アコースティック (楽器メーカー)とは? わかりやすく解説

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アコースティック・コントロール・コーポレーション

(アコースティック (楽器メーカー) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/06/27 05:34 UTC 版)

Acoustic Control Corporation
Acoustic Amplification
本社所在地 アメリカ合衆国, カリフォルニア州
13659 Victory Blvd. #1-360 Van Nuys, CA 91401 USA
事業内容 楽器用アンプの設計開発及び製造
外部リンク Acoustic Amplification
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アコースティック・コントロール・コーポレーション (Acoustic Control Corporation)エレクトリック・ギター及びエレクトリック・ベース用の楽器用アンプの設計開発及び製造を行っていた企業で、1980年代には事業を停止している。そして2007年以降は名称が Acoustic Amplification へと変わり営業再開。かつての社屋はアメリカカリフォルニア州サンセット大通りにあったが、現在の社屋はロサンゼルス市内のヴァン・ナイズ英語版にある。

来歴

アコースティック社のギター及びベース用のアンプにおける最も大きな特色は、ソリッド・ステート(トランジスタ)回路で構成されたアンプ (Amplification) で構築された製品群であり、真空管を用いた回路に比べるとハイ・パワー型で高能率な設計になっている。

ほんの一時期だけ「Black Widow」というモデル名のギターを製作していたが、全体のデザインがモズライト社のギターに酷似していたため200本ほど生産した時点でクレームが付き生産終了となり、その後はギターに関しての設計製造は行われていない。ジャズ・ギターリストの ラリー・コリエル や、ジェームス・ブラウン・バンド のギターリストの ジミー・ノーラン らが使用していた事があるモデル。殆ど市場に出回らなかったが、その存在はファン・サイトなどで知る事が出来る。

Acoustic Control Corporation は1980年代半ばに事業停止し、PA用のアンプ回路設計会社の True Tone Audio として再事業していた。設計技師の Steve Rabe は1984年にベース・アンプ専門のメーカー「SWR」へと移り、1998年には独立して「Raven Labs」社を立ち上げている。そして、Acoustic Control Corporation は2007年に Acoustic Amplification と社名を変更して再起し、B20 と AB50 というモデルから生産を始めている。その後の新たなモデルは Acoustic Amplification社のウェブ・サイトで随時発表されている。

主なユーザー

主なアコースティック製アンプのユーザーには様々なジャンルに存在し、ギターリストのロビー・クリーガー (ドアーズ) は最初期のアコースティック社製のアンプから使用していて、アコースティック 260 ヘッド と 261 エンクロージャー の組み合わせによる最初のACC (= Acoustic Control Corporationの略称) モデルで、アルバート・キングチャック・ベリー も クリーガー と同じモデル 260+261 ユニットを使用していた。カナダ出身のギター名手として有名な フランク・マリノ (フランク・マリノ&マホガニーラッシュ) 、フランク・ザッパアーニー・アイズレー らはモデル 270のアンプを使用。パット・メセニー が作り出していた有名な独特のギター・トーンはモデル 134 コンボを使用。ジョン・マクラフリン (マハヴィシュヌ・オーケストラ) もアコースティック製のギター・アンプ使用者であった。

ベーシストの中にもアコースティック社製のベース・アンプ・ユーザーは多く、ジョン・ポール・ジョーンズ (レッド・ツェッペリン)、ジャコ・パストリアス は モデル 360+361 を使用していて、ジョンジーの場合は2ユニットの 360+361 をステージ上で使用していた。他にも、ラリー・グラハム (スライ&ザ・ファミリー・ストーン, グラハム・セントラル・ステーション)、カール・ラドル (Carl Radle, デレク・アンド・ザ・ドミノス)、 リック・グレッチ (Ric Grech, ブラインド・フェイス)、ジョン・マクヴィー (フリートウッド・マック)、トニー・スティーヴンス (Tony Stevens, サヴォイ・ブラウン)、ピーター・オヴァレンド・ワッツ (Peter "Overend" Watts, モット・ザ・フープル)、カーク・パワーズ (Kirk Powers, アメリカン・ティアーズ) らもアコースティック製のベース・アンプを使用した。

