ウォーレン・ウィアとは? わかりやすく解説

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ウォーレン・ウィア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/30 06:17 UTC 版)

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ウォーレン・ウィア
選手情報
フルネーム ウォーレン・アントニオ・ウィア
ラテン文字 Warren Weir
国籍 ジャマイカ
競技 陸上競技短距離走
種目 100m, 200m
所属 レーサーズトラッククラブ (en
生年月日 (1989-10-21) 1989年10月21日(29歳)
出身地 トレローニー教区
身長 178cm
体重 75kg
コーチ担当者 グレン・ミルズ (en
成績
オリンピック 200m:3位(2012年
世界選手権 200m:2位(2013年
4x100mR:予選1組2着(2013年)
地域大会決勝 英連邦競技大会
200m:2位(2014年
4x100mR:3位(2018年
最高世界ランク 200m:2位(2013年, 2014年
自己ベスト
100m 10秒02(2013年)
200m 19秒79(2013年)
400m 46秒23(2013年)
110mハードル 13秒45(2008年)
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ウォーレン・アントニオ・ウィアWarren Antonio Weir[1]1989年10月21日 ‐ )は、ジャマイカトレローニー教区出身の陸上競技選手。専門は短距離走200mの自己ベストはジャマイカ歴代3位の19秒79。2012年ロンドンオリンピック男子200mの銅メダリスト。男子4×200mリレー世界記録保持者。

200mを専門とし、2012年ロンドンオリンピックで銅メダル、2013年モスクワ世界選手権で銀メダルを獲得。2013年ダイヤモンドリーグではツアーチャンピオンに輝いている。リレー種目では、2014年世界リレーの4×200mで世界記録を樹立。2013年モスクワ世界選手権の4×100mリレーでは金メダルを獲得しているが、この時は予選だけの出場に終わっている。

経歴

2010年まで

陸上競技は小学生の時に始め、小学生の全国大会も経験[1]。100mと200mと110mハードルに取り組み、カラバー高校 (en時代にはチャンプス (en(ジャマイカの高校選手権)のスプリントハードルとリレー種目で優勝や準優勝するなど活躍した[2][3]。また、ユース(17歳未満)やジュニア(20歳未満)時代には年代別のジャマイカ代表に選出され、2008年には (enの男子4×100mリレーで金メダル、男子110mハードル(高さ99.0cm)で銀メダルを獲得。世界ジュニア選手権の男子110mハードル(高さ99.0cm)ではセミファイナリストになるなど、国際大会でも活躍した。高校卒業後の2009年にはプロ選手となり、レーサーズトラッククラブ (enに加入した[4]

2011年

110mハードルを専門としていたが、膝に問題を抱えていたことと、コーチのグレン・ミルズ (enがハードルよりもスプリントの才能があると感じていたこともあり、短距離(200m)に転向した[2]。すると、6月のジャマイカ選手権男子200mで6位、ダイヤモンドリーグ初出場となった8月6日のダイヤモンドリーグロンドングランプリ男子200mは20秒43(-2.0)で2位に入り、高校時代は20秒88だった200mの自己ベストを20秒43まで縮めた[4]

2012年

6月30日のジャマイカ選手権男子200m準決勝で自身初の19秒台となる19秒99(+1.7)をマークすると、翌日の決勝では準決勝に迫るタイムの20秒03(-0.5)をマークし、同じレーサーズトラッククラブに所属するヨハン・ブレーク(19秒80)とウサイン・ボルト(19秒83)に次ぐ3位に入った[5][6]。8月のロンドンオリンピックはシニアの世界大会初出場ながらファイナリストになると、9日の男子200m決勝でジャマイカ歴代3位(当時)の記録となる19秒84(+0.4)をマークし、ジャマイカ選手権でマークした自己ベストを0秒15更新。ウサイン・ボルト(19秒32)、ヨハン・ブレーク(19秒44)に次ぐ3位に入り銅メダルを獲得し、表彰台をジャマイカおよびレーサーズトラッククラブ所属のメンバーで独占した[7]

