アウトワード・バウンド (エリック・ドルフィーのアルバム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/21 13:26 UTC 版)
『アウトワード・バウンド』 | ||||
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エリック・ドルフィー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1960年4月1日 ニュージャージー州 ヴァン・ゲルダー・スタジオ[1] | |||
ジャンル | ジャズ | |||
時間 | ||||
レーベル | ニュー・ジャズ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
エリック・ドルフィー アルバム 年表 | ||||
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『アウトワード・バウンド[注釈 1]』(Outward Bound)は、アメリカ合衆国のジャズ・ミュージシャン、エリック・ドルフィーが1960年に録音・発表したスタジオ・アルバム。プレスティッジ・レコードのサブ・レーベル「ニュー・ジャズ」から発売された。
背景
自身初のリーダー・アルバムに当たり、ニューヨークへ移住してから数か月後に制作された[3]。本作でサイドマンを務めたフレディ・ハバードは、ドルフィーがチコ・ハミルトンのグループで活動していた頃からの知り合いで[4]、1960年12月21日には、オーネット・コールマンのアルバム『フリー・ジャズ』(1961年発売)でも共演した[1]。
収録曲「G.W.」は、ドルフィーが1957年、自分に大きな影響を与えたジェラルド・ウィルソンに捧げて作った曲である[4]。本作のセッションで録音された曲のうち「エイプリル・フール」は、当時は未発表となり、1966年発売のアルバム『ヒア・アンド・ゼア』が初出となった[1]。
評価
Don DeMichaelは1960年9月1日付の『ダウン・ビート』誌のレビューで満点の5点を付け「ドルフィーはオーネット・コールマンと比較されがちで、とりわけハーモニーに対する観念が似ているが、私はドルフィーのメッセージの方が論理的で、より優れた才能を持っていると思う」「彼は本作で3つの管楽器を使い分けているが、特にバスクラリネットの演奏が興味深い。この軽視されがちな楽器で、彼ほどの響きが披露された例はない」と評している[2]。また、ステュアート・ニコルソンは2021年、『ジャズワイズ』誌の企画「エリック・ドルフィーの必聴アルバム5選」の一つとして本作を挙げ「まだ印象的な業績を挙げていたとは言えない時代の作品だが、彼は最初から、ジャズ界でも特異なスタイルを完成させていた」と評している[3]。
収録曲
特記なき楽曲はエリック・ドルフィー作曲。
- G.W. - "G.W." - 8:00
- グリーン・ドルフィン・ストリート - "Green Dolphin Street" (Bronisław Kaper, Ned Washington) - 5:46
- レス - "Les" - 5:14
- 245 - "245" - 6:51
- グラッド・トゥ・ビー・アンハッピー - "Glad to Be Unhappy" (Richard Rodgers, Lorenz Hart) - 5:29
- ミス・トーニ - "Miss Toni" (Charles "Majeed" Greenlee) - 5:42
リマスターCDボーナス・トラック
- G.W.(別テイク) - "G.W. (Alternate Take)" - 12:12
- 245(別テイク) - "245 (Alternate Take)" - 8:12
- エイプリル・フール - "April Fool" - 4:10
参加ミュージシャン
- エリック・ドルフィー - アルト・サクソフォーン(on #1, #3, #4)、バスクラリネット(on #2, #6)、フルート(on #5)
- フレディ・ハバード - トランペット
- ジャッキー・バイアード - ピアノ
- ジョージ・タッカー - ベース
- ロイ・ヘインズ - ドラムス
脚注
注釈
- ^ 1974年再発LP (LPJ-80011)、1976年再発LP (SMJ-6514)、1984年再発LP (VIJ-247)、1988年以降の再発CDの帯に準拠。日本初回盤LP (RANK 5058)および1967年再発LP (SMJ-7432)では『惑星』という邦題が付いていた。
出典
- ^ a b c “Eric Dolphy Discography”. Jazz Discography Project. 2025年2月13日閲覧。
- ^ a b DeMichael, Don. “Eric Dolphy Outward Bound”. downbeat.com. 2025年2月13日閲覧。
- ^ a b Nicholson, Stuart (2021年10月15日). “Eric Dolphy: Five Essential Albums”. Jazzwise. MA Education & Music. 2025年2月13日閲覧。
- ^ a b オリジナルLPライナーノーツ(Ron Eyre)
外部リンク
- アウトワード・バウンド - Discogs (発売一覧)
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