キーボーディストでは、ヴァーデン・アレン (Verden Allen, モット・ザ・フープル) が260 ヘッド・アンプを使用。オランダのプログレッシヴ・バンドの フォーカス は モデル 271+371 の組み合わせで使用し、1971年のアルバム『Moving Waves』発売後のツアーで使用していた。

主なACC製品

ベース・アンプ

1980年まではオール・ディスクリートで構成されたソリッド・ステート回路で設計されていた時期で、ディスクリートとはトランジスタ、抵抗、コンデンサ、コイルなどの単体パーツの組み合わせで構築されている電気回路の事を指し、それらの機能をひとまとめにしたICなどの集積回路を用いた電気回路とは区別されている。

  • Model #360+361 (生産時期:1968年〜1971年)
Model #360 (ヘッド) はプリ・アンプ部として機能し、Model #361 (エンクロージャー) は45cmのスピーカーが中央に後ろ向きで1ユニット、フロント・ローデッド・ホーン形式のエンクロージャーに搭載、下部にはパワー・アンプ・ユニットを内蔵。プリ及びパワー・アンプ部は真空管回路を使用しないオール・ディスクリート構成ソリッド・ステート回路のハイ・パワー型となっていて、平均出力は220W、最大ピーク時は440Wまで対応できる仕様。
Model #360のフロント・パネルには、左端からハイ・ゲインとロー・ゲインのインプット、ブライト・スイッチ、ボリューム、トレブル、ベース、バリアンプ・レンジとエフェクト、ファズのアタックとゲイン・コントロールなどのノブが有り、右端にはパワー・スイッチ、グランドのON/OFF スイッチが装備。Model #360のリア・パネルにはヒューズ・ボックス、4対のアウトプットとファズ ON/OFFなどのフット・スイッチ用コネクターなど。
サイズは、Model #360が、縦15.3cm、横幅61cm、奥行き30cm・Model #361が、縦122cm、横61cm、奥行き46cm
  • Model #320+408 (生産時期:1978年〜1982年)
Model #320 (ヘッド) はプリ&パワー・アンプ部分として機能し、オール・ディスクリート構成ソリッド・ステート回路のハイ・パワー型、パワー・アンプ部の出力は1978年〜1980年は160W RMS@4Ω、1981年〜1982年は225W RMS@4Ω、接続するエンクロージャーのインピーダンスが2Ωの場合 (Model #408はインピーダンスが2Ω) には300W RMSが出せる仕様。
Model #320のフロント・パネルには、インプットがA/B ch用各1つ、A/B ch毎の独立したコントローラーとして、10dB PAD スイッチ、ブライト・スイッチ、ボリューム、トレブル、ミッドレンジ、ベースのノブが各々2個用意され、センター・セクションにはパワー・ブーストとノーマルの切り替えスイッチ、グラフィック・イコライザーのA/B ch切り替えスイッチ、一番右セクションには70Hz、125Hz、350Hz、820Hz、2000Hzの5ステージで各々+/- 20dBのブースト&カットが出来るグラフィック・イコライザーのスライダーを搭載。
Model #320のリア・パネルにはグランドのON/OFF スイッチ、ヒューズ・ボックス、2対のスピーカー用アウトプット、A/B ch切り替えとグラフィック・イコライザーのON/OFF フット・スイッチ用コネクター、A/B ch共有のエフェクター・インサート用プリ・アンプ・アウトとリターンが1対、A/B ch独立のエフェクター・インサート用プリ・アンプ・アウトとリターンが2対用意されている。
Model #408 (エンクロージャー) は各々バスレフ・ダクトを持つ上下の独立した2つのエンクロージャーに38cmのスピーカーが前向きに2ユニット、真ん中の中空スペースに対して上下にあるエンクロージャーの下部と上部から2ユニットが互い違いにマウントされた「チューンド・コンビネーション・リフレックス (Tuned Combination Reflex) 」という独特のエンクロージャー形式で、中心部にあるスペースには上下のエンクロージャーからのバスレフ・ダクトも互い違いに設置。
サイズは、Model #320が縦16.5cm、横67.3cm、奥行き29cm、重量19kg・Model #408が縦127cm、横67cm、奥行き51cm、重量59kg

関連項目

参考文献

  • リットーミュージック、ベース・マガジン 2009年1月号 (RM250901)
  • リットーミュージック、ベース・マガジン 2009年10月号 (RM250910)

外部リンク


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