2013年

6月23日のジャマイカ選手権男子200m決勝でジャマイカ歴代3位の記録となる19秒79(+0.9)をマークし、2位のニッケル・アシュミードに0秒27差をつけて初優勝を果たした[8]。初出場となった8月のモスクワ世界選手権では男子200mと男子4×100mリレーに出場すると、男子200mは17日の決勝で自己ベストタイの19秒79(0.0)をマークし、ウサイン・ボルト(19秒66)に次ぐ2位に入り銀メダルを獲得[9]。翌日の男子4×100mリレー予選ではジャマイカチーム(ネスタ・カーターケマー・ベイリー=コール、ウィア、オシェイン・ベイリー)の3走を務め、38秒17(全体4位)で決勝進出に貢献したが、決勝での出番はなかった[10]。決勝のジャマイカは37秒36で優勝し、予選を走ったウィアも金メダルを手にした。年間を通して行われたダイヤモンドリーグでは男子200mのポイント対象レースで3回の優勝を果たし、男子200mのツアーチャンピオンに輝いた[11]

2014年

5月24日の世界リレー男子4×200m決勝でジャマイカチーム(ニッケル・アシュミード、ウィア、ジャーメイン・ブラウン、ヨハン・ブレーク)の2走を務めると、1分18秒63の世界記録樹立に貢献。1994年にサンタモニカトラッククラブ (enマイク・マーシュリロイ・バレルフロイド・ハードカール・ルイス)が樹立した世界記録を0秒05更新して優勝した[12]。6月は14日のダイヤモンドリーグ・アディダスグランプリ男子200mで自己ベストに0秒03差と迫る今季世界最高記録(当時)の19秒82(-0.2)をマークして優勝したが[13]、29日のジャマイカ選手権男子200m決勝では20秒17(+0.5)の2位に終わり、ラシード・ドワイヤーに0秒13差で敗れ2連覇を逃した[14]。7月31日の英連邦競技大会(コモンウェルスゲームズ)男子200m決勝でも最後の直線でラシード・ドワイヤーとの一騎討ちとなったが、ゴール直前に負傷して減速。少し前を走るラシード・ドワイヤー(20秒14)をとらえることはできず、20秒26(+0.5)の2位で銀メダルに終わった[15]

2015年

5月3日の世界リレー男子4×200m決勝でジャマイカチーム(ニッケル・アシュミード、ラシード・ドワイヤー、ジェイソン・リバーモア、ウィア)のアンカーを務め、1分20秒97で2連覇に貢献した[16]。8月の北京世界選手権男子200mだけに出場すると、25日の予選をシーズンベストとなる20秒24(-0.1)で突破したが、翌日の準決勝は20秒43(+0.4)とタイムを落として敗退した[17]。今シーズンは怪我に悩まされ[18]、2012年から毎年19秒台をマークしていたシーズンベストも20秒24にとどまった。

2016年

7月3日のジャマイカ選手権男子200m決勝で20秒50(-1.5)の4位に終わり、リオデジャネイロオリンピックジャマイカ代表の座を逃した[19]

2017年

3大会連続の出場となった4月23日の世界リレー男子4×200m予選でジャマイカチームのアンカーを務めると、1分22秒01の組2着で決勝進出に貢献した(予選のみ出場)[20]。6月25日のジャマイカ選手権男子200m決勝では20秒39(+1.0)で3位に入り、ロンドン世界選手権ジャマイカ代表の座を掴んだ[21]。しかし、3大会連続の出場となった8月7日のロンドン世界選手権男子200m予選では20秒60(-0.6)の組4着に終わり、着順で準決勝に進出できる組3着にわずか0秒01、全体のタイムで拾われるには0秒06届かなかった[22]。レース後に自身のInstagramで引退することを発表したが[23]、最終的に現役を続けている[24]

