ウイネンとは? わかりやすく解説

ウイネン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/11 16:54 UTC 版)

海の妃ウイネンUinen the Lady of the Seas)は、J・R・R・トールキン中つ国を舞台とした小説、『シルマリルの物語』の登場人物。マイアールのひとり。

水の王ウルモの臣下で、中つ国沿岸の海を治めるオッセの妻。その髪は中つ国の海という海を覆い、彼女は海に棲む全ての生物と、そこに育つ植物の全てを愛する。

オッセの妻

オッセとウイネンは水の王ウルモの臣下であった。アルダの創造のとき、メルコールに誘惑されたオッセは、海を荒らして陸を害した。アウレはウイネンにオッセを抑えるように求め、ウイネンはオッセを連れてウルモの前へ出た。ウルモの前でオッセは再び忠誠を誓い、かれは許された。

テレリの友

クイヴィエーネンからの旅を続け、ベレリアンドの西岸、シリオンの河口近くに辿りついたけたテレリは、オルウェを王にかつぎ、西岸に留まった。ウイネンは夫のオッセとともに、かれらを助けた。

後にアルクウァロンデにおいて、フェアノール率いるノルドールによる、オルウェの民の殺害がおこると、オルウェはオッセに助けを求めたが、かれは来なかった。ヴァラールは、オッセがノルドールの帰還を妨げることを、禁じたためである。しかしフェアノールの船団はウイネンの怒りを受け、多くの船と船乗りを失った。

ヌーメノールとウイネン

ヌーメノール人の船乗りたちは、嵐を好むオッセが荒ぶる時には、ウイネンに呼びかけて助けを求めた。彼女はオッセを宥め、波を鎮めることができたため、ヌーメノール人の崇拝を集めた。彼女はヴァラールにも劣らぬほど崇められており、[1]ヌーメノール人の航海者の結社は自分たちをウイネンディリ(Uinendili、ウイネンを愛する者達の意)と呼んだ。

初期稿におけるウイネン

『中つ国の歴史』シリーズによると、ウイネンを夫のオッセ共々ヴァラールであるとする構想があった。[2]それ以前の極めて初期の構想では、ウイネンはその名をÓnenまたはÚnen[3]もしくはOinen[4]とされ、また初期のヴァラールの名前のリストにはÓnenをSolórëもしくはUiと書いたものもあり、この頃の彼女の称号は「海の妃」(the Lady of the Seas)ではなく、「人魚の女王」(Queen of Mermaids)とされていた。[5]

脚注

  1. ^ J.R.R.トールキン 『新版 シルマリルの物語』 評論社 2003年 71頁
  2. ^ J.R.R. Tolkien『The History of Middle-earth Vol.5 The Lost Road and Other Writings』 Del Rey Books 122頁
  3. ^ J.R.R. Tolkien『The History of Middle-earth Vol.2 The Book of Lost Tales Part two』 Del Rey Books 50頁
  4. ^ J.R.R. Tolkien『The History of Middle-earth Vol.2 The Book of Lost Tales Part two』 Del Rey Books 330頁
  5. ^ J.R.R. Tolkien『The History of Middle-earth Vol.1 The Book of Lost Tales Part one』 Del Rey Books 304頁




固有名詞の分類

このページでは「ウィキペディア」からウイネンを検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からウイネンを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からウイネン を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ウイネン」の関連用語

ウイネンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ウイネンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのウイネン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS