帝国の興亡史」p64-65
  10. ^ 「アッチラ王とフン族の秘密―古代社会の終焉」p41-42
  11. ^ 「フン族―謎の古代帝国の興亡史」p66
  12. ^ 「アッチラとフン族」p55-57

参考文献

  • Bunson, Matthew. "Uldin." Encyclopedia of the Roman Empire. New York: Facts On File, Inc., 1994. Facts On File, Inc. Ancient History & Culture. [1]
  • Otto J. Maenchen-Helfen, “The World of the Huns: Studies in Their History and Culture”, Univ. of California Press, 1973
  • 「アッチラとフン族」(ルイ・アンビス著、安斎和雄訳、白水社、1973年)ISBN 978-4560055366
  • 「アッチラ王とフン族の秘密―古代社会の終焉」(ヘルマン・シュライバー著、金森誠也翻訳、佑学社、1977年)
  • 「フン族―謎の古代帝国の興亡史」(E・A・トンプソン著、木村伸義訳、法政大学出版局、1999年)ISBN 978-4588371080
  • 「図説 蛮族の歴史 ~世界史を変えた侵略者たち」(トマス・クローウェル著、 蔵持不三也訳、原書房、2009年)ISBN 978-4562042975

ウルディン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 08:36 UTC 版)

カンピオーネ!」の記事における「ウルディン」の解説

5世紀古代ヨーロッパ神殺しガリア中心にゲルマニアサルマティアにも拠点を持つフン族族長。その権能から『テュールの剣(つるぎ)』の二つ名呼ばれアルティオからは「騎馬の民と竜をひきいし大王」と評されている。

※この「ウルディン」の解説は、「カンピオーネ!」の解説の一部です。
「ウルディン」を含む「カンピオーネ!」の記事については、「カンピオーネ!」の概要を参照ください。

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