人物

自己ベスト

記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風、-は向かい風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 10秒02 (+1.5) 2013年6月8日 キングストン
200m 19秒79 (0.0) 2013年8月17日 モスクワ ジャマイカ歴代3位
19秒79 (+0.9) 2013年6月23日 キングストン
400m 46秒23 2013年2月9日 キングストン
110mH 13秒45 (0.0) 2008年6月8日 ニューヨーク

主要大会成績

備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2005 カリフタゲームズ (en (U17) バコレット 100mH 4位 13秒67 (+1.0)
2007 パンアメリカンジュニア選手権
 (en
サンパウロ 110mH 決勝 DNF
4x100mR 決勝 DNF (3走)
2008 カリフタゲームズ (en (U20) バセテール 110mH 2位 14秒13 (-0.5)
4x100mR 優勝 39秒80 (1走)
世界ジュニア選手権 ブィドゴシュチュ 110mH 準決勝 15秒54 (-0.9)
2012 オリンピック ロンドン 200m 3位 19秒84 (+0.4) 自己ベスト
2013 世界選手権 モスクワ 200m 2位 19秒79 (0.0) 自己ベスト
4x100mR 予選 38秒17 (3走) 決勝進出[注 1]
2014 世界リレー (en ナッソー 4x200mR 優勝 1分18秒63 (2走) 世界記録
英連邦競技大会 (en グラスゴー 200m 2位 20秒26 (+0.5)
2015 世界リレー (en ナッソー 4x200mR 優勝 1分20秒97 (4走)
世界選手権 北京 200m 準決勝 20秒43 (+0.4)
2017 世界リレー (en ナッソー 4x200mR 予選 1分22秒01 (4走) 決勝進出[注 2]
世界選手権 ロンドン 200m 予選 20秒60 (-0.6)
2018 英連邦競技大会 (en ゴールドコースト 200m 7位 20秒71 (+0.9)
4x100mR 3位 38秒35 (3走)

ダイヤモンドリーグ

ダイヤモンドリーグの総合成績を記載。獲得ポイント欄の( )内は出場したポイント対象レースの数を意味する。

種目 総合順位 獲得ポイント
2012 200m 6位 1 (1レース)
2013 200m 優勝 18 (4レース)

優勝したダイヤモンドリーグの大会を記載(個人種目のみ)。金色の背景はポイント対象レースを意味する。

大会 場所 種目 記録 備考
2013 上海ゴールデングランプリ 上海 200m 20秒18 (0.0)
アディダスグランプリ ニューヨーク 200m 20秒11 (+0.9)
ロンドンアニバーサリーゲームズ ロンドン 200m 19秒89 (+0.2)
メモリアルヴァンダム ブリュッセル 200m 19秒87 (-0.2)
2014 アディダスグランプリ ニューヨーク 200m 19秒82 (-0.2)

脚注

注釈

  1. ^ 予選のみ出場。決勝のジャマイカは37秒36で優勝。
  2. ^ 予選のみ出場。決勝のジャマイカは1分21秒09で銅メダル獲得。

出典

  1. ^ a b c d Weir packs power in a little engine”. Jamaica Gleaner (2013年3月31日). 2016年8月7日閲覧。
  2. ^ a b London on Weir's agenda for 2012”. The Jamaica Star (2011年12月30日). 2016年8月7日閲覧。
  3. ^ ‘Weir’ there’s a will...”. Jamaica Observer (2016年6月3日). 2016年8月6日閲覧。
  4. ^ a b Weir living Olympic dream”. Jamaica Gleaner (2012年7月4日). 2016年8月8日閲覧。
  5. ^ Stage set for Blake-Bolt 200m showdown - Jamaican Olympic Trials, Day 3”. 国際陸上競技連盟 (2012年7月1日). 2016年8月6日閲覧。
  6. ^ More upsets in Kingston - Blake defeats Bolt at 200m, Fraser-Pryce a double winner - Jamaican Olympic Trials, Day 4”. 国際陸上競技連盟 (2012年7月2日). 2016年8月6日閲覧。
  7. ^ Easy as 1-2-3 - Bolt leads Jamaican domination of Olympic 200m”. Jamaica Observer (2012年8月10日). 2016年8月6日閲覧。
  8. ^ Fraser-Pryce world-leading 22.13, Weir 19.79 on final day of the Jamaican Champs”. 国際陸上競技連盟 (2013年6月24日). 2016年8月6日閲覧。
  9. ^ Report: Men’s 200m final – Moscow 2013”. 国際陸上競技連盟 (2013年8月17日). 2016年8月6日閲覧。
  10. ^ 2013年世界選手権男子4×100mリレー予選リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2013年8月). 2016年8月6日閲覧。
  11. ^ 2013 IAAF Diamond League review – part 2”. 国際陸上競技連盟 (2014年1月8日). 2016年8月8日閲覧。
  12. ^ Report: Men's 4x200m – Nassau 2014 WORLD RECORD”. 国際陸上競技連盟 (2014年5月25日). 2016年8月6日閲覧。
  13. ^ Stahl, Murer and Weir get world leads in New York – IAAF Diamond League”. 国際陸上競技連盟 (2014年6月14日). 2016年8月7日閲覧。
  14. ^ Dwyer upstages Weir to claim 200 crown”. Jamaica Gleaner (2014年6月30日). 2016年8月7日閲覧。
  15. ^ Glasgow 2014: David Weir Wins Para-Sport 1500m Commonwealth Games Gold”. International Business Times UK (2014年7月31日). 2016年8月7日閲覧。
  16. ^ Men's 4x200m – IAAF/BTC World Relays, Bahamas 2015”. 国際陸上競技連盟 (2015年5月4日). 2016年8月6日閲覧。
  17. ^ 2015年世界選手権男子200m準決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2015年8月). 2016年8月6日閲覧。
  18. ^ Weir excited at progress”. Jamaica Gleaner (2016年4月19日). 2016年8月9日閲覧。
  19. ^ #JaSeniorTrials: Blake makes amazing comeback, wins 200m; Facey tops females”. Jamaica Gleaner (2016年7月3日). 2016年8月6日閲覧。
  20. ^ 2017年世界リレー男子4×200m予選リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年4月23日). 2017年4月24日閲覧。
  21. ^ 2017年ジャマイカ選手権リザルト”. ジャマイカ陸上競技連盟 (2017年6月27日). 2017年6月27日閲覧。
  22. ^ 2017年世界選手権男子200m予選サマリー”. 国際陸上競技連盟 (2017年8月15日). 2017年8月15日閲覧。
  23. ^ #ReturnToLondon: Jamaican Warren Weir retiring from athletics”. Jamaica Gleaner (2017年8月7日). 2017年9月17日閲覧。
  24. ^ Weir explains change of heart about retirement”. RJR News (2018年3月9日). 2018年3月27日閲覧。
  25. ^ Meet Warren Weir – A High Flyer On and Off the Track”. adidas GamePlan A (2017年1月4日). 2017年8月15日閲覧。

外部リンク

記録
先代:
(1分18秒68)
サンタモニカトラッククラブ
マイク・マーシュ
リロイ・バレル
フロイド・ハード
カール・ルイス
1994年4月17日
男子4×200mリレー
世界記録保持者
(1分18秒63)
ジャマイカ代表

ニッケル・アシュミード
ウォーレン・ウィア
ジャーメイン・ブラウン
ヨハン・ブレーク

2014年5月24日 -
次代:
未定
タイトル
前年
ニッケル・アシュミード
ダイヤモンドリーグ
男子200mツアーチャンピオン

2013年
次年:
アロンソ・エドワード



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